Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

2045年推計人口から

2018-03-31 23:31:30 | つぶやき

 

 「本当にそこまで減ってしまうのか」、国立社会保障・人口問題研究所がこのほど自治体別の2045年人口推計を公表した。長野県内ニュースではそれほど話題になっていないが、とりわけ人口減少が著しいと言われている東北などでは、冒頭の言葉が正直な言葉だろう。人口の減少率が最も大きいのは秋田で41%、次いで青森が37%、山形と高知が32%だという。長野県は76.9%になると言うから約23%減である。全国平均が83.7%と言うから、平均以下である。東京のみがプラスで、あとはすべて減。それでも都市圏を中心に減少率は低いようだが、長野県のように都市圏から離れていても減少率が長野県より低い地域もある。たとえば香川県は79.5%。それほど大差はないが、四国が軒並み減少率が高い中で、比較的低い方だ。なぜそうなるのか、香川県の違いはなんなのか調べてみるのもひとつかもしれない。同じようなことは、北陸エリアにも言えるし、山陰も意外に減少率は低い。そして関西圏が意外に都市圏にありながら減少率が高い。

 もともと人口減少率が高いと感じていた天龍村が、長野県内では圧倒的に減少率が高く、人口は2015年比27.8%だという。合併せずに小さな町村のまま継続しているところは目立ってしまうが、たとえば長野市が74.4%と言うが、合併によって消えてしまった自治体エリアの減少率はとても高いだろう。長野市という都市部に隠れてしまっている地域もある。天龍村全体で人口380人推計だと言うのだから、この半世紀の違いは圧倒的だ。昭和35年の人口は5792人だった。今や1世帯あたり人口が2人を切っているというのだから、独り住まいの世帯がいかに多いかが解る。市部でも飯山市が2015年比49.5%になるというから半分となる。逆に最も減少率が低いのは御代田町で2015年比99.4%、次いで南箕輪村の98.2%で、このふたつが飛び抜けている。

 図は2015年比2045年推計人口率を色分けしたものだ。色の濃いところほど人口減少率が高い市町村である。南端の天竜村はダントツであるが、意外に下伊那エリアよりも目立つエリアがある。北端の県境域だ。そして木曽や南佐久、筑北といった山間エリアが濃いのは想像通りと言える。

 佐竹秋田県知事は「予測以上の(人口減と高齢化の)加速。非常に危機感を持っている」と言ったそうだが、危機感だけではどうしようもできない現実である。「県という制度そのものの存続に関わる」などという言葉も聞こえるというように、自治体そのもののあり方が問われる時代が、いずれやってくる。

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