ずるい人

僕が今、バイトしているお店の店長は、ずるい人です。


なんていうのかなぁ…
「ずるい」んだよなー。
他にどうとも説明できない。


何がずるいって、「憎まれない」のです。


だってね？
僕がどんなにテンパって、必死に忙しく動き回ってても、
飄々と、そして悠悠自適に、マイペースに仕事をしているし、
何かケラケラ笑ってるし、冗談ばっか言ってるし、
「それって、サボリじゃないの？」ってことを、堂々とするし。

真面目に働く僕からしたら（僕は自分の株はあげる。）、
「ちょっと、働いてよ、ちゃんと」とか、
「もっと人の気持ち分かってよ」とか、
色々と突っこみを入れたくなるんですね。

本当に多忙な時は、僕の頭の後頭部が、
「ぷつっ」っとキレてしまうこともある。


なのに。


「ただしちゃーん」って呼ばれて、
くだらないことを嬉しそうに話す彼の笑顔を見ちゃうと、
僕は戦闘意識も敵意も全て失い、許してしまうんです。

「ま、いっか」って気持ちが僕を包んでしまう。


本当に、ずるい。


そういう人になりたいなぁ。



ちなみに、外見は、アメリカの田舎に住む、イタリア人みたいな人。
そして、下ネタ好き。美人好き。
子供なんだか、大人なんだか、よく分からない。

ずるいよなぁ。