いつでも猫といっしょ

チンチラゴールドのララと、多頭飼育崩壊からやってきたドン(黒ペルシャMix)&マリ(ソマリMix)の、たぶん楽しい毎日。

デカ猫vsのこちゃん

2005-03-22 | 老猫とゲン
昨夜帰宅すると、かなちゃんにご執心のデカ猫は門の上(門、というほどのもんでもないですが)に座っていて、飼い主2人が庭に入ると門からぴょんっと飛び降りて庭(といっても2メートルほど)の置石をささっと先に歩いて、玄関のドアにへばりつきました。

ドアを開けるとしばらくモジモジしていましたが、私たちの顔色を見ながら、おそるおそる家の中に侵入。家の中では、気配を察知して二階のリビングルームから降りてきたのこ&かなが、階段の途中に座ってデカ猫の動向をうかがっています。飼い主2人は(ヒマにも)、猫たちがどうするか、玄関のドアから様子を見ています。

しばらくの様子見のあと、かなちゃんに向かってデカ猫が廊下を少しずつ進み始めると、、なんと、にくからず思っているのだろうと思われたかなちゃんが、たたたっと階段を駆け下りデカ猫にポカリッと一発お見舞いしました。ヨソの家に侵入して緊張感いっぱいになっていたデカ猫が思わず(←たぶん)かなちゃんに反撃の構えで一歩前に出ると、チビなかなちゃんは一気に弱気に転じて階段を駆け上がり、姿を消してしまいました。

その後は、かなちゃんが消えた階段を未練がましく見上げるデカ猫と、階段の真ん中に座ったのこちゃんとのにらみあい。といっても、気弱なデカ猫は視線をそらせてうろうろしていましたが。

ここで、ハイ、今日はここまで、あなたはおうちに帰りましょうね~、と飼い主が登場してデカ猫を抱っこして外に出しました。こういうシチュエーションで逃げもせずにヨソの人におとなしく抱っこされて暴れもしないデカ猫は、ほんとにおっとりした猫です。抱いたついでに確認したところ、やはり♂猫でした。こうして第1ラウンドは飼い主の介入で終了。

そして今日。しつこく玄関前でデカ猫が鳴き続けるので、かなちゃん、遊んでやってきなヨ、とかなを玄関から出すと、しっかりのこちゃんがチェックについてきました。デカ猫は玄関から数えて4つめの置石の上に座っています。ゆっくりと外に出たのこちゃんは、デカ猫から1つおいた置石に座り、また二匹でにらみあいです。にらみあいといっても、のこちゃんはじっと見ているだけ、デカ猫は気弱げに視線をあちこち泳がせている状態で、しょせんはおっとり飼い猫同士(飼い主立会い)の単なるこう着状態といった模様です。

さて、先に外に出ていたかなは、この情勢を見ると、さっと戻ってなぜかのこちゃんの背中の後ろに並んで座りました。たぶん、ただの日和見でしょう。狭い庭で向かい合うデカ猫とばーさん猫、その後ろに隠れて座るチビ♀猫に、見守る飼い主2人、、、なんというヒマな風景。

微妙な均衡を破ったのは、今日も、かなちゃんの姿を見て落ち着かなくなったデカ猫クンでした。のこちゃんの頭越しにかなに向かって、グルグルニャ~~とデカい声で呼びかけたのです。それに反応してかなはクルっと振り返って玄関に駆け込みました。それを追ってデカ猫が玄関方向に走り始めると、「ハァーッ(怒)」。ほんとに久々ののこちゃんの怒った威嚇に私たちも驚きましたが、デカ猫はもっと驚いたようで、ささっと3歩ほど後ずさり、飼い主に助けを求めるかのような気弱げな目を向けてすわっています。

ハイ、じゃあ今日はここまでねー。ということで、デカ猫の鼻先で玄関のドアは閉められました。飼い猫が縄張りを主張しては、飼い主としても見逃しておくわけにも行かず。第2ラウンドはのこちゃんの貫録勝ちでした。

