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【238】架空の人物・探偵モト

 探偵モトは物心ついた頃【241】から区役所【106】に存在を否定され、これまでずっと架空の人物として扱われてきた。もちろん月【230】にも見放されている。その理由を探る目的もあって探偵【242】になってみると、すぐに腕がいいと評判になり、依頼者が殺到するようになった。なにしろ探偵モトは勝手に解剖に立ち会い、捜査に同行し、捜査書類を閲覧しても警察にとがめられないのだ。現場に居合わせて口を封じられそうになっても、尾行【307】に気づかれて殴られそうになっても、不法侵入をして訴えられそうになっても、相手を区役所に連れていき、一人でカッカしていることに気づかせればよかった。仮に依頼者が調査結果を気に入らなければ、「なにしろ架空の話ですから」と言えばその場を収められるのだ。


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