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宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

規範の効力の源泉

2009-05-18 01:15:57 | デモクラティックスクールと社会
サドベリースクールの「教育」(という呼び方は正しくないかもしれないが)方法は一見ラディカルです。


「何も強制しない」


こうした方法に対して、それは既存の文化・権威に対する徹底的なアンチなのではないかと思う人もいるかもしれません。


しかし、実際はサドベリーモデルは何か権威的なものへの反抗の産物ではありません。


たしかにサドベリー関係者の多くは既存の教育を批判します。


それは主に、規範と学びを押しつけるそのスタイルに対してです。


だからといって、サドベリーが規範と学びを疎かにしているわけではまったくありません。


むしろ、サドベリーは、この規範と学びを最大限に尊重しているからこそ、小さな人たちに何も強制しないのです。


全く強制のない場でこそ、人ははじめて規範を受け入れ、学びに取り組むようになります。


サドベリーと規律はきわめて親和的です。


サドベリーは、現代社会が知っている規範・規律の本来の意味を掘り起こしているとも言えるでしょう。


それは、かつて近代のヨーロッパの思想家たちが定式化したように、規範の権威の源泉は本来は個々人の中にあるという思想です。


個人は自ら納得して規範を受け入れた時、初めてその規範は効力をもち社会をコントロールします。諸個人の納得によって初めて規範は効力をもつのです。


しかし現代社会は、人々はそのようにして法律を納得して受け入れているとは言えません。自分とは関係のない官僚・法曹・政治家などがルールをつくりそれを上から押し付けているように感じられるだけです。


私たちがこのような社会の状況を変えるには、ルール・規範の効力の源泉は自分の中にあると知っている人が増えることです。


サドベリーモデルは間違いなくその課題に応えるのではないでしょうか。

2008-08-28 23:55:49 | デモクラティックスクールと社会
わたしたちの社会の常識では、「いい学校を出ていい会社に入ることが、人としてもっとも正しい生き方だ」という考えがもっとも正しいことになっています。


20世紀以降の日本では、役所と大企業という巨大組織が日本社会・経済を動かしてきました。そのため官僚と大企業への信仰が生まれ、そのような組織に入ることができる一流大学への入学が、教育の目的となりました。


現場に立つ教師の方々がどれほどこの目的を否定したり、あるいは薄めようと頑張っても、人々の大組織への信仰と教育とは深く結びついています。


デモクラティックスクールは、人々の心に深く根ざしたそのような偏見を破壊していく動きのひとつです。


学びとはそのような常識・偏見に沿って生きるためのものではなく、自分にとって必要なことを自分の力で身につけ、課題を克服していくためのものです。


学び本来の力を人間の中に取り戻していくことが必要です。


“学ぶ”という経験・癖・技術を身につけた人は、どのような状況に置かれても、力強く生きていくことができます。


大組織への信仰では生きていくことができない今の社会状況だからこそ、デモクラティックスクールは必要だと言えます。



>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
    都会のサドベリー・スクール
    デモクラティックスクール 宙(そら)

 〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
 Tel/Fax 0798-70-0777
 公式HP


日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(せせらぎ出版)好評発売中



参考:

Coaching 共育コーチング研究会

ねことひるね

ライフワークとコーチングのブログ