Graceful Distortion

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思い出の1枚(1)

2005-02-05 13:34:53 | Weblog
今日紹介するのはSteve Winwoodの"Back in the High Life"

Steve Winwoodは1960年代にスペンサー・デービス・グループの
メンバーとして彗星の如くデビューし、その類まれな音楽センス
で天才少年現る、と当時の音楽シーンにインパクトを与えました。

その後1年足らずで消滅した伝説的なバンド、ブラインド・フェイス
ではエリック・クラプトンと活動。またトラフィックというバンドでは
イギリスのロック史に残る名盤を次々と発表していました。

10代前半からショービジネスにいた為か、70年代になると
息切れが起き、これといって目立った活動はしませんでした。

77年にソロアルバムを発表。あまりにも地味な作品の為、
一部の批評家や熱狂的なトラフィックファンに支持をされたに
留まりました。

82年に発表したセカンドアルバムからのシングル、"While You
See a Chance"が全米7位にチャートイン。アルバムも好調な
セールスを記録。そのまま軌道に乗るかと思われましたが、翌年
発表されたサードアルバムの売り上げが伸び悩み、再び失速。

・・・そして、自宅のスタジオを離れ、ニューヨークで録音、
外部からのミュージシャン、プロデューサーを迎えた4th
アルバムがこのBack in the High Life。・・・・前フリながっ!

このアルバムで、初めてSteve Winwoodを知ったんですね。
全米1位を記録したHigher Loveを聞いた時に「なんだこの
ソウルフルな歌を歌うおじさんは。」と衝撃を受けた事を
覚えています。すぐに渋谷のタワーレコードに行き、LP
(まだCDプレーヤーを持っていなかった。)を買いました。
このアルバム、名曲揃いです。Higer Loveを含め、日本人
カメラマンを起用してミュージック・ビデオを制作した
Freedom Overspill、Steveならではの音色を出すキーボードが
印象的なThe Finer Things、自身の復活を宣言するかの
ようなBack in the High Life Againなど、全8曲全て
5分以上の力作です。

その後Steve Winwoodは"Roll With It"で全米アルバム1位を
初めて獲得。このアルバムを境に、アメリカの音楽ビジネスの
最前線から身を引き、こじんまりとしたアルバムを2~3年置きに
発表します。一昨年のフジロックフェスティバルにも参加。
その時には昔のトラフィックやスペンサー・デービス・グループ
からの曲も披露して、新旧のファンを喜ばせました。

同年代のスティング、ピーター・ガブリエル、フィル・コリンズ、
エリック・クラプトン、ロバート・パーマーなどに比べると地味な為、
イマイチ知名度に乏しいですが、才能は彼らに引けを取らないほど
豊かではあります。