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田中知事住民票問題 監査委員違法性を判断せず! 岩田氏コメント

2005年06月11日 | 長  野  県  政

田中康夫知事の住民票問題で、県が知事の住所決定のために設置した審査会や裁判の弁護士費用など計約133万円の公費支出は違法だとして、知事に費用返還を求めた住民監査請求が行われたが、県監査委員(丸山勝司代表監査委員)は10日、判断について「決定せず」とする監査結果を公表した。監査委員の意見が分かれ、合意に至らなかったためだというが、判断が示されなかったのは初めてだという。

違法とは言えないと判断したのは、丸山勝司代表監査委員(常勤)と樽川通子委員(女性議員をふやすネットワーク「しなの」会長)。高橋宏委員(県議)と東方久男委員(公認会計士)は違法であり、知事に返還を命じるべきだとした。

丸山、樽川委員の主張は、田中知事は訴えられたから応じただけ。非はないーというもの。
高橋、東方委員の主張は、訴えられる原因を作ったのは田中康夫個人であるから、それに掛かった費用を県が払うのはおかしいーというもの。

監査請求した元軽井沢町議の岩田薫氏と元県議の今井寿一郎氏は、監査結果を不服として住民訴訟を起こすことを明らかにした。

岩田薫氏が「田中県政追撃コラム」にこの問題についてのコメントを寄せた。
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わずか3行! 県民からズレた監査感覚
 請求人より先に知事が監査結果を入手!
  監査委員へのプレッシャー目的?
  誰が知らせたのか?
 監査委員の独立性に疑問!

                 2005年6月11日
                元軽井沢町議 岩田 薫

田中康夫知事の住民票移転問題に関し、弁護士費用等長野県が支出した132万8853円の返還を求める趣旨で、本年4月13日付けで私と今井寿一郎元県議が出した住民監査請求に対し、県監査委員は「委員の意見が割れたので、監査の決定は出せない」とする判断をこの6月10日に示した。

決定通知の「判断」の文面はわずか3行しかなく、4人の委員がどういう意見を出したかはいっさい触れていない。県世論調査協会の調べても、田中知事の一連の住民票移転問題で県の幹部が「県民益にかなっている」と発言したことについて、71パーセントが「そうは思わない」と回答しているのに、監査委員の感覚は県民意識から完全にズレてしまっていると言えるだろう。

問題なのは、監査結果の通知書を渡された6月10日の田中知事の行動だ。私たち請求人は、午後2時30分に正式な書面を監査委員事務局で渡された。その前に文面をしるした書類の写しを自宅にFAXで送ってもらってはいたが、印を押した正式な書面はこの時初めてもらったと言える。
ところが、当日の朝9時30分から開かれた県の部長会議の席上、田中知事自ら「監査委員個々がどう判断したのか、4人の委員ひとり一人意見を示してほしい」と発言。この要望を丸山勝司代表監査委員に伝えたのだという。

私たちの住民監査請求について新聞等に出た記事からすると、監査委員2人が「知事個人の問題に公費を支出したのは違法である」との判断をし、のこり2人が「違法とは言えない」と判断した模様である。田中知事は誰が「違法」と主張したのか知りたいと、公の場で述べたのである。このことは、丸山代表委員自ら当日の記者会見で口にしているので間違いない。そのこと自体大変な問題だし、委員に対しプレッシャーをかけた行為と受け取れるが、もっと問題なのは誰が知事に監査結果を朝一番に知らせたのかということだ。私たち請求人が正式な通知書を受け取るより先に、知事が内容を知っていたことは実に問題ではないか!

丸山代表委員は田中知事が公募で選んだ委員だし、「違法とは言えない」と主張した樽川委員も、田中知事が女性議員の集会に呼ばれた際に声をかけて監査委員に据えたという経緯がある。監査委員事務局長も知事が直接採用した任期付き部長級職員だ。結果を知事に御注進におよんだのは誰かは、容易に想像がつく。これでは、監査委員の独立性が疑われる。
いま、長野県は田中知事の恐怖政治の中で、疲弊し息も絶え絶えだ。
私たちは今後も問題提起をしていく覚悟である。
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