夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

常識がないのは恥ずかしくもうらやましい

2015-01-31 | news
まずは来日中でもてはやされてるピケティについて。彼の主著の「Le Capital au XXIe siècle」は「21世紀の資本」と訳されているようだが、誤訳に近い。だって、マルクスの「資本論 Das Kapital:Kritik der politischen Oekonomie」のオマージュかインスパイアなんだから「21世紀の資本論」とすべきで、恥ずかしい。古典なんか読まないぜって、パンクじゃあるまいし。

次はちょっとうんざりしてるけど、イスラム国の人質問題。こんな記事があった。ちょっと抜粋しよう。

今回の事件で日本では「首相責任論」「自己責任論」なるものが議論され、安倍晋三首相は29日の衆院予算委員会で「領域国の同意がある場合、自衛隊の能力を生かし、救出に対応できるようにするのは国の責任だ」と安全保障法制の成立に意欲を見せた。
どうかしている。まず私たちは後藤さんの無事を祈り、家族に寄り添うべきだ。これまで後藤さんのサポートを受けてきた大手メディアは後藤さんが紛争地の子供たちを優しい眼差しで伝えてきたことを世界に向けて発信すべきだ。
安倍首相は今、海外の邦人保護を議論するのが適切か考える必要がある。後藤さんと湯川さんが「イスラム国」に誘拐されているにもかかわらず中東を訪問するリスクについて警察庁から事前にアドバイスを受けていなかったのだろうか。

何を感傷的なことを言っているのだろう。
人質事件を機に安保法制の整備に動き出すのは政治家としてしたたかで頼もしいくらいだ。
家族に寄り添うってヨルダン政府に無理難題を言うこと以外に思いつかない。官邸前でディスコなんかやめろと言うならそう言えばいい。
後藤さんの活動はもう十分報道されている。湯川さんの行状は少ないが。フリージャーナリストは記事を売るのが商売で、それをサポートと言うのはおかしい。
誘拐されている邦人がいるだけで外交・安保を差し控えていては、邦人保護はいつまで経っても外国頼りだろう。

最後はカリスマブロガー(かつての?)のちきりんの記事から。
「東大に受かった。でも学費がないから進学できない」って子がたくさんいるなら、そういう子に「返済義務のない奨学金を!」という提案も理解できるけど、「名も無い大学に受かった。でも学費がない」って人に学費援助をしても、儲かるのは「名も無い大学」だけでは?

タイトルからすると学歴否定に見えるが、全く違う。この箇所が彼女の主張のすべてで、東大卒の看板代としてなら学費を払う値打があるわけだ。名もない大学には、大学教育の名に値する教育を行う教員も学生もいないと見抜いている。
話がまわりくどいのもインテリらしいわけで、コメントを眺めては「うふふ、おバカな人たちは思ったとおり誤読するのねえ」ってほくそ笑んでいるだろう。
しかし、雑草という植物はないという昭和天皇のお言葉と同様、名もない大学などないのであって、東大からFランまで小金を持った親たちの投資先はちゃんとある。少子化で入学生が減っても文科省がそうそう整理するとも思えない。

彼女は「理想社会なんて信じるのはやめましょう。ソレ、すごい危険な思想なんで」とこの前の記事で書いていて、理想主義に対して強い嫌悪感を持っているようだが、残念ながら理想や妄想は人間にとってパンや時には命よりも大事なのは厳然たる事実で、それを否定していては人間や社会のことは何もわからない。そのどうしようもなさがわからないでいられればどれほど楽か、うらやましいくらいだ。



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