夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

通勤

2009-06-27 | poetry
  通勤

朝は居眠りしたり、ゲームをしたりしている。
夕方はきょろきょろ空席を探したり、メールをしたりしている。
だんご虫のように自分に閉じこもっているか、
巣をつつかれた蜂のようにイライラしているか、
いずれにせよ幸福な人はほとんどいないだろう。

それどころか我々の見るところ、
この車両だけでも少なくとも7人は隣の人間に殺意を抱いている。
やれ化粧をしただの、背中の荷物が当たるだの、傘のしずくがかかっただので。
「ささいなことで他人に殺意を持つのはやめましょう」
本当はそういうアナウンスやマナーポスターがあって然るべきだ。
「見知らぬ人と接触するのが嫌いな人は通勤電車に乗らないでください」
この方が穏やかだろうか。

働き蟻はお互いにしょっちゅうぶつかったり、乗っかったりするけれど、
座席にじっと座ったり、つり革につかまって、別の巣の蟻と移動したりはしない。
「ソドムとゴモラでやろう」
時間は牢獄という言い方があるけれど、
だとすると通勤電車は囚人護送車だろうか。



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