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宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

「子どもたちの晩餐」

2008-10-13 15:12:54 | 食べる
私が好きな作家に江国香織さんがいます。その彼女の小説に「子どもたちの晩餐」という作品があります。


登場するのはある家族。ママは健康的な食事を作るのをこころがけ、おかげで子どもたちには虫歯一つなく、ママは十年間同じ体重(47.5キロ)を維持し、パパも成人病にかかっていない。

ある日、パパとママが外出し、ママが子供たちのために作っておいてくれた食事も「完璧」なものでした。サラダとレモンジュース、テーブルの上にパンと林檎、電子レンジで温めるチキンソテー。


しかし、なんと子どもたちは、ママの作ってくれたその料理を庭の土の中に捨てます。それら豪華な料理を子どもたちは土の中に投げ、土のバケツに向かって

「からだにいいものばかりだから大丈夫よ」

「これで成人病にならずにすむよ」

という言葉をかけます。


そして彼らがする食事とは・・・


それは「ベッドの下に隠しておいた憧れの食べ物」。


カップラーメン、派手なオレンジ色のソーセージ、ふわふわのミルクせんべいと梅ジャム、コンビニエンスストアの正三角形のおむすび、生クリームがいっぱいの100円で売っているジャンボシュークリーム・・・


「好きな場所で、好きなだけ。理穂お姉ちゃんはおむすびを庭で食べたし、私はベッドの中で梅ジャムを舐めた。お兄ちゃんたちは二人で、げらげら笑いながらお風呂場に隠れてラーメンを啜った。歩きながら食べたり、歌いながら食べたりもした」


この光景を見てどう思います?


なんと破廉恥でしょうか?


これだから子どもにすべて任せるのは間違っているでしょうか?


サドベリー・スクールの創始者ダニエル・グリーンバーグさんも言っています。現代の砂糖文化は子供に害を与えている、と。


でも私は江国さんのこの文章が大好きです。



人間はどういう食事を採るべきなのでしょうか?


私たちは自然に還るべきなのでしょうか?


そしてデモクラティックスクールは、そのような自然復帰運動の一つなのでしょうか?


分かりません。


分かりませんが、確かに一つ言えることは、デモクラティックスクールとは「子ども・教育のこうあるべき状態」を設定してはいないということです。


デモクラティックスクールとは、子どもを、他者をコントロールせずに、信頼するあり方です。


自然に還ることではないし、健康オタクになることでもありません。



宙(そら)の子供はアイスクリームが大好きです。駄菓子も大好きです。涼しくなってきたこの頃は、カップラーメンが大人気ですね。


とってもおいしそうに食べていますよ。



>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
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日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)好評発売中 宙(そら)のメンバー・保護者・スタッフも書いてます。 


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