去る冬へ
冬があるから春の命が輝く
冬があるから夏に絶えることなく水が湧く
冬があるからこそ秋の彩りが美しい
軽薄な飾りを受け付けない庄内の厳しい冬
地吹雪に身をこごめる庄内の冬
だけど、そんな厳しい冬が庄内人の心の優しさを作っている
今年も冬が去って行きます
撮影DATA
Nikon D300s
Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G VR
Nikkor DX 35mm F1.8G
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生きる: 東日本大震災から一年 |
日本写真家協会 (編集), JPS= (編集), 伊集院 静 | |
新潮社 |
地吹雪遭遇
庄内名物?の「地吹雪」です。
とは言っても、冬の間中こんな天気ではなく、軽めの地吹雪はしょっちゅうですがひどい地吹雪は1シーズンで2~3回ぐらいですのでご心配なく。(^^;)でも、今年は例年よりも多いように感じますね。
地吹雪とは、読んで字のごとくですが、降る雪よりもいったん地上に降り積もった雪が暴風によって舞い上がり降ってきた雪と一緒に吹き付ける吹雪のことです。
これはもう表現のしようが無いほどひどい吹雪で、特に視界はほぼゼロで全くのホワイトアウト状態です。
車で通行中にこの地吹雪に遭遇すると本当に恐怖です。だって、視界ゼロの中を車を走らせるのですから・・・。
恐怖で車をストップさせたくなりますが、そうすると吹雪の雪だまりがあっという間に出来て走行不能になってしまうし、後ろの車に追突されるおそれもあります。
かといって盲目のまま運転していると、道路を外れて路肩に落ちてしまうかもしれないし、前の車に追突してしまうかもしれません・・・。(実際、地吹雪の後には何台か路肩に車が落ちていることがありますね。)
とにかく、吹雪のひどい日はなるべく外出しないことですが、仕事などでしょうがなく運転しなければならないときは、できるだけ街中や防雪柵が完備された大きな幹線道路を通ることです。
それでも遭遇したら・・・、神様に祈るしかありませんね。(^^;)
実は、この日もうっかり細い町道を走行してしまい、遭遇してしまいました。
心の中で「神様仏様~、勘弁してくださ~い。もう悪いことはしませ~ん!」とお願いしつつ、「こ、これはシャッターチャンスかもしれない。」な~んて思って、撮影してしまいました・・・。(^^;)カメラマンの性でしょうか。
とにかく、無事で何よりでした・・・。(汗
これでもまだましな方です・・・。
だって、防雪柵が見えるので辛うじてノロノロと運転できますもの。
道路幅は左の紅白の棒のところまで。その左は路肩で田んぼです。
撮影DATA
Nikon D300s
Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6 VR
Nikkor DX 35mm F1.8G
冬再来
いつものことですが・・・、またまた冬に逆戻りです。
雪国では、雪も消えて生き物たちが目を覚まそうとするその刹那に、まるで何かの儀式のように再び雪が降ります。
冬から春へと向かう “ 季節のお約束 ”
去りゆく雪が、お別れの挨拶にやって来ました。
3月は、そういう別れの季節でもあります。
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日本の棚田百選―米も風景もおいしい私たちの「文化遺産」 (Shotor Travel) |
クリエーター情報なし | |
小学館 |
雪の結晶
『こんなにきれいなものが降ってくるんだから、雪国も悪くないよね。』
雪国は今、雪との格闘の毎日です。
朝起きて自宅の雪かき(庄内では「雪のけ」と言います)、会社に出社して会社の雪かき、夜自宅に帰ってまた雪かき・・・。日頃の運動不足の解消に・・・、の範囲を遙かに超えて肩や腰がパンパンです。(-_-;A ハア~
私が住んでいる酒田市は、例年あまり雪は積もらないのですが、今年は雪が多く、平成18年豪雪に匹敵するぐらい降っています。
雪は社会生活をする上では邪魔者以外の何ものでもありませんが、子ども達にとっては嬉しいものです。雪の中にダイビングしたり、雪山をつくりソリをしたり、もちろん雪合戦も始まります。
そんな子ども達の姿を見ていると、自分が子供だったころの気持ちを思い出します。
子供の頃は、雪が降ってくると嬉しくて嬉しくて、いつまでも、いつまでも、空を見上げていました。舞い降りる“ぼた雪”を口でキャッチしたりして、顔や頭が濡れてグシャグシャになるまで遊んでいました。
空から舞い降りてくる雪は、とても不思議で、とてもきれいで、そして、とてもとても楽しいもの、でした。
