Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

迷走

2010-05-05 18:24:17 | ひとから学ぶ
 わたしも沖縄の人たちの思いについては、無知である一人にすぎない。学べば何かが解ると思うが、これはいつも触れている通り、身近でない問題に対して疎くなるのは致し方ない。そして日々の生活に追われていればなおさらのことだ。それでもそれを越えて興味をしっかと持ち、そこに自分なりの解釈を持ちえたとしても、それが正しいかどうかなどというのは自らの知識の上のことでしかない。

 鳩山首相が結局何も解決策を持たずに沖縄入りしたことについて、世論は厳しい。しかし、訪問を評価する意見も多い。なにより沖縄以外の人たちの多くが「沖縄から基地を県外に移転するなんていうことは無理」と思っている人たちが多いからだ。したがって迷走するこの問題の解決に向けては、結局もとの鞘に収まるような方向が「適正」だと思っている人たちが多いはず。このあたりが冒頭でも触れた沖縄の人たちの思いに対して無知であるわたしたちの周縁での問題という現実である。迷走で問題がクローズアップされて国民の議論の舞台に上ったことは評価できるという見方もあるが、世論を見ると結局かやの外の「話」という捉え方だと思える。

 公約違反だという批判が上がっているが、実はマニフェストにこだわった民主党の公約に普天間飛行場について県外移転とか国外移転なんていう言葉はどこにもない。「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。」という簡単な表現に過ぎない。むしろこの言葉のはしはしにかなり曖昧で逃げの姿勢が垣間見える。マニフェストには外交とか安全保障に関する記述が極めて乏しいと言える。そこから「安全保障については不勉強」ですからという本音が読み取れるのかもしれない。だからこそ今回首相の口から「衆院選当時は海兵隊が抑止力になっているとは思わなかった」などという言葉が出て、「学んだら解った」みたいな国のトップにしては呆れた発言になる。マニフェストには掲げてなかったものの、発現とすれば首相の口から出ていたことだから「公約」ということになるのだろう。それにしても前首相のときに発言が問われたが、まさに誰が首相になっても変わらないという証を見た覚えだ。

 「抑止力」という単語を安易に使っているが、ではその具体的なものとは何なのかについては説明されていない。そもそも基地は何のために沖縄(日本)にあるのか、なぜ海兵隊が県外に移転しては抑止力にならないのか、国民の多くはほとんど知らないのだろう。Akiさんが「保坂展人さんの講演会」について企画されているという。保坂展人さんと言われて顔が浮かぶ人は長野県内では少ないだろうが、国外移転を「政権離脱」をひらめかせながら推し進めている社会党の元代議士さんだ。それぞれの政治家がみな違うことをいうこの問題。本物は何なのか、そんなところを知りたい。

 いずれにしても迷走であることに違いはないし、「その気にさせた」罪は重い。

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4 コメント

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愚かなコメンテーター (鳩山ルーピー由紀夫)
2010-05-05 18:59:50
普天間基地の移設先を国民全体で考えるべきだなどと、愚か極まりないことを言う由紀夫シンパのコメンテーターがいる。
愚かな鳩山由紀夫の責任を国民に転嫁しょうとするのである。
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ご紹介ありがとうございます (Aki)
2010-05-05 22:29:20
私自身不勉強なので、学びたいと思っています。
先ほどの「池上彰の学べるニュース」でも取り上げられていましたが、幾つか「あれ?」と思うことがありました。

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保坂さんとお知り合いなんですね (trx_45)
2010-05-05 22:57:53
わたしも池上彰の学べるニュース、見ていました。無知なわたしの独り言ですのでお許しください。
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はい (Aki)
2010-05-06 07:53:14
といっても、私が大鹿に転居する前ですから、保坂さんがまだ「フリーター」で内申書裁判をされていたころのことです。
88年にお祭りの会場でお会いしたのが最後ですから、だいぶ変わられている部分もあるだろうなと想像しますが……。
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