宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

掃除はしない。

2008-06-27 14:09:29 | Weblog


宙(そら)のみんなは掃除が嫌い。


ホントに、呆れる、じゃなくて感心するぐらい掃除が嫌い。


あんまり嫌いなので、自分たちが掃除するのをやめて、スタッフにしてもらうことにかつてのミーティングで決まりました。


そういえば、学校では子どもたちがみんな掃除させられますね。


自分たちの使う教室だから、子ども自身で掃除するのは、当たり前。


それも一つの考え方ですね。


ただ、義務教育で、自分で選んできているわけではないのに、掃除させられるのですが。


宙(そら)では、そしてデモクラティックスクールでは、子どもたちは自分のすることを自分で決めます。


そのような環境の下で、子どもたちは自分のしたいことはするし、したくないことはしない、という意思決定することを習慣として身につけていきます。


宙(そら)の子どもたちは、そうじをしない、と決めました(いや、まったくしないわけではないですが)。


そういうのを見て、なんとなく、潔い! 健全! だとわたしは思った。


しなければならないことはしなければならないけど、回避できるいやなことはしない。



先日も、部屋に置いてあるござを「捨てていいか?」とみんなに聞いたら、みんな「いい」と答えてくれた。


このござはかなりでかくて、メンバールームのかなりのスペースをとってしまっている。


じゃまなものは消えるにかぎる。


でもこのござを燃えるゴミとして捨てるには、小さく切らないといけない。


そこで「みんなでジャンケンして負けた人が切ろう」というと、誰も賛成しない。


つまり、ござを捨てるのはいいけれど、わざわざ重くて堅いござを切る労力をつかってまで捨てたいわけでもないのです。



大人はいつも、


「部屋を掃除なさい」


と子どもに言います。


でも子どもはそんな潔癖症にはかかっていません。


生活に困らなければ、ある程度汚くても生きていく生命力を子どもはもっています。


だから、する必要のない掃除はしない。


それはたくましさのあらわれだとおもう。

本を誰に贈ろう?

2008-06-25 15:02:06 | 日常


今日もくもり。 梅雨なので当分こんな日が続くでしょう。


今日は水曜日。毎週水曜日はスクールミーティングの日です。


デモクラティックスクールでは、メンバーとスタッフが平等な一票の投票権をもつミーティングによって学校が運営されています。


宙(そら)では毎日3時半から行われるデイリーミーティングと、水曜日に1時半から行われるスクールミーティング。


デイリーミーティングでは、日々の細々としたことを話し合います。いらいなくなったものを捨てるか置いておくか、とか、学校の備品を外に持ち出してよいか、とか、どこを誰がいつ掃除するか、など。


もう一つのスクールミーティングでは、先日話したプロジェクトの承認や活動報告、あるいは予算の話し合いなどを行います。


今日のスクールミーティングでは、今度、宙(そら)やまっくろくろすけなどのデモクラティックスクールのみんなが共同で作った本『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)をめぐって話し合われました(この本の内容については、また別の記事でも話したいと思います)。


今日話し合われたのは、宙(そら)がもらったこの本の10冊を誰に贈るのかということ。


私自身は、10冊という冊数はとても少ないので、今まで宙(そら)に関わりのあった人たちにプレゼントすればいいのではないか、と思った。


でも、もう一つの考え方として、図書館に寄贈したり、あるいは広報目的でメディアに送ったり、といったことも考えられます。


私自身は、メンバーである生徒たち自身が自分の好きな有名人に贈ればよいのではないか、と思った。


ファンレターなら誰でも贈ることができる。でも自分について書かれた、あるいは自分が書いた(本の内容にはメンバーのインタビューも含まれている)本を贈るということができる人はめったにいない。


