星空☆Casting

釣れるものはみんな釣りたい。
夜の海で一人
ひたすら同じ事を繰り返す快感。
さあ、ご一緒に。

悪あがき日記 一日目

2009-03-03 20:45:24 | メバル
やすやさんの「尺メバルトーナメント」は2009/3/1に最終日を迎える。

2/27時点で僕は4位だった。28cm,28cm,27,5cm,27cmの合計110.5cmが登録サイズだ。
TOPは舌”くん。113cm。2.5cm差。僕が30cmを釣れば3cm加算でTOPとなれる。
最近僕が尺を激しく求めていたのはこの理由からだ。

去年は優勝出来た。しかしその優勝は僕にとって納得の出来ない苦いものだったのだ。






去年の登録4本。
上から30.5cm,29cm,28.5cm,28cm。計116cm。

素晴らしいサイズではある。しかし納得がいかない。どうしても心に引っ掛かるものがあった。

なぜか?

この登録4本の内、上位3本は能登で釣ったものなのだ。
別にこのトーナメントには場所の制限はない。遠慮せずに誇ればいいのである。
しかし僕のホームグラウンドは越前なのである。
それに他の誰一人として県外からの登録はなかった。

同じメバルではあるが同じ土俵ではない。やはり能登は釣り荒れしていない。人が少ない。
アベレージは2cm程越前海岸よりは上にある感触である。
この年、僕が越前海岸で釣った魚のみを登録していたらおそらく5位辺りだったはずだ。

今年はなんとしてでも越前海岸のみでケリをつけたい。獲りたい。それで始めて納得がいくのである。
今年勝ってもそれは2連覇ではない。初勝利である。そんな気持ちだった。

3/1のリミットまでに残された日数は2日。
ちょうど仕事は夕方~夜中2:00までの勤務帯に当たる。
釣りが出来るのは3:00~6:00の3時間×2。計6時間が残されるのみだ。
潮回りは良い。2/28,3/1共に4:00に満潮を迎えるタイミング。可能性はある。勝負は出来る。
悪あがきしてやろうじゃないか。



2009/2/28。仕事を終え帰宅する。

どこに入るかが問題だ。新規の場所で1発を狙うのはリスキー過ぎる。時間がない。
先日の「風の岬」もその後何度か入ったが安定感が感じられなかった。状況により過ぎる。

となると幽霊テトラか岩壁の向こうか。どちらかだ。
結局だめだったとしても最後は「畳の上」で死にたい。そう思った。

家を出て最初の三差路を右か左かでどちらのポイントかが決まる。ギリギリまで悩む。
ゆっくり走り道に出る。一瞬考える。思い切ってハンドルを左に切った。

「岩壁の向こう」だ。

今シーズンはここだと決めたのである。最近釣果は芳しくない。しかしやはり可能性を感じるのだ。
ここに掛けよう。全くだめなら明日幽霊テトラに行けば良い。

3:00。その港の駐車場に着く。やや風がある。しかし海は凪いでいる。誰もいない。

よし。やるか。

僕は勇んで車のハッチバックを開けた。ウエストバッグとLEDを装着する。バッカンを手に持つ。

おや?

あれ?

一瞬、僕がここにいる意味が分からなくなった。

え?

まさか。


83deepがない…。


なんで?忘れてきた?そんなはずはない。確かに手に持って家を出た。
自分の行動を必死に思い出す。眉間に指を当てて目を閉じじっと考える。

あ!?

ああ!!



きゃぁぁぁぁぁぁ~!!!!!

道具を持って玄関を出た時点で僕は忘れ物に気がつく。多い日夜用slimだ。
洗って乾かしていたのをバッグに入れるのを忘れた。

いけないいけない。はは。危なかった。気がついてよかった。気が利く~と僕はそれを取りに家に入った。
その時、83deepを玄関先に立て掛けた。
忘れ物をバッグに納め玄関を閉めた。ロッドはそこに立てかけたままで車に乗ったのだった。

致命的ミスである。なんて事だ。この大事な時に。自分がちょっといやになった。

取りに帰るか葛藤する。20分弱だ。帰るべきか?
しかし車にはカラマレッティーがあった。AEGIS2004もあった。釣りは出来る。なんせ時間がない。

しょうがあるまい…。

カラマレッティーでやろうと決めた。エギ竿にしてはやわらかく破格の軽さ。なんとかなるだろう。

ポイントに入る。ほぼべた凪。しかし山から吹き下ろす微風が吹いていた。

いつもの儀式で先端直下の根を通す。ジグヘッド2g+ビームスティック。
やはりエギ竿はきつい。他人の手で釣りをしているようだ。
投げても引いてもルアーの感触が感じられない。思い通り操れない。やはり取りに帰るべきだったか…。
しかしここまで来たらもう遅かった。来た道には巨大な垂直の岩がそびえているのである。

ジグヘッド2gはつらい。引き心地の明確なピンテール6に替える。

魚はいるのか?まずそれが知りたい。明かりの照らすラインに投げた。

コン!!

