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金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

最近の繕い その2 織部茶碗

2014-02-05 15:26:37 | 陶器の繕い例
これも陶芸仲間から依頼されたもの。

「こんなのを直してもらっていいのかな」と仰っていましたが、とんでもない。
愛着のあるものならどんなものでも繕ってあげないとね。
今回もご自分の作品です。
 
すごい割れ方でしたね。
6片か。


先ずはアラルダイトで接着です。
今回は接着部分が多くてズレが出るといけないので、「地の粉」は使わずアラルダイトのみです。
このあと半日程度置いて、はみ出した部分を両刃の剃刀などのうす刃でそぎ落とします。


接着完了です。
このあと少し欠けている部分は、アラルダイトと「地の粉」で補填です。



赤呂色の漆で接着部分を補強です。


赤呂色漆をムロに入れて乾燥させた後、今度は艶黒漆と銀粉での装飾です。
今回はしっかりとした繕いをしたいので、銀粉は消粉ではなく丸粉(3号)です。


私は粉筒を使わずに筆で銀粉などを置いていきます。
丸粉はどんどん漆の中に沈んでいきますので、何回も置かねばなりません。


蒔き終わった段階で、ラインをカッターナイフで整えます。
このあとムロの中でしっかりと乾燥させます。
3日もすれば大丈夫です。


そして、今回の繕いでは「新うるし」の透明漆で繕った表面を固めて、水ペーパー(2000番)で少し研ぎ出しました。


そして、最終段階。
木綿でしっかり磨いた後、鯛の牙でさらに磨きます。
金属光沢が初めて出てきます。
消粉だと、剥がれてしまうのでこの磨きが出来ません。


完了です。
いい茶碗ですよね。
ご本人に鯛の牙で磨く体験をしてもらうため、少し磨き残しを作っています(赤い印をつけた部分)。



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