大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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大分削ろう会

2006年06月04日 | 大工の学校生活
 さてさて、本日は大分削ろう会が開催され、プロの大工さんが九州圏内から50名ほど集まり、盛大に開催されました。(先日のテレビ出演の賜物です)

 われらが佐伯校も、先日行われました番匠削ろう会を経て選ばれた3名の代表が出場しました。

 始まって最初はさながら道具の見本市の状態で、「何処どこのカンナや」
とか、「ん十万の砥石」とか「こんな道具作ってもらったんや」
とか道具自慢大会で、少し目の保養というか、肥やしになりました。

 なかには、柱が一発で削れる「四寸カンナ」を持ってきている人がおりまして、僕も恐る恐るかけさせてもらい、一回目はなかなかかからず、少しあせりましたが、2回目から何とかうまく書けることが出来ほっとしました。

 ところで大会の方は、年々レベルアップしてまして、今年は3ミクロンというとんでもない記録がでて、場内騒然となりました。削り華の表面の美しさは他を圧倒し、上には上がいることを訓練生が思い知り、それはいい経験になったようです。

 佐伯校代表は、一名が18ミクロンを何とか出してくれて「削りの達人」の称号を得ることができ、佐伯大会で優勝ながらも怪我のため辞退せざるを得なかった、Aさんに怒られんですむなぁ~とほっと胸をなでおろし、打ち上げの打ち合わせをしながら、帰って行きました。

 近年、新築現場では集成材の上に薄く削った板を貼った、化粧柱が多く出回っており、今日出場した大工さんたちが存分に腕を振るうことの出来る現場が少なくなっております。
 本来は、自分の現場で腕を見せることが肝心の人たちが、自分の鍛錬のためとはいえ、遠路はるばる削ろう会に参加しなければいけない現状には、いささか不安を覚えます、本物を見極める目を養うことと、100年経っても価値が下がらない住宅がこれからは必要だと思います。

 大工さんが花形の仕事になる日を目指して、皆さんもがんばりましょうね。
                 おしまい
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見てみたいーーー。 (アル)
2006-06-04 17:35:10
法隆寺の宮大工、西岡常一氏の本で昔の職人は槍鉋で削りハエも木の表面にとまれないぐらいの仕上がりだったとの話を思い出しました。

私はアゴが商売の建築士、職人はやっぱすごいっすねー。
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コメントありがとうございます (TOM-P)
2006-06-04 18:19:38
 アルさんコメントありがとうございます。



いやー専門の方からこうしてコメントをいただくのは、ブログ開設以来初めてのことで、とてもうれしいです。

 これからも「大工の学校」をお願いします。



 おととし、削ろう会に槍鉋をもってきていた方がおりまして、使わせてもらいました。

 手の微妙な感覚で仕上がりがぜんぜん違い、大変だったのを思い起こします。



 アルさんのブログ見させていただきました。

われわれの仕事も、原油高が直撃しさらには鉄も高踏し、訓練生の道具も満足にそろえません

 僕も、建築会社に勤めてましたので、アルさんの気持ちがよくわかります。

 

 設計会社や工務店、大工が一丸となり、欧米のように地域に根ざした建築会社が増え、ハウスメーカーに負けない住宅環境を作りたいものですね。

   
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こちらこそよろしくお願いします。 (アル)
2006-06-04 20:41:45
こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。

良いもの良い技術は絶対後世に残っていきますんで、頑張ってください。
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