10年以上前でしょうか、私がホームページをはじめた頃に、酒田市にお住まいの「チャペ」さんという方からそんなイメージのイラストを戴いたことがありました。拝見した瞬間、とても気に入ってしまい、チャペさんにお願いして公開させていただきました。今でも私のホームページに展示させて頂いてます。
このイラストはいつ見ても、そんな遠いあの頃の気持ちを思い出させてくれる素敵な絵です。♪
ちなみに、ハンドルネームの「チャペ」とは、庄内弁で「猫」のことです。
「おめさえのチャペだば、めんごいの~♪」
(おたくの猫ちゃんって、可愛いわねぇ~♪)
(^^)/
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雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集 (岩波少年文庫) 中谷 宇吉郎 岩波書店 このアイテムの詳細を見る |
雪雫
夜の間、樹木の枝や葉に積もった雪が、朝に暖かな風を受けて解けだし、その水の滴りが陽射しをあびると、きらきらと輝きとてもきれいです。
雪国の人間には雪解けの喜びはとても大きいもの、雪雫はそんな人々の心のときめきのようなうれしさに溢れています。
陽が射しはじめたほんの一瞬だけ見ることができる雪雫(ゆきしずく)、この後すぐに雪は枝や葉から次々と滑り落ちる垂雪(しずりゆき)となり、樹上から雪はすっかり姿を消します。
春間近です。
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日本人が大切にしてきた季節の言葉 (青春新書インテリジェンスシリーズ) 復本 一郎 青春出版社 このアイテムの詳細を見る |
山形県遊佐町白井新田□□
“棚田の雪を下から撮影” □□
雪が降るから 美味しいお米ができます
雪が降るから お酒がきれいです
雪が降るから 寒鱈がうまいです
雪が降るから きれいな花が咲きます
雪が降るから やさしさが育ちます
雪が降るから 灯りが綺麗です
雪が降るから 静かさが沁みます
雪が降るから 寄り添います
雪が降るから みんなひたむきです
雪が降るから みんながまん強いです
雪が降るから みんなみんな 一生懸命です
雪が降るから 人恋しくなります
雪が降るから みんな温かいです
雪は 温かいです
雪が降るから 息が白いです
白い息が きれいです
雪が降るから みんなきれいです
みんな みんな きれいです
雪は きれいです
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雪の降る街を 学習研究社 このアイテムの詳細を見る |
雪うさぎ
雪うさぎ を作ってみました。(^^;ゞ
小学校の頃に同級生の女の子たちがよく作っていましたが、最近はあまり見かけなくなりました。
赤い目は南天の実です。耳も南天の葉で作れるのですが、白い縁取りがある方がオシャレかなと思い、沈丁花の葉を拝借しました。
なかなか良くできたなぁ、と自画自賛して写真を撮ったのですが、出来たものをみたら・・・、
何かメタボうさぎですね。(^^;)
下は、小学生の息子が作った雪だるま。
こちらも目は南天の実ですが、赤い実の皮をむくと黄色い実になるんですね~。はじめて知りました。
親子共々、やっつけ仕事です・・・。(^^;)(^^;)(^^;)
雪うさぎ―句集とエッセー
梅木 なおひこ
文芸社
このアイテムの詳細を見る
Nikon F80 Nikkor ED 70-300□□
山形県酒田市上黒川□□
音のない静かな夜、雪は降り積もります。
それは全くの無音ではなく、心を静かにして耳を峙てると、雪の積み重なる音が聞こえてくるのです。
深々、シンシン、しんしん・・・。
この自然世界の意味深さを、懇々と説かれているような音。
まるで説法を聴くように、目を閉じて肯いてしまうのです。
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Nikon デジタル一眼レフカメラ D80 AF-S DX 18-135G レンズキット ニコン このアイテムの詳細を見る |
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広辞苑 第六版 (普通版) |
突然、真冬日です。(--;)
正直言って驚きました。
庄内では例年3月に入ると日に日に春めいてきますが、それでも突然季節が逆戻りしたように雪が降る、と言うようなことはよくあることなのです。
(昨年の当ブログのエントリーも、3/10に「春の空」で春が始まりましたと宣言した後、3/15に「なごり吹雪?」と季節が逆戻りしたことをエントリーしていますね。)
ですから、3月になって雪が降ってもだれも驚きはしないのです。
