次の繕いの依頼は、近所に住む妻の従弟から。
土鍋です。
こんな風にふちが割れてしまっています。
もう1か所、欠けた部分もあります。
さあ、スタートです。
接着剤に地の粉を混ぜたもので。
欠けた部分を盛り上げて。
こちらは割れた部分。
欠片を張り付けて。
欠けていた部分、接着剤が垂れない様に置き方を変えて、見守りながら。
このあと、接着面を剃刀できれいにして。
そして、完全に固化させて。
次は黒艶漆を塗って、金属粉を蒔く作業です。
土鍋なので丈夫に仕上げたいので、手間がかかりますが、銀の丸粉を蒔くことにしました。
依頼者はお任せしますと。
金粉の丸粉だととても費用がかかりますので、銀粉にしました。
漆だけで色合わせして、仕上げることもできますが。
欠けていた部分にも。
漆が固化するまで日にちがかかります。
寒い時期なので、濡れ雑巾を中に入れて、ホットカーペットの上に置いて3、4日。
漆が乾いたころ、次は漆を補強する粉固めの作業です。
生漆をテレピンで薄めたものを上から塗ります。
消し粉だと、真綿できれいにするだけなんですが、金属粉をたっぷりしみ込ませた丸粉での作業では、とても手間がかかります。
これまでと同様にホットカーペットの上で漆を乾燥させて。
この工程を3回繰り返して。
さあ、いよいよ仕上げの作業です。
丸粉の場合は、鯛牙(たいき)で磨きます。
銀の表面に艶が出てきますね。
仕上がりました。
修復した部分の状態です。
いい仕上がりですね。
割れていた部分。外側と内側からの様子。
欠けていた部分も。
鍋が必要な季節です。
依頼者に連絡してあげましょう。
※いろんな金繕いの依頼にも、とてもお安く応じていますので、希望者の方はご連絡ください。
尼崎市南塚口町8-31-8「陶工房たつみ」 電話090-8214-5659
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