とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

農具の選択 その二

2014年10月08日 | 日記

2つ目の変更は、蒔き筋(種を蒔く場所)の作り方に関して。

これまでのやり方では、まず刈払鎌で作付場所全体の草を地際まで刈り込み、

20141008_khg

次に、それぞれの蒔き筋上にある刈り草を脇にどかし、

20141008_ksd_2

最後に、鍬で表土を薄く削り取って、雑草の切り株や根、こぼれ種など、野菜の発芽を妨げるものを除去していました。いわゆる不耕起のやり方ですが、この方法を続ける中で常々問題に感じていた点が一つありました。

削り取った表土を積んだ場所に生える雑草の方が作付けた野菜より勢いよく育つ、という点です。

よく考えてみれば当たり前の話で、野菜や雑草の茎葉が枯れ落ちて朽ち、分解寸前になっている腐葉土層が表土ですから、最も養分に富んでいるわけです。雑草が邪魔だからと言って、益するものまで除いてしまっては野菜が育つはずがありません。

あれこれ悩みましたが、他の農法を参考にしながら結局行き着いたのは、表土をすき込む、つまり「浅く耕す」という方法でした。

さて、方法論が変わると、農具もそれに合わせて変えねばなりません。

これまで使っていたのは表土を削るのに適した平鍬でしたが、新たに必要なのはすき込みやすい鍬です。調べてみると、耕起に使われる「唐鍬」というものがありました。不耕起にこだわっていたゆえに今まで気にも止めなかった種類の鍬です。

柄が寝ている平鍬と異なり、唐鍬は刃と柄がほとんど直角で土に打ち込みやすい形状です。

<唐鍬(手前)と平鍬(奥)>

20141008_kw_4

唐鍬を短い間隔でザクザク打ち込み、雑草の切り株や根を断ち切りながら表土をすき込みます。直ぐさま種が蒔ける、まさに耕した状態です。

20141008_tg_2

今秋の作付の途中からこの方法に切り替えましたが、どんな結果を迎えるでしょうか。

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農具の選択

2014年10月07日 | 日記

就農2年目の今年。今後もこの道で続けられるかどうか、あれこれ悩みながら農作業を進める中で、大きな変更が2つありました。

1つ目は、エンジン刈払機の使用を断念した事。

本格的に農業を始めるなら当然必要だろうということで、昨春、就農に際して購入したのが下のエンジン刈払機。

20141007_ekr

軽量ながらパワーがあり、たいへん使いやすい逸品だったのですが、この度は使用者の方に問題がありました。

チェーンソーやエンジン刈払機などの強い振動を伴なう工具を用いる職種の人物が発症しやすいことで知られ、労災認定されることもある白蝋病(手足の血管が収縮することで起こる血管性運動神経障害)という病気があるのですが、今年に入ってその兆候と思われる気だるさが頻繁に表れるようになり、さすがに参ってしまいました。

エンジン刈払機なら確かに短時間で草が刈れるのですが、使用後のだるさを解消するために長い休憩時間を要するとなると、全体効率で手刈りに勝るとも言い難く。結局、刈払鎌を両手で振り回す2年前のスタイルに戻ってしまいました。

<両手用の播州刈払鎌>

20141007_krg

ただし、今回スタイルを戻すに当たり刈払鎌はかなり吟味して選びました。2年前に使っていたものに比べ、格段に切れ味が良く使いやすい鎌です。

エンジン刈払機の時はひたすら作業に追われるようで余裕がありませんでしたが、手刈りに戻して以来、武道の稽古をしているような心持ちで日々身体の使い方の研究に勤しんでいます。なかなか乙なものですね。

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