しかし、今年は異常なほどの暖冬で、2月までにまったくと言って良いほど雪が無く、3月に入ってますます暖かな日が続いたものですから、早春の植物や花木の花芽さえも春を感じてほころんできていたのです。
これにはさすがの雪国人もびっくりです。
気象的には、今シーズンの暖冬をもたらしたエルニーニョ現象が2月で終息し、いつもどおりの3月の天気に戻った、と言う事なんでしょうが、ギャップありすぎですよね。
今年は異常暖冬だし、陽気もすっかり春だし、さすがにもう除雪するほどの雪は無いだろうと、除雪の道具を先週片付けたばかりでした。
慌てて片付けた道具をもう一度引っ張り出してきて、今シーズンはじめての除雪を行いました。
大変でした。(--;ゞ
でも、何だか冬らしくってちょっぴり懐かしかったなぁ・・・。(^^;)腕や腰が痛いですけど。
しかし、今回の寒波もほどなく終わるみたいですから、シーズン平均としてはやはり異常暖冬なのでしょうが、季節の終わりに印象的に「冬」を味わうと、今年もしっかり冬を経験したように感じられるようで、不思議です。
季節は、少なかった冬日を埋め合わせるように印象的に冬を演出してみせて、ちゃっかりと帳尻を合わせてくれるみたいですね。
とにかく、皆さん風邪などひかないように気を付けて下さい。季節の変わり目に風邪をひく人が以外と多いようです。
雪国の心
山形県遊佐町白井新田□□
2月になったというのに、庄内平野には雪がまったくと言っていいほどありません。
(写真は一昨年の2月のものです。)
こんな冬は、未だかつて無かったのではないでしょうか。少なくとも私の記憶にはありません。
お正月頃は、雪が無くて良いお正月だ、とか、今年の冬は楽で良いとか言う人がほとんどでしたが、さすがにここまで雪がないと戸惑いを感じてしまいます。
先日、あるお年寄りがこう言ってました。
「雪がねぐって、なんだが もっけだよだの~。」(雪が無くて、何だか申し訳ないようだね。)
雪が積もらないと嬉しいけど心配・・・。
それは雪国の人間の正直な気持ちです。
毎年冬は、雪との格闘の日々です。雪に苦しみ来る日も来る日も鉛色をした空を恨めしく仰ぎ見ます。けれども一方では、雪の美しさや、雪国ならではの風習や遊び、雪の中でしか感じることの出来ないぬくもりや優しさを分かち合い喜んでいることもまた事実です。
つまりは雪国に生きる人々は、雪を憎み同時に愛しているのです。
立春を過ぎてしばらく経った頃から、雪解けの微かな足音は密かに聞こえはじめます。
降っては融け、また降っては融けてを繰り返して固くなった雪が少しずつ崩れはじめ、やがてその雪解けの隙間にフキノトウが顔を出します。淡い緑色の小さな生命の塊、それを見つけたときの気持ちは言葉では言い表せないほどワクワクします。
その感動は、共に厳しい季節を乗り越えてきたものに対する共感と慈しみ、そして命の逞しさへの畏敬と憧憬なのです。
例えば、今は天国にいる私の祖母がフキノトウを見つけたら、きっとこう言うに違いありません。
「めんごいバンケ、今年も出はたの~。えらい、えらい、よ~ぐ さんぶなどご我慢して出はてきてくっだの~ぅ、ありがで、ありがで。(合掌)」
(可愛いフキノトウ、今年も生えてきたね~。えらい、えらい、よく寒いのを我慢して生きていてくれたね、なんとありがたいことでしょう。)
雪国の人間は口数が多くありません。滅多に自慢しないし、余計に褒めません。恨み言を声高にしたりせず、ひたすら我慢します。
しかしそれは、厳しい自然が育てた嘘偽りのない頑なまでの美意識なのだと、私は思うのです。
(酒田市出身の詩人、吉野弘さんはそれを「冬をもらう」と表現しました。冬をもらって、春をもらって、そうやって人間の精神は形成されて行くのだと。)
人には自分の思いをむやみに押しつけず、人間の誠を信じ、自然とは飾らない心で真摯に向き合う。それは生きること(=命)への誠実さ、優しさなのだと思うのです。
やがて本格的な春の訪れを迎えると、雪国ではあちらこちらでコブシやマンサクが、梅や桃や連翹が、そして桜が、遅い春を取り返そうとでもするように一斉に開花をはじめ、同時に森の緑は山肌を一気に萌え上がります。
閉じこめられていた生命が爆発するように踊り出す感動の春を体感出来る特権、それは自然が雪国に暮らす人々に与えてくれたご褒美なのです。
でも、今年の雪の無さではどうでしょうか。
きっといつもの年よりも春の喜びが少ないに違いありません。
雪国の人々が雪の無さに戸惑いを覚えるのも、そんなことが少なからずあるのだと思うのです。
「雪国の贈りもの」~雪国を愛する心溢れる童話集~
「雪国の自然と暮らし」 ~ふるさとのくらし日本のまちとむら 7雪国のくらし~
庄内地方は月曜日から冬に逆戻りです。
なごり雪・・・、にしてはちょっと強烈な吹雪ですね。(^^;)なごり吹雪?
