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美しき青き「汝窯」 (台北)

2007-01-22 | Asia 「圓」な旅
台北に行きたい。
行って、あの「青」を存分に見つめていたい。




北宋汝窯青磁橢圓洗

既に「芸術新潮」で特集されたりしていますが、台北の故宮博物院が昨年のクリスマスに新装オープンして、久しく見れなかった常設展示の名品の数々が一同に並ぶうえに、オープン記念の「大観展」が3月25日まで行われています。「大観展」は中国芸術の絶頂期ともいえる北宋期の書画、磁器、図書が展示されているのですが、今回の目玉はなんといっても「汝窯」の青磁です。きっと故宮博物院の一階では「汝窯」展示の前に人だかりができていることでしょう。

かつて河南省にあった北宋の官窯「汝窯」で焼かれ、永らく皇帝のみが愛でることが許された奇跡のような青い磁器は、今でも詳しい製造条件が判っておらず再現は不可能と言われています。芸術家皇帝・徽宗の治世の20年の間、宮廷御用達だった「汝窯」の伝世品は、手元にある「The Discovery of Ru Kiln」の巻末リストを見ると、世界に僅か69点しかないとのことで、まさしく至宝中の至宝です。そのうち最多の所蔵を誇るのが、台湾に持ち出された故宮博物院の持つコレクションで、今回その全てが展示されているのです。その数21点(リストを見ると23点所蔵していることになっていますが、展示に漏れた2点には、おそらくいくばくかでも「汝窯」と断定できないところがあるのでしょう)。これらが全品並んだことは未だかつてなく、今後もない。と言われています。さらに凄いのは、6点の「汝窯」を所蔵するロンドン大学パーシバル・ディヴィッド中国美術財団からも3点が特別出品されていることです。まさに空前絶後の「大汝窯展」が開催されているのです。

見つめていると吸い込まれそうになる。いつまで見ていても飽きがこない。実際、「汝窯」の「青」がどのくらい美しいかということは、筆舌に尽くしがたいものがあります。最近は現物に近い色で撮られた写真もありますが、それでもどこか違うように思えます。「雨過天青」(雨上りの空の色)と表現されたりしますが、「汝窯」の「青」はそれぞれ微妙に異なります。「The Discovery of Ru Kiln」でも、Sky blue、Powder blue、Egg blue と三種類の表現で分類されています。中でも Sky blue と表現された、数えるほどしかない青磁が最も美しいように思えます。世界一です。


北宋汝窯青磁無文水仙盆 これぞ「汝窯」の中の最高傑作。表面に嵌入がいっさいない


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