その後もかなちゃんを呼ぶデカ猫の声が空しく外から聞こえてきましたが、久々に興奮して疲れたようで、のこちゃんもかなちゃんもリビングルームで爆睡していました。

デカ猫の身体はのこちゃんより一回り大きいし、顔のサイズはのこ&かな合わせたくらいで、見た目迫力あるはずなんだけどなー。こんなばーさん猫に撃沈しているようでは、現役♀争奪戦に参戦できず、茶飲み友達求めてうちに通っているのかも。でも、温和で憎めない猫ちゃんです。

カナとデカの仲

2005-03-20 | 老猫とゲン
かなちゃん目当てにせっせとうちに来るデカ猫は、デカくておっとりしていますが、けっこう毛並みもきれいで顔立ちもかわいらしいのです。なかなかアップで写真を撮れるほど近づけないのですが、比較的近くで一枚撮れたのでアップしてみました。手前がデカちゃんで、向こうに米粒ほどに写っている黒い固まりがかなちゃんです。よくこんな距離感ですわっています。猫のサイズがもともと倍ほど違うのでずいぶん離れているようにも見えますが、水平距離1.5メートルほどです。

今日は朝書留が届き、玄関を開けたら庭にデカちゃんが座っていました。配達の方が、「かわいい猫ですね」などと言ってくださいました。「うちの猫じゃないんですけどね。」

外からデカ猫の呼び声が聞こえてくると、かなちゃんはお外に出たがります。3~4分だった外出時間が15分くらいに延びました。15分ほど過ぎて、かな、何やってんだろうね~と話し始めるころ、かなは二階ベランダにジャンプして帰ってきます。そして、ささっと旦那のお腹の上に乗って甘えて、旦那のご機嫌をとります。オソトの猫はただのお友達なのニャ~、うるさくて困るのニャ~、とは言ってませんが。

外からはデカ猫の未練がましい鳴き声が聞こえますが、かなちゃんは旦那にくっついて知らん顔。そして、私とのこちゃんにも知らん顔。♀には嫌われるタイプです。デカ猫も、さすがに懲りたのか、二階のベランダにジャンプしてはきません。

たいした意味はないのですが、かなの年齢15歳を人間の年に換算してみると、90歳。この換算方法やっぱり違ってるかもしれないなー。とはいえ、ぱっと見子猫のかなちゃんも、年とって歯が1本抜けてしまいました。肉食動物らしく鋭い上下あわせて4本の犬歯のうち、右上がありません。もともと歯が長い猫なので、相方のなくなった右下の犬歯が上唇を持ち上げて、時々顔がゆがんでいたりするのですが、別にそれもどうってことないみたいです。

ここまでうちにへばりついてくるとデカ猫も飼ってやろうかという気になったりしますが、かなちゃんを呼ぶだけで餌をほしがるそぶりをまったく見せない上に太っているところをみると、やっぱり飼い主さんがいると思われます。時々うちを離れているときは、自分の家に戻って餌もらってるんでしょう。

いつまで続く猫の恋?春ですね~。

カナとデカ

2005-03-18 | 老猫とゲン
ここのところ、毎日うちにご訪問を続けているデカ猫。夜飼い主が帰宅する頃、たいてい玄関の塀の上か、うちとお隣の間の細い隙間にいます。そして飼い主を見ると大きな声でグルグルニャァ~を始めます。飼い主が帰宅してドアを開けるとうちの♀猫が出てくるのがわかっているようです。

玄関のドアを開けると、かなちゃんが先に、続いてのこちゃんがのろのろと相次いで庭に出て行きますが、デカ猫の視線はぴったりかなちゃんについて回ります。呆れたことに、かなちゃんは十分それを承知しているもよう。わざとらしくデカ猫の近くに行き、ごろりんと寝転がり(=デカ猫を油断させる)、突然起き上がってデカ猫の頭をポカリッ。ドア付近から見ていると、デカ猫の大きな身体がふわっとジャンプしてかなから離れます。さすがにポカリと一発お見舞いされるのはいやなのでしょう。が、それもほんの一歩分だけ。1メートルほど離れた所に座って、またかなちゃんをじっと見ています。そのころのこちゃんが様子を見に近づいて行きますが、そちらには目もくれず。

