宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

だからこそ

2008-10-15 01:09:20 | 自由、選択、団体へのコミットメント
デモクラティックスクールで働くことは、既存の学校で働くこととは違います。


まず既存の学校では子供から評価されることはありません。


最近は学力テストの結果で教師を評価する動きもありますが、それはあくまで学力という大人の価値観に沿って教師を評価しているだけであって、子どもからの評価じゃないですね。


では学習塾での子供による講師への評価はどうでしょうか?


大手の塾では生徒による教師の評価付けが行われています。


たとえ小さな塾でも、講師のせいで生徒が辞めれば、講師は責任を問われるでしょう。


それはデモクラティックスクールに近いかもしれません。


子どもが大人を評価するという形です。


サーヴィスを受けているのは子供なのですから、子どもが評価するのは当然です。


しかし、どこか塾とデモクラティックスクールでは違うようにも思います。


どこが違うのか?


まず塾でしている勉強は、必ずしも子供が自分で選んでいるわけではないこと。


たしかに塾に行くうちに主体的に勉強に取り組んでいる子供はいるでしょう。


しかしほとんどの子供はやらされて勉強し、そのうち自分でも必死で勉強しなきゃと思い込むようにしているのだと思います。


そのうえで面白くない授業をする先生には低い評価を付けるのですが、自分で選んでいない教科・自分のしたくない教科・自分の苦手な教科をしていることには変わりはありません。


つまり、塾にいる子供は自由ではありません。たとえ教師を選ぶことができても。




デモクラティックスクールは、子供に完璧な自由を与えることを志向します。


だからこそ、子どもが学校のスタッフを選ぶことができなくてはなりません。


子どもの自由のために。


それは、そこで働くスタッフにとってはつらいことかもしれません。


子どもたちのニーズや財政状況によって、自分がいつまでもデモクラティックスクールで働ける保証はないからです。たとえその人が子どものことを好きであっても。


しかし、そのように完璧な自由を子どもに保証するからこそ、デモクラティックスクールの子供たちは人間本来のものを磨きながら生活できるし、スタッフもその姿を見て自分の仕事にやりがいを感じるのだと思います。


だからこそ多くの人がデモクラティックスクールで働き続けることを希望し、また新しい人がそこで働くことを希望するのだと思います。


>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
    都会のサドベリー・スクール
    デモクラティックスクール 宙(そら)

 〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
 Tel/Fax 0798-70-0777
 公式HP


日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)好評発売中 宙(そら)のメンバー・保護者・スタッフも書いてます。 


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「子どもたちの晩餐」

2008-10-13 15:12:54 | 食べる
私が好きな作家に江国香織さんがいます。その彼女の小説に「子どもたちの晩餐」という作品があります。


登場するのはある家族。ママは健康的な食事を作るのをこころがけ、おかげで子どもたちには虫歯一つなく、ママは十年間同じ体重(47.5キロ)を維持し、パパも成人病にかかっていない。

ある日、パパとママが外出し、ママが子供たちのために作っておいてくれた食事も「完璧」なものでした。サラダとレモンジュース、テーブルの上にパンと林檎、電子レンジで温めるチキンソテー。


しかし、なんと子どもたちは、ママの作ってくれたその料理を庭の土の中に捨てます。それら豪華な料理を子どもたちは土の中に投げ、土のバケツに向かって

「からだにいいものばかりだから大丈夫よ」

「これで成人病にならずにすむよ」

という言葉をかけます。


そして彼らがする食事とは・・・


それは「ベッドの下に隠しておいた憧れの食べ物」。


カップラーメン、派手なオレンジ色のソーセージ、ふわふわのミルクせんべいと梅ジャム、コンビニエンスストアの正三角形のおむすび、生クリームがいっぱいの100円で売っているジャンボシュークリーム・・・


「好きな場所で、好きなだけ。理穂お姉ちゃんはおむすびを庭で食べたし、私はベッドの中で梅ジャムを舐めた。お兄ちゃんたちは二人で、げらげら笑いながらお風呂場に隠れてラーメンを啜った。歩きながら食べたり、歌いながら食べたりもした」


この光景を見てどう思います?


なんと破廉恥でしょうか?


これだから子どもにすべて任せるのは間違っているでしょうか?


サドベリー・スクールの創始者ダニエル・グリーンバーグさんも言っています。現代の砂糖文化は子供に害を与えている、と。


でも私は江国さんのこの文章が大好きです。



人間はどういう食事を採るべきなのでしょうか?


