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【118】モノクロ映画の撮影・コマとコマとの狭間に欠落していく時間

 減色の景観に窮屈さを覚えている色には、撮影がいい気晴らしになる。一顔レフカメラ【127】のレンズは透明なので、波長【145】を合わせることなく見つめていられるのだ(同じ理由で生物の瞳孔にも視線が集まりやすい)。
 未だにモノクロ撮影が衰退しないのは、人気のない感光地を用立てやすいためだが、演じる方は簡単にはいかない。偏差値の低いフィルム【127】を割り当てられるモノクロ撮影では、少ないコマ数に合わせて体を小刻みに動かさなければ、コマとコマの隙間に時間を落としてしまうのだ。そうなると時警団の遡行調査【236】で人生の辻褄が合わなくなり、服役【225】することにもなりかねない。


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【111】マデリーンたちははなからそんなことを問題にしているのではなかった

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【117】香水や体臭を脱いで

 増殖すればするほど体臭が希薄になるという副作用に気づいたマデリーンたち【111】は、自ら立ち上げた香水ショップで、本来持ち合わせていた強い体臭とそれを誤魔化すための芳香を調合させている。この液体を満たした香水確率百%のタンク【一二六】に全身を浸せば、匂いの皮膜が肌を覆ってくれるのだ。皮膜は簡単に脱ぎ捨てることができるので、犬【124】に追われたときにも最適である。

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【111】マデリーンたちははなからそんなことを問題にしているのではなかった

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