Nikon D200 TAMRON 17-50□□
山形県遊佐町大蕨岡□□
お盆(おぼん)は、先祖の霊があの世から帰ってきて家族と一緒に楽しいひとときを過ごし、また帰っていく、という日本古来の信仰に基づく行事で、一般に仏教の行事と認識されていますが、仏教の教義で説明できない部分も多く、日本在来の神道的行事に仏教行事の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)が習合して現在の形が出来たと考えられているそうです。
お盆の明確な起源は分かっていないそうですが、古には1年に2度、初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れて交流する行事があり、初春のものが祖霊の年神として神格を強調されて正月となり、初秋のものが盂蘭盆会と習合して、仏教の行事として行なわれるようになったといわれているのだそうです。
とても喜ばしいことが起きたときや、とても忙しいときに「盆と正月が一緒に来たようだ」とよく言われますが、元々は同じ行事だったのですね。
ともあれ現代においても年2回、お正月やお盆は都市部に出て行った人々が故郷に帰ります。毎年恒例の帰省ラッシュ。大変なご苦労ですが、自分が生まれ育った場所に帰り、父や母、祖父や祖母、そして自分へと繋がる祖先の霊を供養し感謝する、と言うことはとても大切なことだと思うのです。自分をこの世に生み出してくれた両親そして先祖、その誰かが一人欠けても、今の自分は存在しないのです。
つまり、先祖を供養するということは、命に対して感謝するということだと思うのです。
感謝するとは、心が豊かになること、そして心が豊かになることは、つまりは「幸せになる」ことです。
今年もまたお盆の季節がやってきました。
庄内平野には田んぼが青々と広がり、稲が花をつけています。お盆を堺にしたようにその稲穂には実が入り、やがて秋には豊かな実りとなって私たちの糧になるのです。
そんなことを考えるとお米はまるで、お盆にやって来た祖先の精霊たちが、私たちの糧になるようにと稲穂ひとつひとつにおいていった おみやげのように思えるのです。
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