ジーコ寅の「鹿島アントラーズよ永遠に」

昨年四月まであった、ジーコ寅の「名曲探偵アントラーズ倶楽部」に続いて開設したブログです。音楽部門は今回はやめました。

シューマン  「チェロ協奏曲 イ短調 作品129」

2012-06-16 21:43:09 | 日記

 アントラーズとグランパスというしっかりしたサッカーをする両チーム。どちらが勝ってもおかしくないような内容だったが、一年に一度という

でき過ぎの永井一人にやられてしまった。永井の印象は、やたらスタミナがあって、高速で小さな豆タンクみたいに動き回る選手というものだ

ったが、今日は悪いことに最高のパフォーマンスを見せてくれた。特に一点目の藤本と細かいパスをつないで、斜めに切れ込んでワンタッチ

で打ったシュートは敵ながら見事だった。曽ヶ端も銅像のように動けなかった。

 

 全体としてみれば互角か、6-4くらいでアントラーズの方が内容的には良かったように見えた。最初の20分くらいまではグランパスが押し

気味だったが、次第にアントラーズのペースになり、そんな中、柴崎が出だしよく相手のパスをカットして、ドリブルしながら的確に状況判断。

右に出すかと思いきや、絶妙のタイミングでチョンと左へ。パスコースも良く、興梠が綺麗に流し込んだ。相手の位置を確かめながらのドリブ

ルとパスに柴崎のサッカーセンスが光る見事な一連のプレーだった。

 

 敗因をあげるとすると、一つは後半の入り方にあったかもしれない。一点取って、気持ちに余裕が出て、安定した試合運びになったもの

の、余裕があり過ぎて前に出て行く気持ちが少ない時間帯があった。ここでワンチャンスで一点入ると危ないなと思っていたら、永井の見

事なゴール。流れはグランパスに行ってしまった。二点目も永井の素晴らしい縦パスを金崎がピタッと止めてシュート。新井場は今日は全

体的に良かったが、一瞬立ち止まって見てしまった感じ。それくらいわずかな隙を見事に突いたパスとシュートだった。後半開始の余裕は

もうない。

 

  しかし、そこから後半に入ってジュニーニョと交替した大迫と、小笠原と交替した本山が素晴らしいゴールを見せてくれた。大迫が落とし

たボールを本山がうまく横に動いてスペースを作って、左足でコースを狙って力を抜いたシュート。地をはうような綺麗なゴールでこれには

見に来た観客もうなっただろう。それくらいの高度なテクニックを持った見事なシュートで、改めて途中で入って短い時間にはっきりと結果を

出す本山の才能に感動。この一点を見ただけでもこの試合を見た価値はあった。

 2-2に同点になってからの采配がどうたったか・・・・・・・ドゥトラに代えて青木を入れたが、ドゥトラはいつものように良く動いてドリブルで

持ち込んでいたし、もう一点取るにはそのまま置いておきたかった。代えるにしてももっと攻撃的なタイプの選手の方が良かったと思う。

本田拓あたりが万全で使えればいいのだろうが、まだ試合には無理なのか。うまく崩して興梠がシュートしたが、決まらず・・・・・

 

 結局、三点目もケネディーの高さを生かしたポストプレーから出たパスをまたまた永井が最高のコースにシュート。もしかしたらクロスだっ

たのかもしれないが、今日の永井にはサッカーの神様が付いていたようだ。U-23に出られなかったので普段からたくさん練習していたの

が実ったのだろう。どこかアンパンマンのような永井は試合後のインタビューにも好青年ぶりをアピールしていた。ジョルジーニョは試合後

に青木をバイタルエリアに置くことで守備を安定させたかったと言っていたが、結果的には青木を使わなかった方が良かったのかもしれな

い。個人的にドゥトラは大好きで見ていて楽しい選手なので、最後まで見たかった。

 

 アントラーズは最近のアントラーズらしい安定感があって、決して悪い出来ではなかったし、十分に勝つチャンスはあった。前半の岩政の

クロスバーを叩いたシュートなども惜しかったが、何せ永井にサッカーの神様がくっついて離れなかった試合だった。上位チームも勝ったの

で、正直言ってここで勝ち点3を取れなかったのは残念だ。むしろ試合内容より勝ち点3が欲しい試合だっだが、本山のあのシュートを見た

だけでもういいとも言える試合でもあった。やはりグランパスは底力のあるチームだと思う。

 

 



 

  シューマンはチェロ協奏曲を一曲だけ残したが、ハイドンやドヴォルザークのものと並ぶチェロ協奏曲の最高傑作に一つである。彼の死

後に初演されたものの、非常な難曲で当時は不評だったと言われる。今世紀に入ってカザルスの演奏などよって真価が認められた作品

だが、外面的・表面的な技巧を排し、陶酔的なロマンティシズムを湛えた情熱と、味わい深さを持った作品である。

 

第一楽章は、独奏のチェロが冒頭に聞かせる情熱的な第一主題に始まり、旋律は次々に発展し、ため息のような第二主題へ。長い展開

部と再現部を経て、そのままチェロが陶酔的に歌い続ける第二楽章へ。第三楽章ははつらつとした明るいフィナーレで、リズミカルな動き

の中に難技巧も配しながら、全曲を華やかにしめくくる。

 

ここでのジャクリーヌ・デュ・プレの演奏は、まさにチェロを弾くために生まれてきたと呼ばれた彼女らしい、全身全霊を音楽に没入させてい

く演奏。のちに結婚することになったバレンボイムとの共演だ。闘病生活を経て42歳の若さで亡くなった彼女の類い稀な才能を惜しむ声

は、本国のイギリスのみならず世界でも未だに絶えない。

you tubeで初めて聞いたが、第二楽章と第三楽章を演奏している、Benedict Kleacknerの演奏も実に自由で素晴らしい。ロストロポー

ヴィッチやマイスキーの名演も有名だが、敢えてこっちを選んだ。

 

今日の試合結果は残念でしたが、常に一定水準の試合はできています。最後まであきらめることなく応援していきましょう。

まだまだこれからです! 

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