Tomotubby’s Travel Blog

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12/12日 「マティス展」最終日に再訪

2004-12-13 | Henri Matisse 特集
12月12日、「マティス展」の開催最終日に再度上野西洋美術館に行って観てきました。前日は入館するのに30分待ちだったと聞いていたので、閉館2時間前の16時半に間に合うように入館しました。予想に反して待ち時間は無いに等しく、即入場できました。でも会場に入ると凄い混雑、「豪奢」の前は黒山の人だかりで絵画鑑賞どころではない騒ぎです。ならば、出口に近いマティス晩年の「切り紙絵」の作品の展示室の方へ移動。入口に比べると幾分空いていました。

閉館1時間くらい前に再び入口に戻ると、先ほどの騒ぎが嘘のように人が減っていました。このくらい空いていれば、絵をひとつひとつ時間をかけて鑑賞できます。無論、先ほどの一群は前方にシフトしただけで、「装飾的人体」や「ルーマニアのブラウス」などの前は未だ混みあっていましたが。


「装飾的人体」

残りの1時間は短い時間でしたが、落ち着いて、作品を通してマティスと対峙できた濃密な時間でした。9月に訪れたときとは違って、既に馴染みとなった作品を辿っていくと、マティスの手の跡など、いろいろ新しい発見もありました。そして、いよいよ閉館時間18時半が近づいてきました。いつもなら、閉館時間の前になると、係員がお役所仕事よろしく、けしかけて、館内に残る客を非情にも出口に向かって追い詰めていくのですが、今回は少し様子が違いました。これは特筆すべきことです。

3ヶ月間に及ぶ展覧会が終了して、パリ・ポンピドゥーセンターなど所蔵者のもとに帰ってしまう展示作品、23年ぶりに日本に集結した一大コレクションを前に、退館時間を過ぎても、名残惜しくて、立ち去り難い人たちが残っていました。そして、いつもならこの時間になると入口の方への逆行は許されず、係員が行く手を立ちふさがるのですが、今日はそれがないのです。人々は思い思いにお気に入りの絵を観に逆行していきました。

特に「ルーマニアのブラウス」や「夢」などマティス晩年のピークの時期に描かれ、その制作のプロセスが示された1945年のマーグ画廊の展示を再現した一角には、かわるがわる沢山の人が訪れて、別れを惜しんでいました。時間が惜しいように無言で絵を見つめている人々の顔を見ていると、別れを悲しんでいるどころか、みんな、なんとも幸せそうな顔をしています。このへんがマティス芸術の素晴らしいところなのでしょう。Tomotubby は、マティスの愛らしい作品を前に、この瞬間、彼らと時間を共有しているような気分になりました。見ず知らずどうしなのに、人一倍マティスを愛する人たちに親近感が持てたのです。


「ポリネシア・空」

結局、美術館の粋な計らいで、15分くらいの猶予が与えられました。出口前の切り紙絵の展示室で「ポリネシア・空」/「ポリネシア・海」の大作を前にしてベンチに座っていた人たちも腰を上げ、みんな満足げに帰っていきました。

Tomotubby は記念に大好きな「ルーマニアのブラウス」の額絵を買って帰りました。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
最後も◎ (Tak)
2004-12-14 21:48:05
こんばんは。

TBありがとうございます。



最後までとても内容その他

大変質の高い展覧会だったようですね。

お役所仕事らしからぬ?

その心意気。天晴れです。

そうでなくちゃいけませんよね。

心に余裕がないと絵も

ゆっくりと鑑賞できません。



額絵はどこに飾るのでしょうか。

楽しみですね。
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