昨日、職場に出勤してメールをチェックしていると、取引先の企業から変なメールが来ていた。
「○○の部品について、そちらで入手出来ませんか?」
メール本文には、ウチが「その部品を持っているかどうか」ではなく、「そちらで買って貰えませんか?」とあった。
あの~・・ ウチの会社は某検査機の設計/製造をやっているが、半導体の商社ではないよ。 そっちもよ~く判ってる筈じゃ??
ウチが取引している商社もそれほど規模が大きくないし、特別なルートは持っていない。
「何でこんなものを・・」と不審に思ったので、上の方から直接向うに問い合わせて貰ったが、どうやら向うが自社製品として新しく設計した基板に載せる部品が入手出来ないらしかった。
それも、その部品を入手するのにかなり長い納期を要するって事を、設計者がよく調べないまま製造に走ったみたい。
自社では入手出来ないようで、藁にもすがる思いでウチに連絡して来たんだろう。
これって経験の浅い技術者(初心者)がよくやるミスだったりする。
大手企業では製品に使用する部品についてかなり厳格な規定があるから、この手のミスは殆ど無いけれど、そのシステムが構築されていない中小企業では割と有りがち。
かく言う自分にも覚えがあり、学校を出て基板の設計屋と試作屋をやっていた頃、ある機器の試作(一品物)を任された事があった。
で、CQ出版のTTLデータブックをパラパラと繰って使えそうな石を探し、回路図を書いて基板のパタンを引き、製造に廻した。
後は組むだけ・・と思って安心していたら、FAXを手にした上司から大カミナリを落とされた!
「こんな石、手に入ると思ってンのかぁ」
・・製造に廻す前に、自分の設計をチェックしてくれた先輩も同時に怒られたのだった。
上司曰く・・
・「データブックに載ってる石が全部入手出来る訳じゃない! 何時でも入手出来るのは、精々その数十分の一ぐらいだって事を覚えとけ!!」
・「何か設計する時には、まずはそれに使う部品が(納期に間に合うように)手に入るかどうか必ずチェックしろ!」
・・実は怒られただけでは済まなくて、代理店やら商社に片っ端から電話をしてモノがあるか確認させられ、最後には日本橋の電子部品店を廻ってその石を入手するよう命じられたのだった。
でもって、その中の一軒で奇跡的に在庫が見つかったものの、得意先優先ってことで売って貰えなかった。
当時は街のTVゲーム全盛期(インベーダーの頃)で、その需要のせいでTTLが入手難になってたから、店がそう言うのは判るんだけど・・
ここで引き下がったらモノが納入出来ないから、必死の思いで土下座(ホントにした!)してどうにか売って貰い、既に出来上がっていた基板に実装して事無きを得たのだった・・・・
「データブックに載ってる部品が全て入手出来る訳じゃない」
・・ええ・・ よ~く判りましたとも! 土下座する羽目になったんだからね!! 自分の乏しい脳ミソにもきっちり焼き付けられましたよっ!!!
昨日の取引先とのやり取りで、上記の苦い思い出が甦った。
今頃、向うでは設計者が集中砲火を浴びてるんじゃないかと想像しながら・・・・
可哀想だから、自分の思いつく限りの手を尽くして探したものの、かなりレアな石だったせいでどうにも見つからなかった。
しかし、「見付からなかった」と素っ気無く返事するのも技術屋として何だか・・と思ったんで、別の石(Digi-Keyに在庫があった)を使った代替回路を記して向うに送っといた。
上に書いたが、大手企業じゃこんなのはまず起きない。
自分は受託/派遣屋稼業に従事していた期間が長く、何社もの大手企業で仕事をさせて貰った。
設計者が使える部品の管理は各社様々で、今から思えば各社ともよく出来たシステムを構築していたなぁ・・
そこにいた当時はなんとも官僚的なシステムでやりにくい・・と思っていたものの、そこから離れてみるとその必要性がよ~く理解出来る。
今勤めている会社は小さいけれど、何らかのチェック機能のようなシステムを構築しないと駄目だろうなぁ。
今はそんなの影も形も無くて、設計者個人の資質に任されている部分がかなり強いから・・
納期を考えないで、好きに作っていいのは趣味の電子工作だけ。
自分が取引先の上司だったら、トラブルを起こした担当者にそう言っただろうな・・
DWM付録のFPGA基板を眺めながらそう思った。
「○○の部品について、そちらで入手出来ませんか?」
メール本文には、ウチが「その部品を持っているかどうか」ではなく、「そちらで買って貰えませんか?」とあった。
あの~・・ ウチの会社は某検査機の設計/製造をやっているが、半導体の商社ではないよ。 そっちもよ~く判ってる筈じゃ??
