大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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H17年度の模擬家屋解体

2007年11月27日 | 大工の学校生活
 さてさて、今週は一昨年に建てた模擬家屋の解体をしています。



この模擬家屋は僕が佐伯に来て初めて建てた模擬家屋でこのブログにもコメントをくれたり、見てくれてたりしたみなさんたちと一緒に建てました。


佐伯に来て初めてということでもあるけど、実は指導員になってから最初に実技をメインで担当した家でもあるわけで、僕にとっても随分思い入れがある建物でもあります。




初めてというキーワードで思い出したのが 今から15年ほど昔、社会人になって初めてお客さんの家の管理を受け持ったとき、素人同然の僕は右も左もわからず、何一つうまくいかず今を思い出しても反省することばかりの現場でした。


大工さんや上司にも怒られっぱなしで、なんとかお引渡しを終えて、会社が行ったアンケートを恐る恐る見てみると、そこにはお客さんの感謝と喜びの言葉が書き綴られていました。あのときのうれしさと言ったら忘れられませんし、今でも申し訳ない気持ちと感謝で一杯ですね。



その当時は住宅バブルで働けば働くほど、仕事が増え その後もどんどん身動きができなくなっていく状態で、その日の仕事の表面を適当にこなすだけのことしかしてなかったと思います。



 当然100%満足できた現場は無かったし、今でも昔受け持った現場の近くに行くとハラハラしたりします。(もちろん壊れたりはしてませんが・・・)
 実際、現場に行くと全然工事が進んでなかったり、メチャクチャだったりといった、怖~い夢を今現在でも見たりします。(ええ小心者ですよ、僕は・・・)


あの時は電話が鳴るだけで、「また、現場でトラブルか?設計変更か?」なんて心配ばかりだったけど、今を思えばそのような心配が無い反面、家を引き渡すときの達成感や施主様とその家族の喜ぶ顔も見れなくなったんだな~~って思ったりもしました。






自分が受け持った物件は今でも自分の分身のようなもので、時間が経ち 古くなると気になってしまうものです。(空き家になってたり、売りに出ていたりしたら泣きそうになりますね。)
 そういった意味でも、2年前に建てた模擬家屋は、時間と予算の関係でルーフィングにブルーシートの屋根と、防水シートにコンパネの外壁なので、どんどん見るほうもつらくなってしまう訳です。


 大工の学校の先生となり、住むためでは無く、建てるだけの使命しかない住宅を建て、そして壊す・・・そう考えると模擬家屋が少し可哀想で申し訳なく思うんですよね。。


 でも壊した模擬家屋にもきっと役割があったんだと思います、模擬家屋で学んだ経験などを生かして、教え子が僕の代わりにきっと良い家を建ててくれているはずだし、建築に進まなかった人も、チームワークの大切さや、物を作る喜びなどをを感じ取ってくれたと思う訳で、楽しかった一年の集大成を形にしてくれたんだから
立派に役割を努めてくれたのだと思いました。
 壊した模擬家屋のためにも、皆さん頑張ってくださいね。




ちなみに和室に置いた縁台はみんなの休憩場におきました。




最後に建てたみんなへ   







野地板の釘 長すぎ!(誰だよ50mm打ったの)  








そして 打ちすぎ!(なんでそこまで打つ必要が・・・・)






おしまい









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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あっちゃん)
2007-11-28 00:25:15
そうですね~

