Graceful Distortion

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地獄のシナリオ

2008-11-15 20:45:33 | Weblog
12人の怒れる男などを監督した重鎮、シドニー・ルメットの
最新作監督作品、「その土曜日7時58分」。

物語は…

成功した会計士ウィリアムと離婚した妻に養育費の払えない
ハンク。一見両極端の兄弟かと思いきや、2人ともある事情から
お金が必要な状況に。そこでウィリアムはある作戦をハンクに
提案する。それは、両親が経営する宝石店へ強盗として
押し入ることだった。70過ぎた店番のおばあさんを銃で脅し、
盗んだ宝石は売りさばき、お店は保険で補償されるという
計算だったが…。

まあそんなところです。

ちょっとした軽い考えで犯罪に手を染めた兄弟が、
たった一つのボタンの掛け違いで、家族が崩壊に向かう話です。
よく出来ています。最初のお店に押し入った時に起きた
計算ミスからドツボにはまる家族の悪夢をこれでもか、と
描いています。

ウィリアムを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの
壊れていく演技や、終始おどおどしているダメ男の
ハンクを演じたイーサン・ホークなど役者も玄人好みの
メンバーがそろっています。

シドニー・ルメットも84歳。この年になると人生についてや
死についてなど、次世代に向けてのメッセージを残す作品を
撮る人が多い中、バイタリティ溢れ、若々しい作品に
なっています。