ウチが取引している商社もそれほど規模が大きくないし、特別なルートは持っていない。
「何でこんなものを・・」と不審に思ったので、上の方から直接向うに問い合わせて貰ったが、どうやら向うが自社製品として新しく設計した基板に載せる部品が入手出来ないらしかった。
それも、その部品を入手するのにかなり長い納期を要するって事を、設計者がよく調べないまま製造に走ったみたい。
自社では入手出来ないようで、藁にもすがる思いでウチに連絡して来たんだろう。
これって経験の浅い技術者(初心者)がよくやるミスだったりする。
大手企業では製品に使用する部品についてかなり厳格な規定があるから、この手のミスは殆ど無いけれど、そのシステムが構築されていない中小企業では割と有りがち。
かく言う自分にも覚えがあり、学校を出て基板の設計屋と試作屋をやっていた頃、ある機器の試作(一品物)を任された事があった。
で、CQ出版のTTLデータブックをパラパラと繰って使えそうな石を探し、回路図を書いて基板のパタンを引き、製造に廻した。
後は組むだけ・・と思って安心していたら、FAXを手にした上司から大カミナリを落とされた!
「こんな石、手に入ると思ってンのかぁ」
・・製造に廻す前に、自分の設計をチェックしてくれた先輩も同時に怒られたのだった。
上司曰く・・
・「データブックに載ってる石が全部入手出来る訳じゃない! 何時でも入手出来るのは、精々その数十分の一ぐらいだって事を覚えとけ!!」
・「何か設計する時には、まずはそれに使う部品が(納期に間に合うように)手に入るかどうか必ずチェックしろ!」
・・実は怒られただけでは済まなくて、代理店やら商社に片っ端から電話をしてモノがあるか確認させられ、最後には日本橋の電子部品店を廻ってその石を入手するよう命じられたのだった。
でもって、その中の一軒で奇跡的に在庫が見つかったものの、得意先優先ってことで売って貰えなかった。
当時は街のTVゲーム全盛期(インベーダーの頃)で、その需要のせいでTTLが入手難になってたから、店がそう言うのは判るんだけど・・
ここで引き下がったらモノが納入出来ないから、必死の思いで土下座(ホントにした!)してどうにか売って貰い、既に出来上がっていた基板に実装して事無きを得たのだった・・・・
「データブックに載ってる部品が全て入手出来る訳じゃない」
・・ええ・・ よ~く判りましたとも! 土下座する羽目になったんだからね!! 自分の乏しい脳ミソにもきっちり焼き付けられましたよっ!!!
昨日の取引先とのやり取りで、上記の苦い思い出が甦った。
今頃、向うでは設計者が集中砲火を浴びてるんじゃないかと想像しながら・・・・
可哀想だから、自分の思いつく限りの手を尽くして探したものの、かなりレアな石だったせいでどうにも見つからなかった。
しかし、「見付からなかった」と素っ気無く返事するのも技術屋として何だか・・と思ったんで、別の石(Digi-Keyに在庫があった)を使った代替回路を記して向うに送っといた。
上に書いたが、大手企業じゃこんなのはまず起きない。
自分は受託/派遣屋稼業に従事していた期間が長く、何社もの大手企業で仕事をさせて貰った。
設計者が使える部品の管理は各社様々で、今から思えば各社ともよく出来たシステムを構築していたなぁ・・
そこにいた当時はなんとも官僚的なシステムでやりにくい・・と思っていたものの、そこから離れてみるとその必要性がよ~く理解出来る。
今勤めている会社は小さいけれど、何らかのチェック機能のようなシステムを構築しないと駄目だろうなぁ。
今はそんなの影も形も無くて、設計者個人の資質に任されている部分がかなり強いから・・
納期を考えないで、好きに作っていいのは趣味の電子工作だけ。
自分が取引先の上司だったら、トラブルを起こした担当者にそう言っただろうな・・
DWM付録のFPGA基板を眺めながらそう思った。