だから、自分の贈りたい有名人に贈っては?とメンバーに提案したのだけど、う~ん、あまり乗り気じゃなかったかな、みんなは。


でも、こんな機会はせっかくですからね。



もうちょっとこの案について考えたいです。

曇りの日

2008-06-23 10:46:38 | 日常


今日もじとじと雨が降りそうな降らなさそうな日ですね。


宙(そら)は朝10時から空いていますが、今日も10時にメンバーが来ています。


マンガ読んだりゲームしたりしています。


外は今にも雨が降りそうな曇り空。


昼間ですが、部屋の中に電気をつけていると、外の薄暗さとのコントラストで、とても明るく感じます。


最近は蒸し暑い日が多いですが、今日は涼しいですね。


外が暗い分、中の明るさは、何かに守られているような暖かさを醸し出しています。



今日は、メンバーの一人のゆうとスタッフのぐら(代表)が、塚口の中古釣具店に行く予定です。


ゆうが釣具を売りに行くのに、大人が付いていかないといけないのですね。もちろん親の同意を得た上で。


こういうこともスタッフの仕事なのです。


でも、昼には、ぐらに数学を教えてもらいに、他のメンバーが来る予定なんですね。


だから、ぐらは早く中古釣具店に行っておきたいんですけど、ゆうがまだ来ないんですね。


さぁ、どうなるんでしょう。

学ぶとき

2008-06-20 13:44:47 | 学び
今日は、わらび座という劇団の角田紀子さんが宙(そら)に遊びに来てくださいました。


わらび座とは、日本の伝統芸能とミュージカルを合わせた舞台をしていて、日本で三番目に大きな劇団だそうです。


今度そのわらび座が、手塚治虫原作の『火の鳥 鳳凰編』(7月5日、6日 兵庫県立芸術文化センター)を舞台で演じるそうです。


角田さんはこれまでにフリースクールなどにも訪問されていて、既存の学校に行っていない子供にもたくさん舞台を見に来て欲しいそうです。


お話で面白かったのが、角田さん自身は、小学校や中学校で漢字を習っていて、

「漢字は私には必要ない!」

と決めて、先生にもそう宣言されたそうです。

他にも、句読点や改行やなど、作文の細々とした決まりごとを習うのを拒否されたそうです。


その後学校を卒業された角田さんは、子どものときに観て感動した舞台をしていたわらび座に入られたそうです。

そうすると仕事上どうしても文章を書かなければならなくなるそうですが、どうしても文章に間違いが多く、そこから言葉を学ばれているようです。

角田さんは

「子供のころに漢字をべんきょうしておくべきだった」

という意味のことを言ったのですが、


その話を聞いていた代表の倉谷(ぐら)は、

「それは、べつに子供のころに漢字を勉強しておくべきだったということではなく、今必要なのだから、今すればいいことなんじゃないでしょうか」

と言いました。


これは、デモクラティックスクールの基本的な考えのひとつです。


つまり、人はそのとき必要なことを学ぶとき、それをもっとも吸収することができる、という考えです。


通常の学校ではカリキュラムが決められ、4年生に習う漢字、5年生に習う漢字、と決められています。


漢字だけではなく、すべて学ぶ内容を学校で決められています。


デモクラティックスクールは、自分で学ぶことを自分で決める学校です。


以前、NHKで放送されていたサドベリー・バレー・スクールを扱った番組で、卒業生がインタビューに答えていました。


その女性は、サドベリー・バレー・スクールから大学に行き、そこで数学を学んだのですが、彼女が数学を学んだのはそのとき初めて(!)だったのです。

最初は彼女も戸惑ったそうですが、すぐにサドベリーで学んだことが生きると悟ったそうです。

つまり、そのとき必要なことを、最初からひとつひとつ学んでいけばよいということです。

デモクラティックスクールでは、誰もがそうやって学んでいくのです。

例えばゲームの説明書を見てみてください。

たくさんの漢字がありますよね。

ゲームひとつするのにも、漢字を学ばないとできないのです。


あるいはインターネット。これはもう、文字を知らなくては話になりません。


普通の学校で学ばないと、わたしたちは子どもは何も学ばないと思ってしまいます。


でも、デモクラティックスクールにいると、そんなことはありえないとわかります。

プロジェクト

2008-06-18 13:24:32 | 学び
今日は雨。


じゃない。


でももうすぐ雨が降りそう。


明日は間違いなく雨が降るそう。



宙(そら)では「プロジェクト」というものがあります。


「プロジェクト」とは、メンバーである子どもたちが、自分の行う活動のこと。


今までも言ってきたように、宙(そら)では、他人に迷惑をかけたり、日本の法律を破ったりしない限りは、メンバーは何でもすることができます。したいことをすることで人はそこから学ぶことができるからです。


そのしたいことのなかで、どうしてもお金が必要になるものがでてきますね。


そういうときに、その「したいこと」を宙(そら)に“プロジェクト”として認めてもらうよう申請します。

そしてミーティングで他のメンバー・スタッフから認めてもらうと、その活動を「正式に」認めてもらえ、活動に関わる経費も学校から出してもらえるようになります。

学校がお金を出すのですから、なんでもかんでも簡単にプロジェクトと認めてもらえるわけではありません。

まずプロジェクトを始めるに当たっては、企画書を書かなければなりません。この企画書を元に、申請者はミーティングでその活動をプロジェクトとして認めてもらえるように他のメンバーに説明しなければなりません。

