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金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕い品 その1

2021-08-07 17:53:07 | 多種類の繕い例
いつも鼻うがいに利用している私のお気に入りの片口作品。
 
洗面台の流しに滑り落として割ってしまいました。
あれまあです。

ちょうどその頃に、市役所時代の友人の女性から繕いの依頼がありました。

本人のものではなく、その方の友人のものだそうです。

この4点。

 

体調不良で、家に閉じこもっているので、たくさんの繕い、いい仕事となりますね。

 

さあ、スタートです。

先ずは私の片口から。

作業手順が大切です。

小さな破片を先ず接着して。

エポキシの接着剤に地の子を混ぜたもので。

 

最後に欠片をはめ込んで。

 

そして、余分に接着剤を取り除く作業。

剃刀を加工して作ったものがとても役に立ちます。

 

テープでしっかりと固定して、接着剤が固まるまで、見守ってあげて。

続きます。


沢山の繕いの依頼 その4

2021-03-02 07:10:11 | 多種類の繕い例

沢山の繕いの依頼の続きでラストです。

 
金粉を蒔いて、その粉固めも終えて。
次は、最後の磨きの工程です。
先ずは、木綿でしっかりと磨いて。
 
そして、鯛の牙での磨きです。
 
鯛牙(たいき)は友人から頂いた鯛の歯で自分で作っています。
川西での金繕い教室「器再楽」の参加者の皆さんにも差し上げています。
先が丸いのと、尖ったものの両方があればとても便利です。
 

こんな具合に輝いてきます。
 

全て終了です。

ガラス製のものだけ、手法は少し違います。

仕上がり具合を見てください。

写真はありませんが、内側も同様です。

今回は、2種類の漆を塗り重ねていますので、ラインがしっかりしていますね。

 

それから、今回は、新しく入手した金継ぎの本では、最終工程として食用オイルを塗って、磨き粉で磨くという手法が紹介されていて、試みてみたのですが、金の光り方がいまいちになってしまって、もう一度鯛牙で磨かなくてはなりませんでした。

粉固めの後、鯛牙処理の前に、その工程を入れればいいのかもしれませんね。

手法はいろいろですね。


沢山の繕いの依頼 その3

2021-02-28 15:48:44 | 多種類の繕い例
沢山の依頼を受けた繕いの続きです。
 
黒艶漆の上に弁柄漆を処理して。
これで繕った部分の厚みが出ますね。
 

そして、そのあと金の丸粉(3号)を蒔きます。

そして、暖かなところにおいて漆の乾燥です。

今の時期、気温が低いので日数がかかりますね。

グラスの方は、丸粉ではなく平極を蒔きました。

こんな仕上がりですね。

漆が乾いた3、4日後にラインの手入れをカッターナイフで行って。

次の工程は、金紛をしっかりと固める粉固めの処理です。

生漆をテレピンで薄めたものを上から塗ります。

そしてすぐに余分なものをキムワイプで拭き取って。

漆の乾燥後にこの作業を繰り返して、この工程は3回行って。

漆が乾くのを待ちます。

それから、以前に錫粉を蒔いた私の愛用の酒器です。

漆を塗り重ねてあげればよかったのですが、こんな仕上がりで。

続きます。


沢山の繕いの依頼 その2

2021-02-21 15:23:07 | 多種類の繕い例

沢山の繕いの依頼、次の処理です。

 
余分な接着剤をきれいに剥がす作業です。

剃刀刃の出番です。

ガラスのグラスもこんな風に。

剃刀刃を加工して作ったこんなものも、とても有効です。

一番手入れが必要な品物もこんな具合に。

次は水ペーパーでの処理です。

1500番くらいのもので。

さらに超ミクロの8000番のペーパーなども使って。

 

きれいに仕上げた後は、金属粉を蒔く前段の艶黒漆の処理です。

できるだけ、きれいな細い線を面相筆で引いて。

この時に、私の愛用している酒器の手入れをついでにしました。

この酒器は早速に元の処理と同じ錫粉を蒔いて。

他の繕い品は、艶黒漆が乾くまで待たないといけません。

続く。

 


沢山の繕いの依頼 その1

2021-02-20 12:29:50 | 多種類の繕い例
繕った大きな花鉢、地域の文化祭の展示にも使わせていただいてようやく依頼者の方にお渡ししました。
その時にたくさんの追加の繕い品の依頼がありました。
 
いい陶磁器などを使っておられるようで、いろいろとお持ちで、繕いの手法もこだわったレベルを期待されています。
この5点です。

 

この3点、ひび(にゅう)が入ったものなどは、一度ボイルしてその部分をきれいにしてから。

この蓋もの、ご自分で接着剤を使っていて、加熱で接着剤が剥がれることを期待したのでしたがダメでしたので、周りがきれいになったのですが、このまま処理を開始しました。

先ずは繕い箇所をトーチで熱くして、接着剤をしっかりと注入します。

はみ出した接着剤はキムワイプも使って、早めにきれいに取り除いて。

他の品物も同様に。

欠けた部分のある品物は、強力粉を加えて接着です。

こんな風に。

ガムテープを貼った部分はひびもある個所です。

はみ出た接着剤はほぼ固まりかけたときに剃刀の刃でそぎ落とします。

蓋ものは接着剤を注入した後、さらに強力粉を混ぜたものでしっかりと盛り付けて。

裏側も。

指が入らない箇所は綿棒を使って整えて。

この蓋の裏側、妻に手伝ってもらって、ボイルしたあと漂白剤も使って、うんときれいになっています。

それから、もう一点、とても素敵なグラス。

ほんの少し欠けています。

ガラス器の繕いはとても難しいですが、チャレンジしたくなりますね。

続く。