私「かなみたいなチビにあんな、なめきった態度とられて、そのうちデカ猫が怒ってかないじめたりしないかなあ?」
夫「デカ猫はかなちゃんにホレてるから、何されてもいいんだよ。」
私「でも、かな、性格悪いのにねえ、頭も悪いし。突然、ポカリだよ~」
夫「いーんだよ、性格悪くても。かわいければ。」
私「・・・」(そうか、それが♂の本音か・・)
夫「あの猫、顔がデカイからさ、かなちゃんの小さな顔が好きなんだよ。

そうか!それならよ~くわかります。大きな顔の持ち主(←私もその一人)が、つい小さな整ったお顔に見惚れてしまうその気持ち。なぜか急にデカ猫に親近感が。

私「でも、かなはあんなドンくさい♂猫気に入ってるのかしらね?バカにはしてるけど、嫌ってはいないようね。」
夫「かなは、基本的にかまってもらうのが好きだからさ、チヤホヤされればなんでもいいんだよ。」

うーん、なんとなく説得力がある意見。思わず納得。

祝!のこちゃん、17歳!

2005-03-16 | のこ(老猫)


のこちゃんがめでたく17歳を迎えました!
といっても、捨てられて、拾われて、もらわれてうちに来たので、正確なお誕生日はわからないのですが。
1988年の5月に、見たところ生後2ヶ月程度の子猫だったので、この3月には17歳になったはずです。同じころ、同じくらいの小ささだった茶茶も、生きていれば一緒に17歳になれたのにな~。

猫の年を人間の年に換算するのは、正確にはどうやるのかわかりませんが、ざっくり言って、猫は最初の1年で人間でいえば20歳になり、その後猫の1年は人間の5年ときいたことがあります。何冊か、猫関係の本で読んだので、そんなもんと考えてもいいでしょう。猫は生後8~9ヶ月で発情、妊娠するので、1歳で人間の20歳というのは納得いきます。これで換算すると、17歳ののこちゃんは、人間で言ったらちょうど100歳ってことになります。そんなにいってんのかなあ。印象としては、人間でいえば85歳くらいのおばあちゃんに思われます。

のこちゃんは体格の良い猫ですが、ときどき外に出していたにもかかわらず、2歳になるまで妊娠しませんでした。なにかの機会に獣医さんにきいたら、ホルモンバランスが悪いんでしょうと言われました。2歳のときにかなちゃんを含む3匹の子猫を出産、ただちに避妊手術を受けたので妊娠・出産は一度だけ。夏の暑い時期に皮膚炎を起こして2、3回獣医さんのお世話になったことがありますが、それ以外はまったく健康で長年過ごしてきました。

来客があれば、大騒ぎしてぶーたれる神経質なかなちゃんや、部屋の隅で気にいらなそうににらんでいる偏屈な茶茶をよそ目にさっとご挨拶に出向き、外からの侵入猫がいればけんかを売って追い払い、暇があればかなちゃんをなめてやったり、茶茶に猫パンチ・エクセサイズをしてやりながら、我が家のボス猫として、悠々堂々としたものでした。

飼い主がいるところで壁やソファに爪とぎして怒られるようなマヌケなことはせず(かなと茶茶はよくやった)、飼い主の留守中にやる悪知恵もあるし、トイレのそそうで迷惑をかけたことも一度もありません。大柄なのこちゃんにはトイレが多少小さめなので、用を足した後トイレを出て、振り返ってきちんと砂をかけていました。一度だけのこちゃんがトイレ以外の家の中で(う)をしたことがありますが、それは留守中の世話を人に頼んで飼い主が1週間ほど旅行に出かけ、帰宅後のこちゃんが「汚れてるから早くトイレの掃除して」と言っているのを無視して一休みしていた間に、バスルームにいたしておりました。これは粗相というより、確信犯的抗議行動でしょう。教育のかいあって、その後飼い主も、のこちゃんがトイレに行って振り返って不満げに「ニャ~」といえば、何をおいてもすぐトイレ掃除をするようになりました。