私たちは自然に還るべきなのでしょうか?


そしてデモクラティックスクールは、そのような自然復帰運動の一つなのでしょうか?


分かりません。


分かりませんが、確かに一つ言えることは、デモクラティックスクールとは「子ども・教育のこうあるべき状態」を設定してはいないということです。


デモクラティックスクールとは、子どもを、他者をコントロールせずに、信頼するあり方です。


自然に還ることではないし、健康オタクになることでもありません。



宙(そら)の子供はアイスクリームが大好きです。駄菓子も大好きです。涼しくなってきたこの頃は、カップラーメンが大人気ですね。


とってもおいしそうに食べていますよ。



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面倒くささ

2008-10-10 11:05:58 | ミーティング、ルール、民主主義
デモクラティックスクールは、その名の通り民主主義を重んじます。


デモクラティクスクールをアメリカで創始したダニエル・グリーンバーグさんは、『自由な学びが見えてきた』の中でこう述べています。


保護者と子どもたちの会話で、親たちが「デモクラティックスクールであなたたちにとって一番重要なことはなに?」と聞いたとき、子供たちは「民主主義!」と答えたそうです。


その発言を聞いて、グリーンバーグさん自身が驚いたそうです。


たしかにサドベリー・バレー・スクールは子どもたちが好きなことができるし、また民主主義に則って団体が運営されています。


でもダニーの中ではその二つは必ずしも結びついていなかった。




民主主義のいいところは、団体のあり方を自分で決めることができる点です。


これは、スクールでは自分の好きなことをできるという点と同じで、自分だけでなく、自分が属する団体を自分の好きなようにできるということです。


自分を自分の好きなようにする。


これは本人にとって面倒くさいことでもある。


自分が何をするか自分で決めるより、他人にあれこれしなさいと言われて動く方がラクだと思う人もいます。


日本人にはそういう人が多そうですね。


民主主義というのは面倒くさいものです。


デモクラティックスクールでもスタッフとメンバーが対等な一票を持つミーティングをしますが、それは長引くと面倒と感じているメンバーもいます。


民主主義って面倒ですね。


実際、私たちの国の選挙では、投票率が50パーセントを超えるほうが珍しいでしょう。


私たちの国は、民主主義を放棄する人を、民主主義を実践する人がカバーして国を動かしている、ともいえます。国のことを考えることを放棄する人を、考える人がカバーしているんですね。


民主主義が嫌だ、という人をも含むのが社会です。そして、そういう民主主義が嫌だと思う人を含みながら、意識のある人が民主主主義について考えて実践しているのも社会の現実の姿です。


これは民主主義についてまわる問題です。


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本田さん講演会とチラシ刷り

2008-10-09 14:59:26 | お知らせ
今日は、宙(そら)のチラシを刷りに午前中は西宮市交流センターまで行ってきました。


このチラシは、11日に行われる本田健さんのデモクラティックスクールに関する講演会で配っていただくためのものです。


今回はスクール紹介・生徒募集のチラシだけでなく、リンク&寄付金をお願いするチラシも刷ってみました。これは、宙(そら)の活動に賛同していただく方に、インターネット上でリンクを張ってもらって宙(そら)を紹介していただいたり、メンバーたちの活動にかかるお金の寄付をお願いしたりするためのチラシです。


デモクラティックスクールはまだまだ世間の中での認知度が低いのですが、本田さんのように有名な人が世の中に訴えてくださることは、私たちとしても心強いかぎりです。


10月11日の教育講演会はもう満席のようですが、11月1日はまだ少し空きがあるみたいです。興味のある方はぜひ出かけてみてください。(^-^)/


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自然

2008-10-08 12:35:36 | 学び


宙やまっくろくろすけで今、私たちのメンバー・保護者・スタッフが執筆した『自分を生きる学校』を寄贈することを行っています。


その寄贈先の候補の一つとして、自然出産を実践されている助産院が挙がっています。


自然出産とデモクラティックスクールがどう結びつくのか、子どもを生んだことも生ませたこともない私は最初ピンと来ませんでした。


でも、よく考えたら、普通に結びつくのかもしれません。


自然出産は、安易に科学技術に頼らない形で出産することを志向されているのだと思います。


デモクラティックスクールは、工場で製品を作るように、教室でテキストを教えれば正しい知識が身につくという考えを拒否します。


どちらも、人を安易にコントロールするという発想・考えを否定する点で共通するんですね。



ただ、あるデモクラティックスクールのスタッフで自然出産を経験した方もおっしゃっていたのですが、デモクラティックスクールは科学技術を否定して自然に触れることを志向する教育というわけではありません。


