江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

核の傘は必要か

2009-08-18 01:49:42 | 学校・教育
終戦記念日を迎えて
8月15日終戦記念日を今年も迎え、私の伯父も先の大戦で戦死さ
れたことを思うと、他国と交戦状態にない現在の日本を大変有難く思う
次第です。
ここ数年この時期靖国神社参拝問題がいつもクローズアップされるマス
コミの光景から、今年は麻生総理の核の傘容認発言に端を発し、安全
保障問題につき論議が交わされることが多いお盆となりました。
NHKで三宅アナウンサーが司会されていた番組を少し見せていただき
ましたが、スタジオの専門家は別として会場の発言者の自分の論拠を
主張される際の押しの強さには従来のNHKという媒体の性格からする
と少し驚きをもって聞いておりました。田原さんの朝まで生テレビのように、
議論の流れを参加者すべてが自らコントロールする責任があるかの如く。

しかし、安全保障問題という大変高度な問題を国政を預かる政治家や
専門家に任せるというのではなく、私のようなレベルの国民がある一定
の見識を示せるというのも民主主義をより強靭なものにするにはいいの
ではないかと思い私も発言したいと思います。

span style="color: #000099;">核兵器をなくすことは可能か
まず、私は現時点において核兵器は必要悪だという現状認識にあります。

核兵器は無差別大量破壊兵器であり、戦時法上も違法な兵器であり、
極東国際軍事裁判(東京裁判)でもしこの問題が裁かれていれば明ら
かに核兵器使用者は有罪となっていたと思います。現実問題として歓
喜の戦勝国を誰が裁けるのかという問題があるにせよ、もしその上位
概念にあたる国際司法というものがあり、核兵器の使用につき厳格な
要件の吟味検証がなされていれば、その後の冷戦構造、米ソを中心と
する核軍拡競争という選択は良識のある国際社会では出来なかったの
ではないかと私には思え残念です。


ただ、人が陥りがちな驕り恐れ怒り不信という情念が原爆の開発や敵
国都市部への原爆投下という行為まで行き着いてしまったのだと思い
ます。世の中には途轍もなく怖いものがあるということを子供のとき色々
な行事を通して社会が教えたりしますが、原爆はそうした戒め的な絶対
に開けてはならぬパンドラの箱と言えます。そうした意味からすれば唯
一の被爆国日本は広島長崎を通じて核兵器廃絶を国際社会に訴える
のは過去の悲惨な犠牲を多くの人に知らしめることにより国際平和に
対して崇高な使命を果たされているのだと思います。


核の傘は誰のもの?
次に核の傘は必要か、核の所有共有は必要かということですが、私は
現状核の傘は必要だが核の所有は断じてするべきではないと考えます。
オバマ大統領がプラハの演説で核廃絶を呼びかけましたが、私は核は
国際社会で共同管理へと進むべきだと考えます。

朝鮮が仮想敵国、核発射先として日本を想定しているとの話のもと
それに対抗するためにも日本は核武装すべきだという論拠はそれに伴う
弊害を省みず少々短絡的かなと思います。もし、それが許されれば北朝
鮮風に軍事国家の思惑にあわせてあらゆる国が核武装の備えをする必
要性が出てきます。そうした善意の防衛的核武装国に対して周辺国がま
た核の脅威を身近のものとしなくてはなりません。国際的な不安の連鎖
は果てしなく続きます。

私が日本の総理に臨むのはそうした核兵器の脅威を与える国あるいは
組織に対して、考えうる全ての発射施設の能力をそぐための防衛行動を
通常兵器を使いいつでも執れる体制に現在あることを示して泰然としてい
てもらう方が国民はパニックにならずに済みベターだと思います。


核兵器の共同管理⇒核縮小⇒核廃絶
また核の傘ですが、安全保障条約で核保有国に対して自国の安全が脅
かされたときに自国の為に核兵器を利用できる契約だと考えれば必要悪
かも知れませんが誠に合理的な契約関係であると思います。核は最後の
脅し的な意味合いが強いことからすれば所有することにどれほどの意味
があるのでしょうか。
安全保障締約国との友好関係の維持に負担の懸念
が先にたつ場合のことを考えれば、あるいはすべての地球人に核の傘で
の安全保障を分け与えるためにはこれから核兵器の共同管理という方向
に行くべきものと考えます。

核兵器を所有するためには所有に伴うリスクに対する対処能力、他に
自己の所有を納得させる厳しきルールと透明性、人類愛に満ちた管理
能力がなければなりません。保険を与える組織とそれを買うグループ、
あるいはその恩恵に与る人々との関係があって然るべきだと考えます。

原子力発電に依存する日本
もう一つ、日本が核兵器を持つべきでない理由は日本がエネルギー供給
において原子力発電に3割以上頼っているという事情があります。核兵器
の保有に対して前向きの意思を世界に示したとき果たして現在の原子力
に依存したエネルギー体制を維持することが出来るのでしょうか。


最後に麻生総理が不人気に馴れてしまったのか、人の気を引くような発言
をあきらめてしまったのか、まじめな本質的な議論が今回の総選挙の前に
なされていること大変結構なことだと私は思います。


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