私がまだ年若く情緒不安定なころ、「明日会社行きたくないよぉ~」などとぐずる相手をしてくれたのものこちゃんです(とても迷惑そうでしたが)。なんとなく頼りになりそうなしっかり者の役を立派に果たしてきてくれました。

そんなこんなで、飼い主たちが留守をするときは、のこちゃん、あとは頼むよ~、と声をかけるような、猫のチームリーダーでした。ついこの間、茶茶が亡くなるまでは。

茶茶がいなくなって、のこちゃんはしばらくしょんぼりしょぼくれていました。生後2ヶ月で出会い頭にけんかして以来、仲良くするでもなく共存しているような二匹に見えたのですが。食事の量も減って身体も小さくなって、ここ数ヶ月でずいぶん軽くなりました。茶茶が死んで2ヵ月半。猫時間では1年ほどが過ぎたのでしょうか。

とはいえ、いつまでもしょんぼり、がっくり、という感じでもありません。チームリーダーの肩の荷を降ろしたのか、けっこう甘えん坊になりました。以前は、独立独歩の気構えか、私は茶茶やかなみたいなお子ちゃまとは違うのよ、と思っていたのか、あまり抱っこされるのが好きではなかったのですが、今では私の膝の上に抱っこされればおとなしく身を任せてじっとしているし、旦那がソファに寝転がると、すかさずソファの背もたれに猫すわりして、なぜか後ろ足だけ背もたれからずり落として旦那の身体にのっけて満足そうにしています。

茶茶が元気なころは、毎日猫パンチをかませあっていたのですが、これも茶茶は本気、のこちゃんはオアソビ風。暇にまかせて茶茶をからかいつつ運動させてやっている感じでした。茶茶が弱ってから猫パンチはやめたのですが、これも茶茶が元気になったらまたやろうと一休みのつもりだったのでしょうか、茶茶の復帰はもうないとあきらめたのか、最近私をアソビ相手にするようになりました。こうして私がPCに向かって座っていると、のこちゃんはお隣に来て座り、猫パンチの10分の1くらいの力で、ちょんちょんと私の手をつつきます。私がキーボードから手を離してのこちゃんの頭をなでる、手を戻すとまたちょんちょん、頭をなでて手を戻すとまたちょんちょん。最近の日課です。このリズムはなんだろうと考えて、茶茶としていた毎日の猫パンチに思い至りました。

一日の睡眠時間はどんどん長くなり、動作はますますのんびりゆったり。気に入った餌だけ食べ、お天気がよければ玄関前に出て日向ぼっこし、気が向くと飼い主と遊んだり甘えたり。ヨソの猫が来ても、眼つけて威嚇するだけであとは知らん振りで日向ぼっこに戻ります。

身体は小さくなって、顔は温和になって、性格は甘えん坊のマイペースで、なんだかぬいぐるみか仏様みたいになりました。先日、窓際で、小さくなった背中を丸めて日向ぼっこしているのを見て、きんさん、ぎんさんを思い出しました。幸せなおばあちゃんは、見ている人まで幸せにしてくれます。





かなちゃんのジャンプ

2005-03-15 | カナ(老猫)
先日、かなちゃんが二階のベランダにジャンプする姿を目撃しました。

近所に買い物に行くのに猫2匹外に出していったのですが、15分くらいして私が玄関近くまで戻ってくると、2匹とも、私を見送ったその姿のまま、玄関前に座って日向ぼっこしていました。

そのとき、ちょうど近くからグルグルッ、ギャォ~というヨソの猫の鳴き声がしてきたのです。するとかなちゃんはすくっと立ち上がり、一目散に手すりに飛び乗り、そこから水平距離70~80センチ、高さ150センチほど離れた二階の手すりの下部にジャンプ、、と思ったのですが、ワンクッション置いていることを発見しました。二階の手すりの土台にあたる壁を前足で蹴っていたのです。つまり、一階の手すりから斜め上方に後ろ足で蹴り上り、前足で二階ベランダの壁を蹴り、両足で二階手すりに到着する、ということをやっていたわけです。

