
土曜日は退院後三度目の診察日だった。
術後4カ月が経過する。
さぁ、やっと待ちに待った完治宣言をもらえるかな?
もう心準備も身体づくりも出来ている。
雪山からの、わくわくする便りに、心此処に在らずの日々。
ところが…
「まだ、くっついていません」
レントゲン画像を拡大して主治医は説明する。
「隙間に薄い膜が広がっています」
「でも、これは膠(にかわ)が広がっている状態で、
骨が完全にくっつくと隙間が白く塞がります」
あまりの落胆に言葉もない。
4カ月も、ずっと我慢して来たのに。
(秋に少しハメを外したけど)
骨をつくるためにカルシウムだって、
毎朝の牛乳にイワシやアジだってビタミンCと一緒に摂ってきた。
う~ん、我慢も限界だ。
日本列島が風雪で大荒れになった翌日、皿ヶ嶺へ出かけた。
これが初めてではない。
最初の大雪の後も実は出かけている。
「大人しく我慢していた」というのは、ちょっと正しくない(汗)
自転車で近場のヒルクライムもやっているので重ねて正しくない(汗、汗)
まぁ、私としては冬山装備の重い荷物を担いで石鎚や瓶ヶ森へ入山する、
という15年間繰り返してきた年中行事を我慢しています。
そう言いたかったのです…
う~ん、自業自得か?
また出発が遅れた。
例年だと雪山入山に向けて気持ちと身体を整えてゆく。
それが今年は出来ないので、どうも体調管理と意気が上がらない。
風邪も頻繁にひく。
寝坊した朝、やっと身体を覚醒させ出発したのは正午過ぎ。
自転車で走る川沿いの道は、正面に真っ白に雪化粧した石鎚連峰。
橋を渡って、今度は正面に皿ヶ嶺。
どうも霧氷は正午過ぎでは落ちてしまった様子。
でも麓の上林まで昨日の雪で白い。
林道入り口まで自転車。
後は登山道を登る。
冬季は林道が凍結しているので、林道入り口の駐車スペースには車がずらり並ぶ。
今日は林道の上の方で事故があったようだ。
警察車両が何台も上ってゆく。
下山してくる人に事情を訊くが、どうも情報が錯綜している?
トンネルを越えると久万署の管轄だから、
水の元から上林トンネルまでの間の事故だった様子。
水の元で、久しぶりにNさんと再会。
正月三ヶ日には石鎚へ入られるとか。
夏の自転車旅で骨折した事情を話す。
お元気そうで嬉しい。
さくさく雪の感触を確かめながら冬の森を歩く。
もう三時を廻っている。
西の山影に傾いた夕陽と競うように足を速める。
竜神平分岐から尾根道へ。
ブナ尾根が夕陽を浴びて緋色に燃え上がる。
これで霧氷に覆われていれば、
と詮無いことを。
森の小径を周回して竜神平の雪原へ。
誰もいない雪原に夕陽が落ちる。
日没と共に急速に気温が下がってくる。
駆け足で雪道を下る。
杉林に入ると、光は樹間の残照と雪の白さだけ。
どんどん闇が深くなってゆく。
足元の雪が解け、登山道は黒い影。
そして周囲の雪の白。
益々、樹間の光が力を失い圧倒的な闇に消え入りそうだ。
拾った杖で足元を探る。
真っ黒な影では落差が分からない。
何度か浮石に足を取られバランスを崩す。
登山靴越しの足が、めいっぱいセンサーを働かせ、
地面の状態を感知している。
真っ暗な闇の中で、身体全体が野生の本能を蘇らせている。
視覚も聴覚も触覚も…
感度をどんどん上げてゆく。
それも、ついにお手上げ。
漆黒の闇だ。
360度まったく見えない。
黒ベタに塗り潰された闇の底。
諦めてヘッドランプをつけた。
野生の時間は終わった(笑)
加齢と共に暗がりでの視界が衰えてゆくのを痛感していた。
雪山遭難の経験から0.04だった視力を0.7まで視力回復させた。
鳥目だって治せるのじゃないかと試してみた。
これから益々、厳しい時代を迎えることだろう。
生き延びてゆくために、人本来の野生の力を取り戻さなければ。
相当なダメージだったのでしょうね。
医者でないので分かりませんが、もう少しですね。
皿が峰も厳冬期、間近に鳴なるといろんな表情を見せてくれます。
夕闇、さすが光の取り込み方がすばらしいです。
また、最後の雪だるまの表情が何ともいえません。
無理をされないように・・・
改めてネットで検索すると、
骨折箇所や年齢によって様々ですね。
鎖骨骨折の場合は、高齢者でも平均五カ月くらいで完治するようです。
リハビリの作業療法士さんは、骨が細かく砕けているので普通よりも時間がかかるだろうと。
主治医も30kgの荷物を担いでの雪山登山にはOKを出してくれません。
日帰りの軽量登山で今年は諦めるしかなさそうです。
大人しく家に籠って本ばかり読んでいると、
気分が滅入ってくるので、こうやって息抜きもしないと。
週一くらいで自転車と山登りの気晴らしを心掛けます。
鬼城さん、いつも心遣いありがとうございます。
我慢も限界~よーっくわかります
misaも近場散策数回、樹氷の瓶にも早朝出かけたし、室戸も京都も悔いなく楽しめたし
そして我慢限界で先日ダルマ朝日に走ったし・・・・
後悔だけはしたくないとギリギリのラインで動いてます
同じく先月の時点で「まだ完全に治りきってない」と言われた時はえっ?でしたよ
2月の骨折が原因ならもう10ヶ月になります
それだけ年を取ってると言うことでしょう
正に端境期の色・・・・素敵です
この雪だるま、何処かの画像で見たような?
気のせいかな?
Homegrandへ行きたくなりましたよ
まぁ、身体が万全ならばリスクを負ってでも厳冬期の山岳風景のために
躊躇わず行動できると思っています。
でも、この状態で厳冬期の山へ入るのは、進んで命を捨てにゆくようなもの。
今年は自重しておきます。
冬の間に身体が鈍らないようにトレーニングだけは続けます。
一度、炬燵ネコと化すと、そこから抜け出すのは大変ですからね(笑)
今回掲載した画像は、前回の皿ヶ嶺と自転車ヒルクライムの3回分を載せています。
最後の雪ダルマは、12月初旬の大雪の後です。
誰か皿ヶ嶺へ行った人が、すでに何処かで発表しているかも?
今回も同じ場所(登山道脇のベンチ)に雪ダルマがありました。
同じ人が作ったものなのでしょうか?
今度は三本指の両手(枝で)をつけた顔なしのダルマさん。
結構いいセンスですね(笑)
こういう可愛いサプライズは、心が和みます。
今年も色々楽しませてくれた You tube でした。
恒例のBest of web7 を貼っておきます。
あの動画、この動画、目を見張る命知らずたち(笑)
全画面の迫力でどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=axgDgH6f7Pw