先日、一人暮らしを始めてから最初に飼った、とうきちろうの話を書きました。とうきちろうを野良猫からうつった感染症で亡くしてからしばらく時が流れ、猫の手帖(←雑誌です)を眺めているうちに、色柄は違うけれど、顔つき体つきのよく似た子猫ちゃんを里親募集のページに見つけました。この子だ~~!とさっそく飼い主さんに連絡を取り、千葉まで出かけていただいてきた子猫が、二代目飼い猫、シャム猫のゴエちゃんです。立派なシャムネコのママとパパから生まれたゴエちゃんには、いただいたときにきちんとアロン君というシャムネコらしい横文字の名前があったのですが、とうきちろうからの流れで意味もなく古典的な名前にこだわってしまい、五右衛門→ゴエちゃんと呼んでいました。
私は子供の頃から実家に入れ替わり立ち代り猫がいたのですが、洋猫純血種を飼うのは初めての経験。スリムで上品な顔立ちで毛並みもきれいで、、、が、そんな外見から想像できない、甘ったれでうるさい(=鳴き声が大きく、かつよく鳴く)猫でした。シャムネコを飼ったのはゴエちゃん1匹だけなので、これがシャムネコの特徴なのか、ゴエちゃんの個性だったのかは、よくわかりません。犬を飼ったことのない私の印象としては、シャムネコって(猫のうちでは)犬に近いんじゃないかと思いました。大きな声でよく鳴くので番犬になれそうだったし、呼べば来るし、べったりくっつくし、私が家から出ると一緒についてきて並んで歩くし。一度ちょっと近所に買い物に出かけたとき、向かいから来るおばさんに、「お散歩ですか?」と話しかけられ「は?」と思ったら足元にゴエちゃんがついてきていました。なわばりの境界線まで来るとそこでストップして待っているのは猫的でしたが、ゴエちゃんは一緒にお散歩ができるんだぁと、私ももうメロメロ状態でした。
ゴエちゃんと暮らしたのはもう20年近く前で、それもわずか3年半ほどの、今から考えれば短い期間だったのですが、今思い出してもデレレっとなってしまうような思い出もいくつかあります。そう、もう恋人みたいなもんでした。実際、当時つきあっていた(人間の)男の方とは、その方がゴエちゃんのことを、はずみで、そんな猫捨てちゃえなどと暴言を吐いたのをきっかけにお別れしたほどです。その方はその後結婚なさり、奥様の希望で猫を飼っていました。「猫好きな女に猫捨てろって言うと、自分が捨てられちゃうからさっ、はははっ」と幸せそうに笑って話してました。彼は大人で、私はガキだったと、今となっては思います。
さて、ゴエちゃんですが、子猫の頃も、ほんとーに可愛かったです。仕事が忙しくて帰宅の遅い私が家に帰ると、もうずうっとくっついています。小さなワンルームマンションの、小さなユニットバスにまでついてきて、私がお湯につかっているときにもくっつこうとするので、たいへんです。バスのドアをしめればうるさく鳴きつづけているので、しかたなくバスのスペースに入れて、たまにお湯を指でかけて遊んだりしながらあわただしくお風呂に入る日もありました。
そんなある日、いつにもましてアグレッシブに私にくっつこうとした子猫のゴエちゃんは、浴槽の縁に飛び乗った後、後ろ足を浴槽の縁に置き、前足をお湯から出ている私の肩に載せてきたのです。お互いその体勢から身動きとれず。私は無防備な裸ん坊で爪が引っかかったらやだからゴエちゃん持ち上げるのも気が進まないし、濡れた浴槽の縁は滑りやすいし、さーどうする、ゴエちゃん、と様子を見ていると、、、あっと思った瞬間、後ろ足を滑らせてそのままお湯の中へ。。。びっくりして見ているだけの私に、びっくりしてひっくり返ったそのままの体勢でもがきもせずにお湯のそこに沈んでいくゴエちゃん! すぐ気を取り直して、大笑いしながら救出し、私もそのままお風呂を出て、ずぶぬれですっかりみすぼらしくなったゴエちゃんの毛をタオルとドライヤーで乾かしました。
子猫のゴエちゃんにはお湯に落ちたのも、ずぶぬれになったのも、そのあとモーター音を間近にききながらドライヤーの熱風をかけられたのもかなりのショックだったらしく(当然ですが)、その夜は部屋の隅に小さくなってうずくまり、そのまま爆睡しておりました。そして深夜。いつもと違って一人(ゴエちゃんがくっついてこないので)静かに寝ていた私は、一瞬顔の上を何かが通過したのを感じました。ショックから立ち直ったゴエちゃんが、今度は興奮状態になって部屋の中を駆け回っていたようです。そのままうるさくも夜はふけて。。。
そして翌朝、鏡を見た私は思わず、「げーっ!これじゃ会社行けないよ~!!」と叫んでしまいました。眉毛の真ん中を通り、まぶたと目を通過して頬にかけて、一直線に傷跡が。まるでマンガに出てくるやくざさんの頬の傷のようでした。一応、私もまだ周囲の方たちの目が気になるお年頃。会社を休む口実を考えましたが考え付かず、ファンデーションで塗り固めるとさらに際立つ赤い傷跡にうつむきがちに出社したのでした。