なかなかうまく表現できませんが、二階ベランダの壁は当然ながら地面に対して垂直に立っており、その垂直な壁を蹴って、垂直にジャンプして真上の手すりに着地するのです。しなやかな背骨と背筋、それに丸まった鋭い爪があればこその技でしょう。これで、最近雨の日にかながジャンプして帰ってこられなくなったわけがわかりました。濡れた垂直の壁を蹴って上に飛ぶのは、すべってしまって、そりゃ、こわいでしょう。

以前、雨の日でも平気でジャンプして帰ってきていたのは、壁を蹴らずに二階の手すりまでジャンプできていたのだと思います。さすがにかなもトシなので、ワンクッション必要になったのでしょうが、それでもたいしたもんだと猫バカ飼い主は感心してしまったのでした。

一方のこちゃんは、ヨソ猫の声に反応するでもなく、私の姿を見てゆっくりと立ち上がり、のんびり歩いて玄関ドアまで行くと、私を振り返って、ニャ(開けて)と一言。ドアをあけると階段の下まで小走りに行き、私を振り返って、ニャ(抱っこ)と一言。抱っこして階段を上がり、二階に着くと飛び降りてリビングルームに入るのでした。これはこれで、また見事に「疲れることはしない」ポリシーを貫いております。

そして不思議なのは、ヨソ猫の声に即座に反応して、見事なジャンプを披露して二階に戻ったかなちゃんが、すぐにまた階段を駆け下りて、ますます接近したヨソ猫が鳴き喚いているお外に出して、と催促することでした。

玄関の外にはいつものデカ猫がこちらを向いて座っています。中に戻るかと思いましたが、かなは別に平気そうにデカ猫のすぐ脇を通り抜けてデカ猫から1メートルほど離れた所にそっぽ向いて座っていました。ん~ん、やはり猫が何を考えているかは謎です。



気の滅入るニュース

2005-03-10 | ほかの猫たち・猫のこと
(私も住んでいる)横浜の公園で、針金で足と尻尾をしばられた猫が保護されたそうだ。同時に、針金でしばられて死んでいる猫が公園内の池で発見されたとのこと。先月はたしか大阪の公園で17匹の猫が毒殺されていたというニュースがあった。時々、繰り返し起こるこの類の事件。猫は2~3歳の人間の子供程度の知恵はあるという。痛みの感覚や、恐怖の感情も持っている。毒殺はともかく、横浜の公園で針金で縛られた猫は、人間に近づかせる程度の信頼は持っていたから、つかまって、縛られてしまったんだろうと思うと、ますます気が滅入る。

弱い者いじめして楽しんでいるのか、鬱憤晴らしの虐待か、成長期の子供の単純で残虐な興味か、理解できないが、そこには虐待される側の恐怖や痛みへの想像力も共感もまったくない。猫だけじゃないんだろうな、被害にあっているのは。小さな子供とか、体の弱った高齢者とか。相対的に力の強いものは弱いものに対して何やってもいいのか?やってもいいと思っている人が、少数なんだろうけどいるということは、まったく気の滅入ることだ。他者の痛みをまったく想像しないばかりか、もしかしたら喜びを感じる人がいるということは、ほんとに怖いことだと思う。

愛しのゴエちゃん 続き

2005-03-09 | 歴代&実家の猫たち
繰り返し思い出すゴエちゃんの姿は、夕日を背にして細い道を一直線に、私に向かって走ってくる姿です。そのころは中野に住んでいて、アパートは早稲田通りから一本入った車の通らない細道に面していました。ゴエちゃんは細道に面したアパートの塀の上に猫すわりしていて、私の姿を見つけると、あるいは見つける前に察知するのかもしれませんが、塀からぴょんっと飛び降りて、その道を私に向かって走ってくるのです。しなやかな細身の体のばねをきかせて、ほんとに小さなチーターみたいに、すごい速さで。私もその道の反対側からゴエちゃんに向かって走り出し、近づくと抱っこして「ゴエちゃ~ん、ただいまぁ~!」「にゃぁ~」と再会を喜び、それからゴエちゃんを足元に下ろし、歩調をあわせてアパートまで帰るのでした。

