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映画『大怪獣、東京に現わる』

2012年09月21日 | 映画の感想



監督 宮坂武志
桃井かおり (田所君枝)
高松英郎 (大沢彦二郎)
本田博太郎 (田所継男)
角替和枝 (森永伸子)
上野潤 (小暮隆)
沢木麻美 (大沢桂子)
奥野敦士 (ジュン)
西山由海 (矢野悦子)
倉前志保 (森永千恵子)
田口トモロヲ (堀道夫)
吉行由実 (桜沢亮子)
柏谷享助 (内海瞬也)
田京恵 (川岡朋美)
竹内力 (百太郎)

怪獣が登場しないという、ユニークな発想の怪獣映画。「大怪獣東京に現わる」というタイトルにもかかわらず、舞台となるのは福井県坂井群の三国町。北陸地方にあるのどかな町を舞台に、突如起こった怪獣出現事件にあわてふためく人々や、全く関係なくごく普通の日常生活を続ける住人たちの人間模様を描く。脚本に『中国の鳥人』のNAKA雅MURAが参加。桃井かおり、本田博太郎、竹内力、高松英郎共演。ある日突然、正体不明の怪獣が東京湾から上陸した。謎の大怪獣は東京を荒らしまくり、都市部は壊滅状態に。そして勢いの衰えない怪獣は、府中、八王子、山梨へと突入してゆく。政府は米軍への協力を要請し、主要機関は大阪に移転。さらに関東では超大型地震が発生する。そんな中、福井県坂井群三国町では皆、ごく当たり前の日常を送っていた・・・。

★★★☆☆
怪獣を見せずに、人物だけ描くっていう発想が面白いのでいつか観たいと思っていた。で、観てみたんだけど、確かにアイディアは秀逸だ。「東京に現る」なのに、北陸の三国町が舞台っていう設定からしてスカシ技が効いている。主婦役の桃井かおりたちのオトボケっぷりが楽しいし、怪獣騒ぎをほったらかして夫婦喧嘩している様子が可笑しい。怪獣が出てきたら現れるだろうなあって思う似非宗教の女なんかもチープで面白い。これはいいぞって観ていると・・・う~む、この失速感は何なんだろう?
まず怪獣の進路を示す矢印のおふざけが興醒めだった。背びれのあるゴジラをほのめかしたりの、第二弾はカメ型怪獣だったりのって、笑えるんだけどあまりにもチープな笑いだなぁ。そこは人物の右往左往にリアリティーを出すためにもパロディーにしてほしくなかったところ。
主婦の家族やらロッカーやら物書き親爺やらインチキ宗教家やら東大受験生やら変態教師やら・・・群像劇なのはわかるけれど整理がついてないというか、絡むなら絡むでカッチリした展開がほしかった。なんといっても絡む急展開に集中したい場面の編集のし方に首をひねった。
最後の原発周辺に避難してミサイルが落ちるって展開は、原発事故後の今はブラックでは済まされないだろう。
桃井かおりの家族中心にして人物を整理し、怪獣出現と日常生活の相剋やら歪みやらをリアルに描いていていくだけで、大傑作になったはずのユニークな発想なのになぁ。惜しい。


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