パン・ド・カンパーニュの部屋

自分で作ったおいしいものを中心においしい話を!

冬の丹沢・檜洞丸山行(前編)

2006-02-19 13:04:18 | 山登り
いよいよこの日が来た。朝5:00起床。本当は目覚まし時計を5:30にセットしたのだが、自然に早く目が覚める。
チャッピーの散歩を済ませ、朝食を摂り、時間があったのでど○ろ○作りの記事をブログにアップする。とか何とかやっていたら、あっという間に出発時間が迫ってくる。
7:05 家を出発。
一緒に行くT夫妻の家に立ち寄る。Tさんの車に同乗させてもらい西丹沢まで行くことになっている。T夫妻はおととしの5月の連休に、今日行く檜洞丸青ヶ岳山荘で知り合った仲だ。今日会うので、まだ2回目だが、もう10年来の知り合いのような雰囲気。山の仲間はすぐに心が通じ合う。
7:30 Tさんの家を出発、東名高速にのり山北で降りる。山北の道沿いのサンクスでよねやん組と合流、昨年槍ヶ岳のヒュッテ大槍で知り合った大阪のFさんと一緒だ。よねやんが夜行バスの停留所の厚木まで迎えに行ったのだ。
さあ、これでみんな揃った。全部で5人のパーティー、にぎやかだ。サンクスで昼食のおにぎりや行動食のどら焼き、バームクーヘンなどなどを買い込む。
9:00 西丹沢自然教室着。



登山靴に履き換え準備をしていると、青ヶ岳山荘の小屋番のトンボちゃん一行と行き会う。荷物を少し持ってもらい、別々に出発。小屋番さんたちは車で林道の終点まで行き、そこから歩荷する。

登山口 9:50発。登り始めの部分に雪が溶けずに積もっている。慎重に足を運ぶ。



そこを過ぎるとゴーラ沢出合いまでは、南斜面でぽかぽかの暖かい道。気持ちがよい。



ゴーラ沢で一休み。自分のペットボトルに水を汲む。
さて、ここからがいよいよ急登の始まり。北向きの斜面にはところどころ雪が残っている。でも気温も上がり、シャーベット状になっているので靴底のくい込みもあり、心配ない。



1時間で富士山がよく見える展望園地に着く。



ベンチにどこかで見たことのある顔が。あっ、青ヶ岳山荘の常連の一人、銀座の板さんだ。この人が登ってくると、いつも美味しいものが食べられる。今日は何だろう、楽しみだ。前回は鴨なんばん蕎麦。私の連れのチャッピーまでがご相伴にあずかったのだ。
ここで12:00、富士山を見ながら昼食にする。絶好の展望日和。美しい景色を見ながらの食事、なんでもないおにぎりが、なんと美味しいことだろう。
一休みをして、さあ出発。まだまだ長い道のり、これからが急だ。足元の雪もだんだん多くなる。だがアイゼンをつけるほどでもない。これなら安心。



こんなものも、鹿の足跡。偶蹄類ということがよくわかる。



さて、頂上まであと0.8キロの表示があるベンチまで登りきる。目の前には昨年の春、見事な花を見せてくれた「シロヤシオツツジ」の木が乱立している。木の幹がまるで松の木肌のようなのですぐわかる。

遠くには雪をかぶった南アルプスの白峰三山(北岳、間の岳、農鳥岳)も見える。



一休みして目の前の頂上を目指す。
木道まで来たら頂上はもうすぐ。その先に、やっと頂上が見えた。



階段を登り、やっと到着。14:00。 



頂上でみんな写真を撮りあい、また一休み。Tさんのご主人が大阪のFさんを連れて、頂上からの展望を説明している。この時間を利用して、ザックから着替えを出し、汗をかいたシャツを着替える。ああ、さっぱりした。

さて、めざす今夜の宿泊先の青ヶ岳山荘は、頂上から少し下った蛭ヶ岳への縦走路にある。少し下って山小屋へ到着。小屋番のトンボちゃんに挨拶して中に入る。中には知った顔の面々が。懐かしい顔も見受けられる。やあ、久し振り。

ザックからお土産を出す。まずは例の「カルピスソーダ」、白、赤1本ずつの、ワイン、それに私の得意料理の鳥のモツ煮込み。さっそく鳥の煮込みは鍋で温められ、コタツにあたっているお客さんに振舞われる。もちろん、カルピスも一緒に。カルピスにはみんな身を乗り出し、ちょっと味見をと言う。飲兵衛だったら興味があることだろう。でも、みんなおいしいと飲んでくれ、自分も作ってみようかと言う人もいる。鍋も好評。よかった、喜んでくれて。

日没は17時ごろ。それまで小屋の中でうだうだ過ごす。ビールを飲んだり、よねやんがもってきてくれた、山形のひたし豆を食べる。なかなか硬さと塩加減がちょうどよい。さすが、料理上手のよねやん。毎日やっていることだけはある。

さて、いよいよ日没の時間が迫る。カメラを持って頂上に向かう。今日はここからダイヤモンド富士が見られるのだ。一年に二回、12月と2月。前にもこの時期に登ってダイヤモンド富士を見たが、そのときは雲海が広がっていたのだが、肝心の富士山は雲で大部分が隠れてしまい、いい写真が撮れなかった。今日はどうだろう。

頂上の西の肩に陣取る。ここは頂上で一番富士山がよく見える場所だ。
だんだん日が傾き、富士山に向かってぐんぐん高度を下げる。さあ、もうすぐだ。
おお、やった、富士山の肩に日が沈む際の一瞬の輝き。まるでダイヤモンドのようだ。



今日は見事なダイヤモンド富士が見られた。満足だ。
名残惜しいが、日が暮れてあたりが急に寒くなる。小屋まで駆け足で戻る。

さあ、これから終わりのない宴会が始まる。まずは自分で持ってきた白ワインから。囲炉裏に陣取り、シシャモを焼く。



次は背黒イワシ。炭で焼く干物はおいしい。白ワインを飲んでいるとあちこちから、自分にもくれと声が掛かる。さあどうぞと注いであげる。むこうからも一升瓶で、どうぞとくる。この頃、日本酒は苦手なので、少しだけ注いでもらう。

さて、銀座の板さんの本日のお土産第一弾は北海道の本マグロのトロ。有名な大間のマグロが少し先まで遊びに行ったところで捕まえられたとか、なんだあ、大間のマグロだ。今まで口にしたマグロの刺身の中でも一、二を争うほどの美味。これで冷凍物なのだそうな。うま過ぎ。そして第二弾は鴨肉と塩ねぎ。鴨がねぎを背負ってきた。鴨とねぎを囲炉裏の炭で焼いて食べる。これもうまい。どんどんワインがすすむ。



そして、この小屋名物の鍋。以前は甘い豚肉を入れたまたぎ鍋だったが、この頃は海鮮鍋が主流になったようだ。今日はTさんが持ってきた、イワシのすり身を油揚げの中に入れたイワシの巾着鍋にカニが加わった豪華な鍋。これに鳥も少し入っている。いろいろな具から出ただしが複雑な味を呈している。これもうまい。



なんだかんだで赤ワインもあっという間に空いてしまった。そして日本酒、ウイスキーのちゃんぽん。さすがに気分が悪くなるし、眠くなる。朝早かったからなあ。時間は9時。まだまだ宴会は続いているが、我々のグループは早々にお開き、2階の布団に包まり、眠りにつく。おやすみなさい。