お部屋に入って手を洗ったりしていると、後ろから私の背中にジャンプ。肩の後ろから顔をくっつけてきます。爪をたてたまま背中をずり落ちられるとたいへん痛いので、私は右手を背中に回しておんぶの体制。それからずうっとべったりです。

ね?デレレでしょ?

何度も何度も思い出すので、いつもこうだったかと錯覚していますが、考えてみると中野に住んでいたころ、夕日の時間にアパートに到着できるような時間に仕事を終えられたことはめったにないので、数回のできごとか、あるいは週末のお買い物帰りのことだったのか、もう思い出せません。

こんなラブラブ状態がずっと続くと思っていたのですが、アパートのお隣の部屋に住んでいたおじさんにゴエちゃんの餌やりを頼んで(ゴエちゃんがベランダ伝いに時々遊びに行っていて、かわいがってくれていました)、友達と2日ほど小旅行に出かけて帰宅した日、ゴエちゃんは帰ってきませんでした。

それから何日も何日も、帰宅してから家の周りを歩いて探し回りました。お隣さんも、見かけたらすぐ知らせるよと気にかけてくれ、保健所にも問い合わせ、最後には近くの派出所のおまわりさんにもシャムネコがいなくなったと訴えてみたのですが(お忙しいのに、すみませんでした)。その後、ゴエちゃんの姿を見ることはできませんでした。

帰宅のとき、家に近づくたびに細道をかけてくるゴエちゃんの姿を探し、未練がましく塀の上を眺め、外に出したまま遊びに出かけた自分を呪い、いつでもゴエちゃんが入れるようにと窓を開けて、、。

ゴエちゃんを探し回っているときに、1匹の子猫に出会いました。親とはぐれたらしいチビ猫を拾い、♀のようだったので、♀ならゴエちゃんが帰ってきてもお嫁さんになって仲良くできるね~、と飼い始めました。とうきちろう→ごえもんの流れでまた古典的な名前にこだわり、茶々と名づけて。

スリムでハンサムだったとうきちろう&ゴエちゃんに対し、茶々はおでぶで不細工でドンクサイ♀猫でしたが、その後17年近くうちでのんびり暮らし、昨年末お星様になりました。

ゴエちゃんが行方不明になってから、どのくらいの間、どんな猫生を過ごしたのか私にはわかりませんが、生きていれば20歳を超えているはずで、たぶん亡くなっていると思います。今頃アチラの世界で茶々に会い、こんな見栄えの悪い♀がボクのお嫁さんなの~~?プンプンッと怒ってるかもしれないな。



愛しのゴエちゃん 

2005-03-08 | 歴代&実家の猫たち
先日、一人暮らしを始めてから最初に飼った、とうきちろうの話を書きました。とうきちろうを野良猫からうつった感染症で亡くしてからしばらく時が流れ、猫の手帖(←雑誌です)を眺めているうちに、色柄は違うけれど、顔つき体つきのよく似た子猫ちゃんを里親募集のページに見つけました。この子だ~~!とさっそく飼い主さんに連絡を取り、千葉まで出かけていただいてきた子猫が、二代目飼い猫、シャム猫のゴエちゃんです。立派なシャムネコのママとパパから生まれたゴエちゃんには、いただいたときにきちんとアロン君というシャムネコらしい横文字の名前があったのですが、とうきちろうからの流れで意味もなく古典的な名前にこだわってしまい、五右衛門→ゴエちゃんと呼んでいました。

