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Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

色褪せた秋 / 昔日の風景

2013-10-15 | 風景

 

残念なことに、予感が当たってしまった。

9月下旬の山頂周辺の紅葉を見たとき、今年の紅葉のピークを10/5と予想した。

ここ数年の状況を見ていて、例年、石鎚紅葉の最盛期と云われてきた10/10では、

もう手前の鮮やかな彩の樹々の葉が、散ってしまうことに気づいた。

天狗岳の紅葉が1800m近くまで降り、弥山手前の紅葉が最盛期の頃。

これを石鎚紅葉写真のピークとするのが正解ではないでしょうか?

それに雨上がりの朝日が当たれば、赤々と山は燃え上がる。

そして運さえ良ければ、雲海や吹き上がるガスの付加価値が加わり、

石鎚山岳写真の伝説の錦絵が、出来(しゅったい)する(笑)

 

でも残念ながら、今年は10/5以降、すべてが裏目に出たようだ。

10月に入ってからの気温が異常に高かったこと、台風の接近による強風。

色んなマイナス要因が重なったのだろう。

全体に色づき始めた葉っぱが縮れていたり、褐色と裸木の目立つ風景でした。

 

上に並べた7点の画像は、連休最終日、瓶ヶ森からの朝の風景です。

雲海は出現しませんでしたが、朝靄に浮かぶ石鎚の姿は、

日本画特有の煙るような風景に繊細な色のグラデーションが滲み、目を奪われる風景でした。

 

さて時間を逆戻りして連休初日の朝へ。

愛大山岳会の秋合宿、面河道登山道整備に参加しました。

 

 

 

石鎚スカイライン入口、面河関門8時集合。

ミーティングの後、土小屋にて荷揚げする荷物を分担して出発です。

山頂小屋で草刈り機を2台借りて、面河乗越から笹を刈りながら下るグループと、

先行して愛大小屋まで下り、愛大小屋から草刈り機2台で笹を刈りながら上るグループに分かれます。

私はI さんと二人、先行組へ。

山ヤさんたちは、こういう作業の段取りが、実に手際良い。

さすが山岳部の合宿で鍛えられた身体感覚なのだろう。

I さんの指示で、まず今夜の準備を、一通り整えておく。

それが終わって、草刈り機の点検と試運転。

私は初めてなので、小屋周辺で、まずは予行演習。

さて、へっぴり腰の若葉マーク草刈り機の始動(笑)

最初は、おっかなびっくり腰が引けて効率が上がらない。

飛び散る木端や小石に火花(草刈り機の歯が石に撥ねて)に眼鏡を着用。

I さんの適切な指導のおかげで、なんとか4時過ぎまで面河道を刈り上げてゆく。

下ってきた福島さん、Wさん、Kさん、Tさんたち4人と合流して小屋へ引き返す。

 

その夜は、一般登山者の宿泊客4人。

小屋外にテントを一張りして、夜の慰労会へ。

獅子肉、軍鶏肉、牛肉と野菜たっぷりの焼肉。

それに前山岳会会長のMさん手造りの有機枝豆の塩茹もどっさり。

麦酒で乾杯して、山頂小屋差し入れのお神酒も加わり、話が弾む。

昔日の石鎚山岳風景が甦る。

石鎚スカイラインも瓶ヶ森林道もなかった頃の長閑な山の昔し語り。

好い気分でアルコールも廻り、夜の炉辺話に聞き入る。

 

例えば、昔の二の鎖小屋には仙人がいた。

小屋番の爺さんが犬と一緒に一年中小屋住まいをしていたようだ。

厳冬期の二の鎖辺りの積雪は2mを越える。

囲炉裏しかなかったという小屋で、よくも冬を越したものだ。

また土小屋にも粗末な営林署の山小屋があり、利用したとか。

他の山小屋は筒上山の丸滝小屋、シラサ峠の営林署小屋、それに瓶ヶ森ヒュッテに笹ヶ峰の丸山荘。

堂ヶ森から笹ヶ峰まで、昔日の石鎚山系の魅惑的な縦走路が鮮やかに甦る。

確かに山岳道路の開通やロープウェイのおかげで便利になったが、

失ったものも大きかったようだ。

 

翌朝早く小屋を立ち、面河道を上りかえして山頂へ。

菅さんや、のんびり山歩さんと西稜で。

見せてもらった13日夕暮れの墓場尾根の見事な風景に溜息。

菅さんと一緒に土小屋まで、大勢の登山者と擦れ違いながら下山。

国民宿舎手前で、ホッホさんから携帯に到着の連絡が入る。

菅さんと別れ、国民宿舎の満杯の駐車場へ。

ホッホさん、rieさん、mariさんと合流。

さぁ、荷物をカメラとお弁当だけの身軽な格好にして3人を案内して再び山頂へ。

残念、例年なら見頃なのに、色褪せた山の風景だった。

それでも5年くらい続けて秋の石鎚に登り続けているというrieさん、mariさんは、

それなりに達成感を口にしてくれた。

ホッホさんも普段の運動不足が祟り上りは苦労したが、下りには、やたら強かった(笑)

今回、jinさんが参加出来なかったのが残念でした。

また機会を作りましょう。

ホッホさん、rieさん、mariさん、お疲れさまでした。

 

 