教育にも色々な形があります。その中には、コンピュータやゲームに子どもを触れさせないようにする教育もあるでしょう。


それに対してデモクラティックスクールの子どもはゲームもパソコンも大好きです。


一日中ずっとゲームをしている子どももいます。


でも、子どもを見ていると、ずっとゲームをしているように見えても、本当にずっとしているわけではないことがわかります。


いろいろしているなかで、ゲームをするときもあるのだということがわかります。


また、ゲームに熱中する姿は、野球や勉強や漫画に熱中する姿と同じだということが分ります。


勉強をしていて目が悪くなることもあれば、ゲームをしていて目が悪くなることもあるでしょう。


なのにゲームが批判されるのは、ゲームからは何も学べないと大人が思っているからです。


でも、そういう考え方がデモクラティックスクールでは通用しません。


ある事柄に取り組み、一つの状態にとどまらずに上のステップに進むと言うプロセスこそが学びであり、ゲームはまさにその例に当てはまるのです。


でも、そんな言い方をしなくても、子どもがゲームに熱中する姿を見ていれば、そこには何かあると考えるのが普通です。



デモクラティックスクールの自然とは、その人本来のあり方をすることです。その人本来のあり方とは、固定した・停滞した状態ではありません。


その人にとって必要なことはその人にとってわかるのであり、人をコントロールせずに人を信頼する、というのがデモクラティックスクールの考えです。

「よみたん自然学校」と小倉さん

2008-10-06 11:42:30 | Weblog
昨日、夜に何気なくテレビをつけたら、『情熱大陸』という番組で小倉宏樹さんという、幼児教育に取り組まれている方が取り上げられていました。


私が観たのはもう番組が半分ぐらい過ぎてからなので全体は分らなかったのですが、「よみたん自然学校」という幼児のための学校をされているようでした。

ホームページをみさせてもらうと、学童保育と幼児教育を同時にされている学校かな。


わたしの目を引いたのは、小倉さんがこの学校をするきっかけとなったのが、サドベリー・バレー・スクールに行ったことだったということ。番組ではサドベリーの創始者ダニエル・グリーンバーグさんが書いた『世界で一素敵な学校』が紹介されていました。


番組ではその後で、小倉さんの、子どもの自主性を尊重して、遊んでいるときに安易に彼らに手を貸さない姿が紹介されていました。木を上る子どもを助けずに見つめたままだったり。あるいは魚を採っても、それを飼うか海に返すかを子どもたちに決めさせたり。


大人は子どもが困っているとついつい手を出したくなります。私はデモクラティックスクールで働いているのに、それでも子どもについつい“教え”たくなるときがあります。で、本当に何かを教えようとすると、子どもに「いや、いいから」と言われたり。


実際、教えたくなることに気づいて我慢することが、大人にとって一番むずかしいことだったりするんですよね。


小倉さんはその点でとても忍耐強く子どもを見守っているように見えました。羨ましいです。


それにしても、この学校の環境の素晴らしいこと!


私は、子供のための学校は必ずしも自然にあふれた環境である必要はないと思っています。子どもにとっては、ゲームソフトを買ったり他の買い物をするのに都会の方がいいということがありますし。


そうわかってはいても、青い海がそばにある「よみたん自然学校」は、開放的でとてもいい環境にあるように見えました。

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参考:「よみたん自然学校」
 しょうこと仲間たち★

   「情熱大陸/よみたん自然学校代表・小倉宏樹」を観ました。 ディレクターの目線blog

   「よみたん自然学校」 ナマケモノの哲学

   「情熱大陸」 HOT LIFE

   「よみたん自然学校~情熱大陸~」 経営者のための風水成功活用術

   「世界一素敵な学校。」 等身大。

   「情熱大陸 「子どもはエライ!」 - 沖縄で見つけた子どもと大人の新たな関係」 

熱中

2008-10-05 17:24:36 | 学び
吉本隆明さんに『子供はぜーんぶわかってる』という著作があります。


その中で、子どもが遊びに見せる“熱中”している姿をめぐって、吉本さんと対談相手の小学校の先生が次のように話しています。

子どもの熱中の度合いがあまりにもすごいことをその先生は言います。たとえば自分たちで「花壇の柵など少し高い所を逃げ回る、地面に着かないでする鬼ごっこ」を考案するなど。