自分もバブル崩壊の余波が来かけた頃に大工になり

都会では、崩壊したと言っていても、地方ではまだバブル感覚な頃でした。

一番最初に入れた既製品の回り縁・・・短く切ってしまい、それでも監督からはOKサインが・・・・

未だに悔いています。

そお言った事がバブルだったのかもしれませんね。

でも、それがあったからこそ、今の自分がいるのかも

でも、昔は50の釘打っていましたよ~

今でこそ38ですけどね・・・・・
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誰? (大工の花道)
2007-11-28 09:43:53
模擬家屋の解体、始まりましたか、残念、野地板の釘は、高所の苦手な私では有りません、多分、ナベちゃん夫婦の話し合いと共犯は、ヨウコべーだと思います。以上
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w(゜o゜)w (ゆかりこ)
2007-11-28 12:33:31
わたくしでもありませ~ん。 高いとこ登ってたのは吉四六じゃー(^-^) いろんなホゾに落書きやらサインやらしてたから 建てた人達が壊したら 楽しめたんだろうなぁ。夫は今月に入り 三軒目の棟上げが明日あるので 今日は建方です。 きっと今頃 カケヤを振り回してる事でしょう。 色んな現場を体験できて 社長の営業のすごさに尊敬します。 あっそうそう ウチの小さな怪獣は チョチ♪チョチが出来るようになりました。超 かわいーデス(^^)v
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あっちゃんへ (TOM-P)
2007-11-29 09:01:10
 おつかれさまです。みんなそうなんですよね~

でも、きっと100点て自分で思うこと自体が勘違いか自分をごまかしているのかも知れませんね。

そうなんですね、解体することを考えると50mmの釘ですべて2本打ちはサービス良すぎかと・・・

でも、実際の現場で少なく打たれるよりはましかな~
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花道さんへ (TOM-P)
2007-11-29 09:03:50
 こんにちは、昨日は来てくれてありがとうございました。

野路板だけではなく、恐ろしい数の釘を打っていたり、ビスと釘を交互に打ったりしていて、バールとインパクトを使い分けないといけないので大変でした・・
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ゆかりこさんへ (TOM-P)
2007-11-29 09:10:38
 こんにちは、仁怪獣くんも元気そうでなによりです。

そうですね、仕事があるのが一番です。
職人さんが頑張っているので、仕事が多いんですよね。もちろん社長さんの営業力の賜物だとおもいますが。


ところで、解体作業はドラえもんの絵が出てきたり、おかしな落書きが出てきました。


部屋の掃除をして、途中でアルバムが見つかったよううな感じで、つい手が止まるような感覚で、後輩にいろいろ説明しながら壊しました。
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Unknown (しんちゃんの嫁)
2007-11-29 10:03:25
なんだか 心に響くお話でした。

それから・・TOM-Pさんのブログにコメントをこうやって残されている方達は、卒業生の方なんですね。素敵なことですね。

おばちゃんも頑張るぞぉぉぉぉ!
(今日文房具屋さんで模型作りの材料を調達してきます。いつ完成できるかわからないけど、必ず完成させてTOM-P先生に見てもらいます!)(笑)
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Unknown (かおりん)
2007-11-29 11:37:09
先生、先日はおじゃましました。
てか、帰ったらもう資料が届いててビックリしました!
さっそく色々と計画を練っております。
(姉ちゃん東京じゃなくて神奈川でした・・・

野地板はヨウコ姉と臼杵のお母さんが、超ニコニコ笑顔で打ってたのをハッキリ覚えてます。
ほら、○○は高いところが好きって言うから~
ドラえもんを描いた犯人は私です

ゆかりこ姉さんとこの王子様に会えるの楽しみにしてます。
抱っこさせてね~

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しんちゃんの嫁さんへ (TOM-P)
2007-11-29 15:58:42
 木を使っている者にすれば、材料を無駄にするわけですから、本当に心苦しいものがありますね。

今は引き渡した家の代わりに、修了生のみんなが分身みたいなものです。(やっぱり気になります)


模型も楽しみにしてまってま~す

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かおりんへ (TOM-P)
2007-11-29 16:10:58
 この前は、おみやげありがとうね。
おいしかったよ。

ほほ~ん、だんだん犯人が絞れてきたぞ。
ニッカ履いた、おばちゃん(失礼)二人ね~
「なんか、遊びながら家建てよったな」とは後輩の弁
です。

神奈川だと・・・
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/06/1467/arc_design.html

これかな?

ではまた遊びに来てね。


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