私は子供の頃から実家に入れ替わり立ち代り猫がいたのですが、洋猫純血種を飼うのは初めての経験。スリムで上品な顔立ちで毛並みもきれいで、、、が、そんな外見から想像できない、甘ったれでうるさい(=鳴き声が大きく、かつよく鳴く)猫でした。シャムネコを飼ったのはゴエちゃん1匹だけなので、これがシャムネコの特徴なのか、ゴエちゃんの個性だったのかは、よくわかりません。犬を飼ったことのない私の印象としては、シャムネコって(猫のうちでは)犬に近いんじゃないかと思いました。大きな声でよく鳴くので番犬になれそうだったし、呼べば来るし、べったりくっつくし、私が家から出ると一緒についてきて並んで歩くし。一度ちょっと近所に買い物に出かけたとき、向かいから来るおばさんに、「お散歩ですか?」と話しかけられ「は?」と思ったら足元にゴエちゃんがついてきていました。なわばりの境界線まで来るとそこでストップして待っているのは猫的でしたが、ゴエちゃんは一緒にお散歩ができるんだぁと、私ももうメロメロ状態でした。

ゴエちゃんと暮らしたのはもう20年近く前で、それもわずか3年半ほどの、今から考えれば短い期間だったのですが、今思い出してもデレレっとなってしまうような思い出もいくつかあります。そう、もう恋人みたいなもんでした。実際、当時つきあっていた(人間の)男の方とは、その方がゴエちゃんのことを、はずみで、そんな猫捨てちゃえなどと暴言を吐いたのをきっかけにお別れしたほどです。その方はその後結婚なさり、奥様の希望で猫を飼っていました。「猫好きな女に猫捨てろって言うと、自分が捨てられちゃうからさっ、はははっ」と幸せそうに笑って話してました。彼は大人で、私はガキだったと、今となっては思います。

さて、ゴエちゃんですが、子猫の頃も、ほんとーに可愛かったです。仕事が忙しくて帰宅の遅い私が家に帰ると、もうずうっとくっついています。小さなワンルームマンションの、小さなユニットバスにまでついてきて、私がお湯につかっているときにもくっつこうとするので、たいへんです。バスのドアをしめればうるさく鳴きつづけているので、しかたなくバスのスペースに入れて、たまにお湯を指でかけて遊んだりしながらあわただしくお風呂に入る日もありました。

そんなある日、いつにもましてアグレッシブに私にくっつこうとした子猫のゴエちゃんは、浴槽の縁に飛び乗った後、後ろ足を浴槽の縁に置き、前足をお湯から出ている私の肩に載せてきたのです。お互いその体勢から身動きとれず。私は無防備な裸ん坊で爪が引っかかったらやだからゴエちゃん持ち上げるのも気が進まないし、濡れた浴槽の縁は滑りやすいし、さーどうする、ゴエちゃん、と様子を見ていると、、、あっと思った瞬間、後ろ足を滑らせてそのままお湯の中へ。。。びっくりして見ているだけの私に、びっくりしてひっくり返ったそのままの体勢でもがきもせずにお湯のそこに沈んでいくゴエちゃん! すぐ気を取り直して、大笑いしながら救出し、私もそのままお風呂を出て、ずぶぬれですっかりみすぼらしくなったゴエちゃんの毛をタオルとドライヤーで乾かしました。

子猫のゴエちゃんにはお湯に落ちたのも、ずぶぬれになったのも、そのあとモーター音を間近にききながらドライヤーの熱風をかけられたのもかなりのショックだったらしく(当然ですが)、その夜は部屋の隅に小さくなってうずくまり、そのまま爆睡しておりました。そして深夜。いつもと違って一人(ゴエちゃんがくっついてこないので)静かに寝ていた私は、一瞬顔の上を何かが通過したのを感じました。ショックから立ち直ったゴエちゃんが、今度は興奮状態になって部屋の中を駆け回っていたようです。そのままうるさくも夜はふけて。。。

そして翌朝、鏡を見た私は思わず、「げーっ!これじゃ会社行けないよ~!!」と叫んでしまいました。眉毛の真ん中を通り、まぶたと目を通過して頬にかけて、一直線に傷跡が。まるでマンガに出てくるやくざさんの頬の傷のようでした。一応、私もまだ周囲の方たちの目が気になるお年頃。会社を休む口実を考えましたが考え付かず、ファンデーションで塗り固めるとさらに際立つ赤い傷跡にうつむきがちに出社したのでした。