それを受けて、吉本さんは子どもと大人にとって“熱中”することの意味は変わらないといいます。そして、要するに熱中とはどういうことかを次のように述べています。


大人が生活の中の三分の一である勤め場所で熱中する……ここで真面目じゃないと、どういう考え方から言ってもあまり真っ当じゃない気がするんです。そこでだけは意識して怠ける時を除いて、熱心な人の方がなんとなく良いなぁと。

賃金仕事は生活の根底に触れる問題だから、そこで怠けている人よりは評価が良いのは僕らの中でも同じです。僕は大きい本屋さんも小さい本屋さんも付き合いがありますが、あまり誤植が多かったり、話が通らない投げやりなところがあったりすると、やっぱり嫌だなぁと思います。(p.76)


吉本さんは、子どもにとって遊びが仕事だ、と言います。そうであるなら、たんに鬼ごっこをするのではなく、「花壇の柵など少し高い所を逃げ回る、地面に着かないでする鬼ごっこ」を考案することは、より難易度の高いハードルに挑戦するという意味で、正しく仕事をしていると言えます。


そして、それは大人が自分の仕事をまじめにこなすことと等価なのです。


また、熱中していなければ、子どもは生きながら死んだ状態にあるも同然、、とも言えるでしょう。


でも、20世紀になって一部の国を襲った「学校」という制度の普及は、子どもが熱中する機会を排除してきました。


私自身の記憶では、小学校から帰って異様に熱中して遊んでいたのを思い出します。小学校まではそうやって遊んでいました。


学校にまつわる嫌な出来事はもちろんありましたが、思いきり遊ぶ時間もありました。


学校の成績で人間を分ける見方もまだついていませんでした。


しかし中学になると、そのような余裕も完全になくなってしまいます。



今も、小学生は遊びの時間を自分たちで見つけて熱中して遊んでいます。


しかし、そのような熱中する時間を私たちの社会は子供たちに十分には与えていません。


彼らは、学校の休み時間(=「遊び時間」)や放課後のわずかな時間をみつけて遊んでいるのです。


大人は、本来は、働いている時間の間は熱中していなければなりません。つまり、熱中できる仕事に取り組んでいなければなりません。


でも、私たちは知っています。そのような大人は多くはないことを。


なぜなのか。おそらく、子どもの時から熱中することを抑えていたら、自分のやりたいことが何なのかは分からないし、ましてやりたいことを仕事にするなどということも不可能でしょう。


子どもに、大人になっても仕事に熱中し、真っ当な大人になって欲しいのであれば、子ども時代から熱中する時間と環境を彼らに与えるべきではないでしょうか。


デモクラティックスクールはそのための一つの試みです。


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学ぶ力

2008-10-03 13:42:24 | 学び


わたしがよく読ませてもらっているブログ “404 Blog Not Found”の「学力って本当に低下しているのだろうか?」はとても興味深いです。


ここで著者の小飼弾さんは学力について次のように言っています。


私にとっての「学力」の定義は、読んで字のごとく「学ぶ力」、すなわち「わからなかったことをわかるようにする力」だ。はじめから「わかっている」必要は全くない。極端な話、何も知らなくても、誰に聞いたらわかるのかを知っている人の学力は、8割のことを知っていても残りの2割を誰に聞いたらいいのかわからない人よりもずっと学力は高いのだ。


これはデモクラティックスクールの考える“学ぶ”ということと同じだと思います。

「子どもは大人になるための準備として教科を学習しなければならない」という考えは世の中に根強く残っています。

しかし大人はみんな知っているように、社会で生きていく上では、学校で学ぶ知識はほんの少ししか、あるいは全く役に立ちません。

実社会には直接役に立たないことを子ども時代に勉強しながら、大人になってあらためて必要な知識を人は学んでいるのです。

おそらくわたしたちは、生きているかぎり未知の問題にぶつかり続けます。そのとき必要なのは、あらかじめ色んな知識を知っていることではなく、分らないことを自分で調べる癖であり、力です。

生きていくにはそのような力が必要です。しかしわたしたちの社会では、ただ教科書を覚え込ませることを子どもに強いて、自分がぶつかった問題を自分で解決するような機会を与えていません。

人は自分の興味のある問題に取り組むとき、自分から解決策を調べようとします。だから自分で問題を解決する癖を身につけるには、子ども時代に自分の好きなことに徹底的に取り組んでいる必要があります。

