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Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
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「スティール・ボール・ラン」とフリーメーソン

2007-03-07 | 漫画... 「デスノート」と「ジョジョ」など
「スティール・ボール・ラン」は、アメリカ大陸横断乗馬レースの順位を競う話と思いきや、コミックス5巻以来、レースの裏で「キリストの遺体」の争奪戦が繰り広げられています。「大統領の陰謀」という意味ありげな副題がついた5巻からは、黒幕として(ふざけた名前の)アメリカ大統領ファニー・ヴァレンタインが登場し、ジョニィとジャイロの敵役となります。

「キリストの遺体」の争奪という着想は、「テンプル騎士団」の伝説に拠るものでしょう。テンプル騎士団はエルサレムのソロモン神殿跡で「聖杯」を見つけ、ヨーロッパへ持ち帰ったといわれます。彼らの子孫は迫害に会いスコットランドに逃れますが、そこから大西洋を西に向かって航海しアメリカ大陸に渡ったという記録もあります。その際に騎士団の財産「聖杯」が持ち出されたと言われ、この「聖杯」の正体はよく判らないのですが「キリストの遺体」だったという説があります。

テンプル騎士団は、フリーメーソンの起源とも言われています。スコットランドに逃れた残党が迫害を逃れるためにフリーメーソンを組織したというのです。フリーメーソンはイギリス起源ですが、アメリカに最も多くの会員がおり、歴代大統領のうち18人が会員だったそうです。こうして、テンプル騎士団の財産である「聖杯」、つまり「キリストの遺体」に執着するヴァレンタイン大統領はメーソン会員ではないか。という大胆な予想に行き着くのです。

ヴァレンタイン大統領は登場時、

「あの「死体」を手に入れる事が「正義」だ! そのためにはどんな手段でもとる! 歴史上いかなる権力よりも どんな財宝よりも 人類が望んでいた「死体」だッ! 何ものにも優先するッ! それは最終的に我々が必ず手に入れるッ!」
と話しており、大統領の刺客であるフェルディナンド博士も、

「この遺体は もし全てのパーツがそろったら この世のあらゆる人間に「尊敬される遺体」となる。「尊敬」は「繁栄」だ! この「遺体」を全て手に入れた者は 真の「力」と「永遠の王国」を手にする事が出来るッ!」
という言葉を残しています。

このような救世主キリストの遺体を求める行為には、超自然的な預言や奇跡を信じるカトリック的な傾向がありますが、その目的は、死すべき人間が徳性・尊敬を得ることで神と近づき、神と等しいものになる「人間の完成」の実現と、それを基にした普遍的な人類共同体という「社会の完成」の実現にあるのでしょう。これらは、フリーメーソンの目指すところとよく似ています(フリーメーソンには、絶対的な神への愛によって神からの啓示を待つというカトリック的な信仰を否定する「理神論」的、合理的な傾向が強いのですが、一方ではローマ時代に遡る西ヨーロッパの神秘主義の流れを汲んでいて、アンビバレントな一面があります)。

一方、ジャイロ・ツェペリは、カトリック勢力のネアポリス王国(ナポリ王国)の法務官です。作中ネアポリス王国は、バチカンの意向に沿って動く国家として描かれています。

つまり「スティール・ボール・ラン」においては、
旧大陸⇔新大陸
カトリック⇔プロテスタント
バチカン⇔フリーメーソン
という対立軸が浮かび上がるのです。

それから、ジョニィとジャイロの馬のゼッケン番号が、それぞれ「939」「636」というのも、どこかフリーメーソンの象徴のナンバー「666」を連想させます。

つづく


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