先週までは春の陽気でしたから、冬タイヤを交換した人もいたのではないでしょうか。
そのせいか交通事故も多かったようです。
雪国では冬の始まりと終わりの時期、タイヤをいつ交換するか、が大問題なのです。
と、言うことで当ブログも季節をちょっと戻して、冬の写真を1枚。
この写真を見て、懐かしいと思うか、もううんざりと思うかは人それぞれでしょうか・・・。
私はどちらかというと冬は好きなほうなので、ちょっと懐かしいほうかな~。
でも今シーズンはもう雪は結構ですけど・・・。
◎ なごり雪 ◎
春の予感
真っ白な紙と、鉛筆を用意しましょう
その紙に「感謝したいもの」を書き出してみましょう
何のためらいもなく、すらすらと書けたなら
だいじょうぶです
まったく書けないのなら
肩の力を抜いて、深呼吸してみましょう
きっと、書けます
だいじょうぶ
だいじょうぶ
もうすぐ春ですから
雪の色
フィルムの特性で、晴れた青空の日の雪陰は、空の青が映り込んだように青く写ります。
白い雪質を出そうとするなら、特殊なフィルターをレンズの前に付けて補正しますが、私はあまり補正はしません。
せっかく雪と青空が一緒に写っているのに、「雪は白いものだ」という固定観念に縛られるのは、とても窮屈だと思うのです。いろいろな偶然を楽しむ写真があっても良いのではないでしょうか。
雪国以外で暮らす人はそう思うかもしれませんね。
ひと冬、雪国で過ごして見てください。
きっと、わかります。
雪は白だけじゃないってこと・・・。
↓大好きなプロカメラマン若林さんの雪の写真集です。
若林浩樹さん - SNOW FILMS―心象雪景 -
web site niseko photo gallery

雪道を歩く
雪道は、危ないのです。
一歩一歩、歩みを慎重に進めましょう。
転ばないように全ての神経を足先に集中させましょう。
偉そうにふんぞり返って歩いてはいけません。
颯爽と歩いてはいけません。
大切なものを抱くときのように、神様にお祈りするときのように歩きましょう。
でないと、すぐに自然からしっぺがいしがきます。
雪国では、いい気になって雪道を歩いて転んだ人は
「罰(バチ)が当たった」と言われます。
罰(バチ)が当たらないように、謙虚に歩きましょう。
しかし、慎重に歩かなくてはいけませんが、
道に足跡が無くて誰も通っていないからといって、歩みを諦めてはいけません。
その先に行かなくては、時は進まないのです。
勇気を出して一歩を踏み出しましょう。
誰も足跡を付けていない道を歩くのは、
何か自分が道を造っているような気がして気持ちが良いものです。
それに、子供たちやお年寄りが安心して歩けるように、
道を造って上げましょう。
でも、あまり張り切ってもいけません。
無理に進もうとしてはいけません。
雪は全てを包み隠していますので、
見えない溝に はまってしまうかもしれません。
雪庇に上がったりしたら崖下まで落ちてしまうかもしれません。
とても危険なのです。
慎重に、慎重に、雪がなかったときの その道を思い出して、
予測して、確かめて、安全に歩みを進めましょう。
ぐぐっ、ぐぐっと、自分の一歩を確かに感じて、
確実に雪に刻むように歩きましょう。
そして時々、後ろを振り返り、自分が歩いてきた道を確かめましょう。
もしかしたら、獣道に迷い込んでいるかもしれません。
迷った、と思ったら躊躇せずに後戻りしましょう。
間違いは誰にでもあるものです。
もし滑って転んだとしても、立ち上がればいいのです。
恥ずかしがることはありません。
雪国に住んでいる人は多かれ少なかれ滑って転んだことがあります。
雪の深みにはまったことがあります。
だから誰もそれを責めたりはしません。
責められるとすれば、
自然を侮り、自分を過信したときです。
雪国庄内ではそのような人を「ほじなし」と言います。
「本地なし(正気を失った者)」と言う意味です。
雪国では自然に畏敬の無い人は、正気を失った人なのです。
慎重に、安全に、しかし大胆に勇気を持って、
自然を畏れ、感謝する気持ちを持って、
時には後に続く誰かのために、
そして、自分の目的を遂げるために、
「雪道を歩く」
それは、何かしら「人生」に似ています。