しかし、もちろん既存の学校では、子どもが自分のやりたいことを追求できる時間はありません。それだけでなく、やりたいわけではないことを強制されることで、自分が好きなことは何なのかまったくわからないまま大人になります。

そのために、わたしたち大人の多くは、「自分の好きなことが何なのか分からない」と言います。

だから、“問題”にぶち当たることもありません。


それに対しデモクラティックスクールでは、子どもたちはいつも“問題”にぶち当たります。それを解決するよう子どもたちは迫られます。


彼らが今すぐ教科のテストを受けさせられたら、何点取るかは分りません。


しかし、頭の良さ、つまり生活の中で問題を解決する力は遙に他の学校の子供より上だと思います。また現実の社会に関する知識も。彼らは世の中の仕組みについて実によくわかっています。


本当の学力を身につける上で、デモクラティックスクール以上に相応しい学校があるのかどうか分かりません。



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Tシャツ

2008-10-02 13:26:53 | 日常


木曜日はメンバーのみんなが活動する日。


野球に行ったり釣りに行ったり。


その日を狙って、親たちがオークションの勉強をしに宙(そら)に来ています。


ボランティアでオークション。宙(そら)の財政に少しでも貢献できるように。



宙(そら)では新しいロゴも考えていて、そのロゴを使ったTシャツを作ることも考えています。


とりあえず、Tシャツにプリントしてみました。


シャツへのプリント用の用紙が一枚200円ほど。Tシャツが一枚500円。


なんだ原価700円じゃん。1500円ほどで売ればいいのじゃないだろうか。


と僕は思っていたのですが、たんにアイロンでプリントしただけでは洗濯で剥がれる可能性大だそうです。


ちゃんとしたTシャツを作ろうとすれば原価3000円ほどするとのこと。


でもそのぐらいの値段だと、買ってくれる人はいるかな。


なかなかデザインはいいと思うのだけど。

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広報

2008-10-01 15:24:39 | スタッフの仕事

いやぁ、今日暑いですね。


昨日までは雨だったので、余計に今日はからっと晴れて気持ちいいです。


わたしは午前中に宙(そら)のチラシを神戸市の掲示板に貼ってきました。


宙(そら)の生徒集めでは、わたしたちも試行錯誤しています。


お金がない中で、どうすれば効果的に広報できるか。これが宙(そら)の一番の課題ですね。それは、デモクラティックスクールに共通する課題なのだと思います。


ボストンのサドベリー・バレー・スクールの創始者であるダニエル・グリーンバーグさんは「サドベリーはつねに世の中に広報していかないと、いつ終ることになるか分からない」と言っているそうです。


サドベリー・バレー・スクールは、宙(そら)とは違い、200人近い子どもが通っています。


そこまで生徒を集めているサドベリー・スクールは、他にはありません。


でも、サドベリー・バレー・スクールも、最初からそこまで生徒が集まっていたわけではありません。


ダニエル・グリーンバーグさんは、デモクラティックスクールの理念が素晴らしいことは分っていたので、すぐにでも生徒が集まると思っていたそうです。


しかし、実際はそうではなかった。生徒集めに苦労したそうです。


授業もテストもない学校。


その素晴らしさが受け入れられるのは、簡単ではなかったのです。


何人か生徒が集まっても、勉強を教えるよう圧力をかけてくる親たちがいたりして、何年かに一度は半分ほどの生徒がやめるということを繰返してきたそうです。


つねに生徒集めに苦労してきたサドベリーは、80年代に学校のお金の大部分を広告費に使ったそうです。


結果的にはそれが成功したそうですが、学校にとってそれは一大冒険だったんですね。


宙(そら)も、そういう過程を通らなければならないでしょう。


授業もテストもクラスもないという学校の理念を世の中に広めるのは、簡単ではないかもしれません。


学校や学習塾であれば、みんなすぐにイメージが浮かびますが、デモクラティックスクールのことを聞いて、すぐに受け入れる人がたくさんいると考えるのはナイーブかもしれません。


でも、日々デモクラティックスクールの中にいると分りますが、人にとってこれがとても自然な学校な形であり、子どもが自然に成長できる学校だということがわかります。


デモクラティックスクールはあまりにも普通すぎるために、多くの人は戸惑うのかもしれません。


わたしたちが忘れていた自然さや普通ということを、デモクラティックスクールは思い出させてくれます。

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参考 デモクラティックスクール 『まなぶ つなぐ』