硬いあたりにあわせを入れる。風に膨らんだラインでタイミングが遅れる。外してしまう。

よしよし。魚はいる。

もう一度同じライン。またコン!活性は高い。今度は乗った。




25cm。アフター。

もう一投同じライン。コン!。



24cm。アフター。

いつもよりサイズがある。通常このラインは20~22cmなのである。

間も無く満潮を迎えるタイミング。状況は悪くない。

ルアーを替える「多い日夜用slimX'masホロ」

同じライン。ゴン!と強く当たるが乗らない。次。ゴン!と当たるがまた乗らない。
明らかにロッドの硬さで弾かれている。合わせのタイミングが上手くいかない。
ピンテールでは食い方がマイルドなのだがこのルアーは激しい。怒ったようにあたってくる。

何度か同じ事を繰り返す。メバルは必ずあたってくる。相当な活性の高さ。ここでは始めてかもしれない。
慣れないロッド。何通りか合わせのタイミングを計る。ゴン!ようやく乗った。



23cm。

足もとにルアーBOXを置いたまま頻繁にルアーを替える。「多い日夜用slim金彩白磁」

同じライン。ゴン!やはり激しい。乗らない。次もまた乗らない。
くそ~83deepならと思わずにはいられない。カラマレッティーはこの激しいあたりを弾きまくる。

ゴン!あわせを入れず一瞬送りこむ。そこで軽くあわせる。乗った。
引きが鋭い。魚の頭は向こうに向いている。おそらくスレだ。
案の定、バイブレーションのような角度でメバルは上がってきた。



24cm。また目に掛けてしまった。keepする。

余りの乗りの悪さにたまらずジグヘッドに戻す。こんな事を繰り返していると魚がすれてしまう。
向かい風が強い。3.5gを選び深い吸い込みを期待して柔らかいGULPを刺した。

水面を流したいが3.5gではやはりレンジが下がってしまう。中層ではあたりが出ない。思い切って底を這わせた。

コン!

気持ちいいあたり。しかし小さいか?



24cm。

この後もひたすらこんな釣りが続く。何を投げてもあたる。しかしサイズは25cm止まりだ。
やはりハードルアーは弾きまくる。ジグヘッドでしか乗せられない。
裏の暗い側に回ってdeepな釣りをしようか考えるが却下した。何せ時間がない。
明るい場所でひたすら釣れるものを釣っていればそのうちサイズが混じるかもしれない。

しかしそう上手くはいかなかった。どうあがいても25cmである。しかし数はいる。30本は軽く越えている。
そしてひとつ吉兆が顔を見せる。ROLLING BAIT48を投げている時何かが引っ掛かった。



ナミノハナだ。まだいたのだ。

しかし時間はもう6:00に迫っていた。山の端が明るくなってくる。

今日はもうだめだな。明日だ。83deepを持って明日に掛けよう。
弾いて逃した魚の中に大きな魚もいたかもしれない。

いよいよ明るくなってあたりは遠のく。
明るい場所にとって朝まづめの光は魚を散らせる意味しかない。魚は広範囲に散って行った。見えるようだった。

散った魚を探そうと悪あがきする。メタルジグ7gをフルキャストしてボトムを探る。

ぬ~~。

おっと。あらあら。来たのね、あなた。ちょっと嬉しい。



ヤリイカ。

これを最後に切り上げた。まだ明日がある。あと3時間ある。

魚はいる。きっとでかいのもその辺にいるはずだ。明日もここだ。決めた。
畳の上で死ぬのである。そして、あわよくば…。


帰宅しこいつで一杯やり眠りに就いた。くたくただ。仕事後の釣りは堪える。




TACKLE DATA
ROD/Calamaretti 862M
REEL/TEAM DAIWA AEGIS 2004
LINE/VARIVAS light game MEBARU 0.4号+6Lbフロロ

Moon DATA
コメント (7)
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