夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

今日聴いた音楽~Schubelt:StreichQuartett Nr.14「死と乙女」

2005-04-17 | music

 この曲ほど死の恐怖を生々しく、赤裸々に描いた曲も少ないのではないかと思います。マーラーは言うに及ばず、ショスタコーヴィッチでも、もう少し洗練されたというか、もって回ってというか、シューベルトほどあからさまではありません。上に掲げたエゴン・シーレの悲痛な絵がこの曲に触発されたのかどうか、不明にして知りませんが、その内実において一致するものがあると感じます。
 4楽章全部が短調というのも異様で、ショスタコーヴィッチの最後の弦楽四重奏曲第15番がすべてアダージオで書かれているのと同じく、死に憑かれているとしか表現が見当たりません。病気と政治と理由は全く異なりますが、二人の偉大な作曲家を襲った不条理な苦難を思わずにはいられません。
 前回、友だちにしたい作曲家No.1はシューベルトだということを書きましたが、それはシューベルティアーデに見られるような、社交的でいてどこかおずおずとしたやさしい性格が好きだというだけでなく、この曲のように死の深淵を見つめ続けたところも大きな理由です。


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7 コメント

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TBありがとうございます (yurikamome122)
2005-04-17 10:12:04
このシューベルトがいまわの際まで行って、生きたまま黄泉の国を見たような感じがします。これを自分で演奏したくなる指揮者は多いようです。素晴らしを通り越して、怖さも感じますが、この曲は夢にまで見るほど好きな曲です。
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TBありがとうございます (晴薫)
2005-04-18 20:46:17
TBありがとうございます。

絵が知っているのですが、この曲は知らないんです。

絵と一緒に今度聞いてみます。
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こんにちは (junco)
2005-04-18 23:49:35
ちょっとのぞきに来ましたが、なんか自分の書いている物が恥ずかしいです。

すごく格調高いブログですね。音楽のお話ってこう書かなくちゃいけないですね。

でも啖呵についてって・・・(>_<)
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晴薫さま、コメントありがとうございます (夢のもつれ)
2005-04-19 02:08:54
貴ブログを拝見させていただきましたが、関心の方向が私と似ているのでうれしく感じました。今後ともよろしくお願いします。
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juncoさま、失礼しました (夢のもつれ)
2005-04-19 02:16:55
何をおっしゃいますか。内容がないから気取ってるだけですよ。それに引きかえ、貴ブログのスピード感とずしっとした充実度はすばらしいです。

啖呵って好きな言葉なんですが、やっぱり可憐な女性には失礼なので、同義語に代えておきましたw。
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こんにちは♪ (アイビィ)
2005-04-22 17:16:12
虫眼鏡のQ様よりのご紹介で遊びに参りました♪この曲、私がヴァイオリンを中断していた中学生の頃初めて聴いて、いつか弾きたい・・と思った曲なんです。未だに、ちゃんとさらってませんが^^; 個人的には激しさを増して最後は夢のように終わる2楽章が好きですが、ちょっとグロな3・4楽章もいいですね。死神のダンスを見ているようで。ちょっとロマンティックなゴシックホラーみたいな曲だなと思っています。
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アイビィさん、ようこそ♪ (夢のもつれ)
2005-04-22 17:46:39
そうですね。第2楽章だけは、ほんのかすかな喜びと救いがあるように思います。

死神のダンスとは言いえて妙ですし、ゴスホラ(そんな言葉はないかな)って感じもよくわかります。ただそのダンスの相手は、シューベルト=リスナーなんですよね。

これからもよろしくお願いします。
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