夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ウィーンで観た音楽~ニューイヤー・コンサート

2005-08-01 | music

 今日は8月の最初の日なので、ニューイヤー・コンサートの話を、ってめちゃめちゃ強引ですけど(どっかで見た文章って思った人、手を挙げてw)……思いっきり季節はずして紹介するのもちょっとは涼しく感じていいかなとw。日本でもムジークフェライン・ザールでやるニューイヤー・コンサートは、同時中継なんかをやっていますが、大晦日の「こうもり」と同じく一般庶民は行かないですし、関心もないみたいです。なんせ高いですからね。それが家人の父親がウィーンに来たときに、けっこうクラシック好き、ウィーン好きなんで、「こうもり」とともに見たいと。いろいろ探して、席もわりといいのだったんで目の玉が飛び出るほど高かったけど、まあ、私の財布は傷まないし、お供しましょうw。

 さすがに家人も見たそうにしていましたが、赤ん坊がいます。一計を案じて、チケットを2枚だけ買って、義父はずっと見てるとして、前半と後半で私と家人が入れ替わることにしました。ホテル・インペリアルのカフェで待ち合わせて、あそこなら粘ってても文句は言いますまい。最後の難問はどっちが盛り上がる後半を取るか? こういうときは黙っているのがいちばんです。おまえが後半を見ろよと言うほどやさしくもないですが、俺が後半を見るよと言うほど無鉄砲ではありません。後がこわい。……しめしめ、私が後半になりましたが、大きなバスケットに赤ん坊を入れてカフェで待っていたら、どうも大の方をした様子。うぁぁ。ここをどこだと思ってる、おまえは母親の味方かと思いましたが、こういうときは淡々としているのがいちばん、慌てず騒がず始末しました。ウェイターもあえて無視してくれてたんでしょう。でも、タキシードを着ておむつの世話をするとはなぁ。……
 
 それで、楽しそうに戻ってきた家人とタッチして、ホールに入ります。おおー、確かにお花で派手に飾り付けられていてお正月気分出てますね。「春の海」は聞こえないけどw。正面にはでっかいキノコ……ウィーンでは、こういう意味不明なセンスに時々出くわします。周りは着飾った人ばかりで楽しそう。日本人は頑張っても似合わないし、お互い顔をそむけてます。休み時間がわりとあるので、シャンパンっていうとそれだけで高いので、ゼクト、スパークリングワインを片手に談笑。この後、ドライヴに行くんだけど、まあいいでしょう。ここに音楽を聴きにきたんじゃない、新年を楽しみに来たんですから。

 指揮はムーティ、まあ欧米人なら誰でもいいようなもんですし、楽しませて、盛り上げてっていうことから言えば言うことなしでした。その後も何回もやってるのも肯けます。鉄砲が鳴って紙吹雪が舞ったり、ブラーヴォって誰かが言えば、ブラヴィッシモ、ブラヴィッシッシモと合いの手が。イタリア語って簡単だなぁ。曲は知らないのばっかりw。元々ウィンナ・ワルツなんか興味ないですし、今でもそうですからね。シュトラウス王朝のものが中心なんでしょう。さすがに「美しき青きドナウ」があって、最後が「ラデツキー行進曲」ってことは知ってますが。

 「美しき青きドナウ」が最初は人気なかったっていうのは、その時によくわかりました。だって、踊りにくいもんw。最初はすごく弱音のゆっくりで、テンポが変化しますから実用的じゃないでしょう。その曲の入りで観客が催促して、”Prosit! Neue Jahr.”(ちょっと違うかも知れませんが、「新年に乾杯!」ってところです)とオケのメンバーとともに挨拶するのがお約束ですし、まあみなさんご存知ですよね。長めの曲ですが、こういうときって早く感じます。

 「ラデツキー行進曲」は観客の拍手までムーティが指揮して、楽しいお祭り騒ぎって感じです。すべてが終わり、我々の席まで飛んできた紙吹雪をまるで高価なチケットの代わりのようにポケットに入れて席を立ちました。ロビーには、もう家人が赤ん坊を連れて待っていたので、近くに停めてあった車に乗ってすぐにザルツカンマーグートに出発しました。マーラーが夏休みに作曲していた、でもその時は氷に閉ざされていた湖を目指して。……季節外れが昔から好きだったんですかね。



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2 コメント

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ため息。。 (hippocampi)
2005-08-02 21:04:50
なんてゴーヂャスなんでしょう!

タキシードで赤ちゃんとお茶、とってもかわゆいですね。ハプニングもあったけど、それも微笑ましく読ませて頂きました。



ああため息、わたしもそんな素敵な音楽の楽しみ方をしてみたいです。
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1回なら。。 (夢のもつれ)
2005-08-02 23:26:17
まあ、1回行けば十分じゃないでしょうか。音楽的にどうこうっていうんじゃなく、地元の上流階級のお祭り騒ぎですから。

行ったくせに言うのもひどいですが、異邦人がどやどや行くのはあまり感心しないですね。
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