一度プロジェクトとして認めてもらえても、お金が関わる以上、会計報告をミーティングでしなければなりませんし、活動をしていることも報告しなければなりません。

それは、単にお金の問題ではなく、“プロジェクト”として、学校の正式な活動として行っている以上、メンバーに報告する必要があるのです。

会計に問題があるとペナルティを課されますし、それが続けばプロジェクト停止になることもあります。

一度“プロジェクト”として通しておきながら、その活動をしないことも問題になります。

こんな面倒な手続きがいるわけです。

つまり、それだけ「やる!」という決意がないと、“プロジェクト”を申請することはできないのです。


これはとてもいい制度だと思う。

宙(そら)ではやりたいことをできる。

そのなかで、そのやりたいことを“プロジェクト”として認めてもらおうとすることは、そのやりたいことにコミットするということだからです。

どんな内容のことであれ、何かを「やる」と決めること、それ自体がその子に何かをもたらすのだと思います。



で、何を言おうとしていたかと言うと、今宙(そら)で認められているプロジェクトのうちの一つが野球で、フリースクールと野球するために毎週木曜日に大阪に行っているのだけど、今年の4月から木曜は雨ばかりで、明日も雨になりそうなのですよ

野球

2008-06-17 10:57:10 | 日常


暑いですね。


宙(そら)の中も暑いです。


でも、まだ真夏ではないので、部屋の中で扇風機を浴びないと耐えられない、というレベルではありません。


代表のぐらは扇風機を独占しているのですが。



宙(そら)で流行っていることのひとつは、野球です。メンバーのみんなが外に遊びに行ってするのはキャッチボールやノックだし、部屋でするのも野球ゲームだったりする。“プロスピ”“パワプロ”ですね。


これは、代表のぐらが野球が好きで、それのメンバーが感化されからでもあります。


今の子どもがすきなのは野球よりサッカーという印象が私にはあったので、ここに来たとき、私はちょっと意外だった。


私もむかし野球が好きだったのだけど。



みんなの(約二名)好きなのはオリックス。


他のメンバーが好きなのは、横浜だったり、楽天だったり。


宙(そら)があるのは西宮市なのだけど、目と鼻の先に本拠地がある阪神ファンはひとりもいません。


ふ ふ ふ。


関西は阪神ファンばかりではないのだ。



危険

2008-06-13 13:39:52 | スタッフの仕事
先日、宙(そら)のメンバーである子どもたちと近くの公園にサッカーに行きました。

そのとき、私のヘディングしたボールが鉄の網で作られた柵を超えて行きました。

私は、ボールをその網を越えさせたのは私の責任だし、ここはなんとしてでもボールを取り戻さなくてはと思い、網に手を乗せ、柵を越えました。

そのとき、手に網がささり、血が出てしまいました。

結構痛い。

その後、今度は子どもが蹴ったボールが網を越えて行きました。

するとその子も網の上を越えてボールを取ろうとしています。

私は自分が手を怪我したことだし、思わず

「かずま、のぼったらアカン!」

と叫んでしまいました。

そう叫んだのは、実は網が張り巡らされていない場所があったから、そこから登ればいいと思ったからでもあります。

ただ、やはり同時に、子どもに怪我をさせちゃいけない、と咄嗟に思ったのかもしれません。


アメリカのサドベリー・バレー・スクールの創始者であるダニエル・グリーンバーグさんがスクールについてのエピソードを綴った『世界一素敵な学校』にはこんなことが述べられています。

子どもたちが、車がたくさん走る道路や、岩場や、小川や、大木といった学校を取り囲む「危険」に対して、ダニエルたちは「禁止」という規則を掲げて子どもの行動を規制するかどうかという問題に立たされてきました。

普通の学校であればそのような「危険」に近づくことを禁止するでしょう。

しかしサドベリー・スクールには、「生徒は自分で自分のすることを決める自由があり、その結果について責任を負うべきである」という自己責任の原則があります。

この自己責任の原則を尊重するなら、上記のさまざまな「危険」に近寄るかどうかも、生徒の判断に任せるべきであるということになります。

「そのうち、私たちは気づきました。見方によっては、どんなものでも「危険」な存在になり得るのです。木も岩も、ポーチも道路も、川の流れも。キャンパスの一見、見事な芝生にしても、地ネズミが巣穴をつくっていて、足がすっぽりはまれば捻挫してしまいます。

 子どもたちは、生まれつき自己防衛本能を持っており、自己を破壊するようなバカな真似はしないものなのです。

 ですから、本当の危険は、彼・女らの周りに規制の網を巡らすことによって生まれます。規制を突破することが逆に挑戦になってしまうのです。規則を破ることが至上命題になってしまうと、こんどは肝心の安全の確保の方がおろそかになってしまいます」(p.161)。


わたしが

「かずま、のぼったらアカン!」

といったかずまは、16歳で、今の、宙(そら)では最年長です。大人びた雰囲気をもつ彼は、私よりも物事の判断力があるのではないかと思わされます。その彼であれば、私がどうこう言わなくても、鉄の網を上るべきか上らざるべきか、きっと自分で判断したでしょう。