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
せんない話 (ランスケ)
2013-10-15 17:34:13
また遠足の作文のような文章を書いてしまいました(汗)

今日の人気記事にランキングした「森にいます」の簡潔だけれど、森の息吹を感じる文章や、
「通り雨の午睡Siesta-」のような畳み掛けるような話の膨らみ。
こういった文章が書けなくなった。

せんないことだが、やっぱり辛い…
返信する
Unknown (鬼城)
2013-10-15 18:21:36
 昔懐かしい青年たちの顔、顔、顔・・・山にはいると仲間意識が強くなる。
仙人の話、懐かしい!
 紅葉は一気に駆け下りたようだが、今年のような異常気象では仕方がないだろう。
決してランスケさんの所為ではない。(笑い)
 登ったり降りたり大変な様子だが、ホッホさんの立ち居振る舞い、ヨーロッパアルプスの登山者みたい・・・
 
返信する
さようなら、こんにちは (ホッホ)
2013-10-15 19:48:13
ランスケさんお世話になりました。
RieさんMariさん私のペースに合わせてくれてありがとう。

いくら山猿ランスケさんでもこの三日間は、ハードスケ
ジュールではないですか?
帰ってからブログにまとめるのは大変だったと思います。
<パート1>から<パート3>の3部作でもいいくらいの
内容ですね。

ランスケさん別れた後、瓶ヶ森にテン泊して瓶猿に。
撮った風景写真は、空・石鎚・瓶ヶ森の三層になり命の
息吹が蠢きだす気配に思わず合唱です。

鬼城さん、今回も山の案山子状態になり何回か死にま
した。お蔭様で今日は筋肉痛です。
返信する
秋季合宿 (ランスケ)
2013-10-15 21:57:31
鬼城さん、本来は、ここに座るはずでしたよね。

鬼城さんの活躍された懐かしい山の話題、たっぷり聞いてきました。
参加できなかった鬼城さんのために同期生のKさんたちの写真を撮影させてもらいました。

「同じ釜の飯を喰った」こういう男だけの体育会系の連帯感、嫌いでしたが、
おおらかな居心地の良さは、癖になりそう(苦笑)
返信する
大人の友情 (ランスケ)
2013-10-15 22:11:50
ホッホさん、よく頑張って登りました。

掲載した写真は、まだホッホさん余裕の頃。
それ以降の写真は、忍びないので没にしました(笑)

石鎚登頂を健康の目安とするrieさん。
線が細そうで意外と子供の頃からお父さんに山へ連れて行ってもらっていたというmariさん。
なんだか面白い偶然の縁(えにし)ですね。

大人になってから友情は、なかなか難しいものです。
大事にしてゆきましょう(笑)
返信する
お疲れ様です。 (zen)
2013-10-16 02:30:12
ランスケさん、こんばんは。
面河道登山道整備お疲れ様でした。
12日には久し振りにお会いできて良かったです。私は9日から13日まで瓶に滞在しましたが、雨とガスとピーカン晴れで写真には今一つの条件でした。
でも、何もせず、ユーミンのひこうき雲を聴きながらボーと空を眺める時間を過ごせましたよ(笑)
連休中は、人、人でしたが、また静かな瓶でお会いしましょう。13日瓶より下山時メールしたのですが・・・
返信する
この秋一番の寒気到来 (ランスケ)
2013-10-16 11:38:25
ごめんなさい。
ショートメール、山頂小屋で受信しています。
案内したホッホさんたちと、わいわい昼食している内に失念してしまいました。
御容赦を(汗)

瓶で、抜けるような青空を、ぼーっと眺めていると、
ユーミンの「ひこうき雲」は、ハマるでしょうね。
彼女の歌詞は、誰もが記憶の隅に持っている懐かしい感情や風景の琴線を刺激します。

さて、また台風一過の寒気が。
初霧氷が期待出来そう。
ジッとしていられません。
もう支度、始めました。
返信する
初霧氷 (ランスケ)
2013-10-17 13:28:56
石鎚と瓶ヶ森の山頂周辺で初霧氷です。

でも午前中は雲が高くてガスが晴れません。
残念。
返信する
西陵 (B)
2013-10-17 19:51:00
17日西陵入り口に「立入禁止」のテープが設置されました。
返信する
立ち入り禁止について (ランスケ)
2013-10-18 13:57:09
Bさん、書き込みありがとうございます。
山から返信したかったのですが、携帯の電池の残量が少なくて諦めました。

17日に石鎚にいた福島さんに「西稜立ち入り禁止」の状況を確認しました。
森林管理署の処置としては、オオヤマレンゲの樹を切った阿呆がいるため、という説明でした。

でも、これは建前ですね?おそらく。
本音は、私たちが西稜で幕営することが問題視されたのだと思います。
あの場所は、強風が吹くのでテントごと面河側の谷へ落下する危険性があります。
特に谷側の平坦な場所は危険です。

事故が起こる前に「立ち入り禁止」処置。
東稜の「通行禁止」処置と同様の判断だと思っています。

それは理解出来るのですが、
石鎚山には、まともな幕営地がないことが一番の問題だと思っています。
二の鎖下のキャンプ指定地は、登山道の脇の狭い場所だし水場もトイレもありません。
「禁止」処置の責任回避より、まず先に、やるべきことをやってほしい。
返信する

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