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自治組織を見直すという報道

2022-12-12 23:46:43 | 地域から学ぶ

 『長野日報』12月8日上伊那版1面に「自治組織の抜本見直しへ検討会」という記事が掲載された。南箕輪村の藤城村長は、前日の村議会で「区や組などの自治組織を抜本的に見直す検討会を2023年度に設置する考えを示した」という。議会での質問に「慣習ではなく今の世の中にあったものにしていく」と答えたという。さらに取材において「核家族化、高齢化社会の中で個々への負担が大きい旧態依然のままでいいのか。先送りできない」の述べ、不退転で臨むという。

 先ごろわたしの住む自治会での会則改定委員会について何度か触れた。また社会生活に関しては、以前から日記で何度も触れてきたもの。世間では自治体の下部組織化した自治組織に対して、自治体に利用されているという意識もあって疑問視する意見も他方では聞こえる。そもそも自治組織は自治体配下でもなければ、自治体から強制されるはずもないのだが、実態としては自治体の方針に沿わなくてはならない面も多々ある。とりわけ今回会則改定に至った背景には、認可地縁団体であるうえの会則整備にあった。実際には認可地縁団体になることでさまざまなメリットがあるのだろうが、発端にあるのは「法人格を取得することで、保有資産を団体名義で不動産登記することができる」というあたりにある。法的な制約で致し方なく認可地縁団体になる、そういった自治組織は少なくない。とはいえわたしの住む自治組織も、ずいぶん昔に認可地縁団体の認可をもらったものの、そのまま今までなんの不自由もなくやってきたわけで、形式的なのかもしれないのだが、そのあたりの実際の自治体の管理状況は明らかではない。認可さえしてしまえば、あとはどうでもよいのか、それてもしっかり法的根拠に従って報告をしなければならないのか、一住民にはよくわからないことであり、自治組織の役員もそれほど深くは考えていない。

 隣組にしても自治組織の配下に必ずしもあるものではなく、任意のものであって、それこそ隣組に規約など存在しない。時には隣組もあるいはもう少し大きな組織で集会施設を維持している例もあるのだろうが、それこそ登記上はすでに亡くなった人の名義になっていたりする。こうした「財産」を背景に考えると、自治組織の抜本的見直しは容易ではないし、それを自治体主導で行うのも壁は高いだろう。たまたま新聞報道のあった日、藤城村長と宴席を共にした。新聞にも書かれていたが、「移住者が多い」ことに可能性を抱かれているよう。藤城村長もこの村に移住された方で、こうした地方の自治組織には思うところが多いよう。検討会は公開で行って、広く住民の言葉を聞いていきたいともいう。この南箕輪村の検討の先に、どのような結果が出るのか、注目したい。


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