なんでそれがデレレな思い出なのよ、と思われた方、書いてみて私もそう思いますが、「猫のした悪さは責める気にならない」のが猫バカの特徴というもの。ゴエちゃんはこわ~いお湯をまたいででも、私にくっつきたかったのよね~、デレレッというわけです(←バカ)。

~続く~


強気なかなちゃん

2005-03-03 | カナ(老猫)
しばらく前から頻繁に我が家の周辺にへばりついてぎゃーぎゃー騒ぎ、かなちゃんを呼んでいると思われる、顔と身体の大きな(たぶん)♂猫(以後、デカ猫)ですが、今日も私が帰宅するとうちの玄関の前に座っていました。私を見てさっと逃げましたが、1メートルほど離れたところでステイしています。玄関の内側からは、律儀に(or暇にまかせて)お出迎えにきたのこ&かなの鳴き声が。

私は玄関から入るとさっとドアを閉めて、「大きい猫が来てるから君たち今は外に出ないほうがいいよ」とのこ&かなに警告したのですが、そんな警告もなんのその、2匹ともドアに張り付いてお外に出たいモード。

「また追っかけられても知らないよ~~」と言いながら外に出してあげたのですが、まずはのこちゃんがデカ猫を威嚇。デカ猫はといえば、しっぽを巻いてあとずさりして、隣の家の塀にへばりついています。続いて出てきたかなちゃんは、デカ猫を見て逃げると思いきや、ささっと身軽にデカ猫の近くに駆け寄り、身体を丸めてジャンプして威嚇してからくるっと方向転換して、余裕をかましてゆっくり歩いています。

この力関係、いったい何なんだ?と唖然とする私。

昨日、太ったかな~とおそるおそる自分の体重を測りがてら、猫ちゃんたちの体重も量ってみたのですが、一時は6kgほどあったのこちゃんはかなり小さくなって4.5kg、かなは昔からほとんど変わらず3kg程度。一方、デカ猫くんは、最低でも6kgほどはありそうで、かつ顔もデカイのでとても大きく見えます。

なのに、、壁にへばりついて丸い目でおとなし~くこちらを見つめるデカ♂猫と、妙に強気なチビ老♀猫。私がいるから強気なのかしら、ここはのこ&かなのなわばりだから強気なのかしら。。なんで? Why?   Porque?(=ポルケ?←スペイン語です)

とつぶやきながら、妙に強気な家猫2匹を外に残してリビングルームに入り、旦那に状況を説明すると、
「さっき、かなちゃん外に出したら、たたたっと走ってデカ猫のとこに行って、いきなり(茶茶によくやってたみたいに)猫パンチくらわせたんだよ。ひどいヤツなんだよなー。」 とのこと。
「で、すぐ逃げたの?デカ猫怒らなかったの?」
「デカ猫はじっとしてた。かなはコンクリートに寝転がって余裕をかましてた。」

わかりません。私には。デカ猫は先日うちの2階のベランダにジャンプしてきて動転した挙句跳び落ちるという醜態をさらしたので、かながすっかりバカにしたのか。それでもかなに下心のあるデカ猫が下でに出ているのか。それともデカ猫はでかいだけで気が弱い温和な猫なのか。。。デカ猫は引っ越してきたばかりで、意地悪されてもお友達がほしいのか。。。

それにしても、かなときたら、、、。リビングルームでは旦那のお腹を座布団代わりに寝ているし、夜は私の顔の上に仁王立ちするし、外に出ればおとなしいご近所の猫に意地悪するし。あいかわらず自分の餌は残して茶茶のお供え餌食べてるし。人間でいえば75歳ぐらいの小さいおばあちゃんなのになぁ~。この傍若無人なじょおーさまのようなお振る舞いは、いったいなににもとづいているのやら??