なんでそれがデレレな思い出なのよ、と思われた方、書いてみて私もそう思いますが、「猫のした悪さは責める気にならない」のが猫バカの特徴というもの。ゴエちゃんはこわ~いお湯をまたいででも、私にくっつきたかったのよね~、デレレッというわけです(←バカ)。
~続く~
私は子供の頃から実家に入れ替わり立ち代り猫がいたのですが、洋猫純血種を飼うのは初めての経験。スリムで上品な顔立ちで毛並みもきれいで、、、が、そんな外見から想像できない、甘ったれでうるさい(=鳴き声が大きく、かつよく鳴く)猫でした。シャムネコを飼ったのはゴエちゃん1匹だけなので、これがシャムネコの特徴なのか、ゴエちゃんの個性だったのかは、よくわかりません。犬を飼ったことのない私の印象としては、シャムネコって(猫のうちでは)犬に近いんじゃないかと思いました。大きな声でよく鳴くので番犬になれそうだったし、呼べば来るし、べったりくっつくし、私が家から出ると一緒についてきて並んで歩くし。一度ちょっと近所に買い物に出かけたとき、向かいから来るおばさんに、「お散歩ですか?」と話しかけられ「は?」と思ったら足元にゴエちゃんがついてきていました。なわばりの境界線まで来るとそこでストップして待っているのは猫的でしたが、ゴエちゃんは一緒にお散歩ができるんだぁと、私ももうメロメロ状態でした。
ゴエちゃんと暮らしたのはもう20年近く前で、それもわずか3年半ほどの、今から考えれば短い期間だったのですが、今思い出してもデレレっとなってしまうような思い出もいくつかあります。そう、もう恋人みたいなもんでした。実際、当時つきあっていた(人間の)男の方とは、その方がゴエちゃんのことを、はずみで、そんな猫捨てちゃえなどと暴言を吐いたのをきっかけにお別れしたほどです。その方はその後結婚なさり、奥様の希望で猫を飼っていました。「猫好きな女に猫捨てろって言うと、自分が捨てられちゃうからさっ、はははっ」と幸せそうに笑って話してました。彼は大人で、私はガキだったと、今となっては思います。
さて、ゴエちゃんですが、子猫の頃も、ほんとーに可愛かったです。仕事が忙しくて帰宅の遅い私が家に帰ると、もうずうっとくっついています。小さなワンルームマンションの、小さなユニットバスにまでついてきて、私がお湯につかっているときにもくっつこうとするので、たいへんです。バスのドアをしめればうるさく鳴きつづけているので、しかたなくバスのスペースに入れて、たまにお湯を指でかけて遊んだりしながらあわただしくお風呂に入る日もありました。
そんなある日、いつにもましてアグレッシブに私にくっつこうとした子猫のゴエちゃんは、浴槽の縁に飛び乗った後、後ろ足を浴槽の縁に置き、前足をお湯から出ている私の肩に載せてきたのです。お互いその体勢から身動きとれず。私は無防備な裸ん坊で爪が引っかかったらやだからゴエちゃん持ち上げるのも気が進まないし、濡れた浴槽の縁は滑りやすいし、さーどうする、ゴエちゃん、と様子を見ていると、、、あっと思った瞬間、後ろ足を滑らせてそのままお湯の中へ。。。びっくりして見ているだけの私に、びっくりしてひっくり返ったそのままの体勢でもがきもせずにお湯のそこに沈んでいくゴエちゃん! すぐ気を取り直して、大笑いしながら救出し、私もそのままお風呂を出て、ずぶぬれですっかりみすぼらしくなったゴエちゃんの毛をタオルとドライヤーで乾かしました。
子猫のゴエちゃんにはお湯に落ちたのも、ずぶぬれになったのも、そのあとモーター音を間近にききながらドライヤーの熱風をかけられたのもかなりのショックだったらしく(当然ですが)、その夜は部屋の隅に小さくなってうずくまり、そのまま爆睡しておりました。そして深夜。いつもと違って一人(ゴエちゃんがくっついてこないので)静かに寝ていた私は、一瞬顔の上を何かが通過したのを感じました。ショックから立ち直ったゴエちゃんが、今度は興奮状態になって部屋の中を駆け回っていたようです。そのままうるさくも夜はふけて。。。
そして翌朝、鏡を見た私は思わず、「げーっ!これじゃ会社行けないよ~!!」と叫んでしまいました。眉毛の真ん中を通り、まぶたと目を通過して頬にかけて、一直線に傷跡が。まるでマンガに出てくるやくざさんの頬の傷のようでした。一応、私もまだ周囲の方たちの目が気になるお年頃。会社を休む口実を考えましたが考え付かず、ファンデーションで塗り固めるとさらに際立つ赤い傷跡にうつむきがちに出社したのでした。
なんでそれがデレレな思い出なのよ、と思われた方、書いてみて私もそう思いますが、「猫のした悪さは責める気にならない」のが猫バカの特徴というもの。ゴエちゃんはこわ~いお湯をまたいででも、私にくっつきたかったのよね~、デレレッというわけです(←バカ)。
~続く~