でも私は思わず“大人として”「やめとけ」と叫びました。

それが、私とメンバーとの間の対等さを損なうものなのかどうか、それともスタッフとして必要なことだったのか。

今でもわかりません。

デモクラティックスクールで働いていると、このように、今までの自分のものの考え方を再検討する機会を毎日与えられます。




デモクラティックスクール宙(そら) 公式HP

たいくつ

2008-06-12 14:55:40 | 時間


今日の宙(そら)は、あるメンバーは海釣りに行ったり、あるメンバーは休みだったり、あるメンバーは野球の練習に行ったり、あるメンバーは中学のトライやるウィークに行ったりして、この場に来ているメンバーの数が少ない。

今日来ているわずかなメンバーは

「たいくつだぁ~」

って言ってます。


でも、「たいくつだぁ」って言えるということは、とてもいいことのようにも思います。

私たちは会社でも学校でも「たいくつだぁ」なんて言えませんよね。

そんなこと言ってたら、まわりの人に怒られそうです。

「たいくつだぁ」って言える時間を何度も経験しながら、自分の方向を微調整していくものなんだとおもう。

健全な距離

2008-06-10 14:52:26 | 自由、選択、団体へのコミットメント
デモクラティックスクール宙(そら)は、よくフリースクールと間違われます。

「フリースクール」と言っても、そこで行われている活動は団体によってさまざまでしょう。

ただ、少なくないフリースクールに共通する特徴のひとつは、学校でつらい経験をした子ども、学校に行きたくない子どもを受け入れる場というものがあると思います。

そういった子どもに心理の専門家によるケアを施している場もありますし、専門家でもなくても、スタッフがそういった子どもに意図的に関わろうとしている場もあります。

おそらく、意図的に時間を作って、スタッフと子どもが関わる場を設定している場合もあるでしょう。


デモクラティックスクールは、学校がいやで行きたくない子がもちろん来ることができます。

ただ、デモクラティックスクールが入学を希望する子どもに言うことは、「ここでは自分から行動していかなければ、他人と関わることはできないよ」ということです。

デモクラティックスクールは、カリキュラムがあるわけではなく、自分のしたいことをできる場所です。

これは一見自由でとてもラクな場所に見えます。

しかし、自分のしたいことを見つけるということは、多くの人が知っているように、実はそんな簡単なことではありません。

勉強や仕事から逃避するためにお酒に逃げている人は多いでしょうが、何もしなくてもいい状況におかれたとき、自分は何をすればいいか分かる人は少ないでしょう。

何かやりたくないことを強制されていると、そこから逃げるという目標ができます。しかし完全な自由が与えられると、自分を自分で律する必要が出てきます。つまり、自分のすることを自分で決めなくてはならないのです。

学校がいやになった子どもを、デモクラティックスクールはいつでもウェルカムします。

ただし、それには条件がつきます。学校や学校が強制してくる勉強を嫌になるのはいい。でも、学校が強制してくることが嫌なのはいいけど、その代わり自分のすることは自分で決められる人、あるいはそうなりたいと望む人、そういう人だけがデモクラティックスクールでやっていけます。


どうしてこういうことを言おうと思ったかというと、こんなことがあったからでした。

ある日、メンバーである子どもたちがみんなで近くの公園に野球をしに行きました。

でも、ひとりの男の子・ユウは部屋に残ってゲームをしていたのです。

私はその光景をとても健全なものに思えました。


学校にいると、行きたくもないに友達のトイレに連れ添ったりします。帰りたいのに、ダラダラと部室に残ってしゃべったりします。大人の人の中にも、ほんとはさっさと帰りたいのに、飲み会の二次会・三次会と付き合ってしまう人は多いでしょう。

デモクラティックスクールには、そんな光景は見られません。メンバーはみんな自分のすることを自分で決めるので、他の人がするからという理由で他人の後ろについていったりはしないのです。

ここにいるメンバーはみな仲間です。しかしそこには、健全な距離感も伴われているのです。

水やり問題

2008-06-07 22:49:21 | 日常


今は土曜の夜。さっき雨が降っていました。



デモクラティックスクール宙(そら)は、月から金まで開校しています。

つまり、土日はお休み。

以前、宙(そら)でお花を植える話をしましたが、当然土日にお水をあげることはできません。スタッフは学校のある場所から離れているところに住んでいるので。

そこで、土日の水やりはどうするのだ?夏休みはどうするんだ?という問題が出てきます(宙(そら)の夏休みは二週間ほど)。

実はこの問題はまだ解決策が見つかっていません。

どうしよう・・・( ̄へ ̄;)