大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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読書感想文2 博士の愛した数式

2006年03月28日 | 読書感想文
さてさて、皆さん今日は数学の勉強です。
284の約数の和は220 220の約数の和は284
この2つのような関係の数を「友愛数」と呼ぶそうです。

 見つけたのはかの有名な「ピタゴラス」地縄張りの時、おしえた「ピタゴラスの定理」の人ですね。(まだの人はお楽しみに)
「博士の愛した数式」 新潮文庫  小川洋子著  
を読んで思った事は


これは「物語のような数学」、を書いた「数学のような物語」と思いました。
28の約数をすべて足すと28これを「完全数」というそうですが
まさに「完全な文学」登場人物、時代背景、阪神タイガース、そして江夏豊とその背番号、そのバラバラの要素が、パズルのように四角い本の中に文字として綺麗に収まっているような感じなのです。まったく隙がありません。


 大まかなストーリーは、記憶する事が80分しかできないという障害を持った(前行性健忘というらしいです)老数学者が家政婦とその子供「ルート」の織り成す物語です。
 うまいこと説明できませんが、この作品を読んだ人が
「なんだか、ストーブの横に居るような気持ちになる」と評してました。まさにそうなんです。


まず、少しだけ自分が賢くなった気がします、虚しい数「虚数」(2乗して-1になる数=i)以来嫌いになっていた数学が、文中の「友愛数」「完全数」などを説明する、博士に魅せられ、数学が少し(いやかなり)好きになってしまいました。(おそらく,読んだ人は自分の誕生日が素数かどうか確認したはず。)

 そして、自分が少し優しい気持ちになります。記憶が80分しか持たない老人と,シングルマザーの家政婦とその子供、それぞれ弱いもの同士が支えあい、思いやり、助け合う姿が目に浮かび、読み終えたくない、でも先を読みたい、こんなジレンマに陥ります。
 最近映画されたそうですが、多分表現力は小説が一番なのでしょう。マンガ版から入った自分が悔やんでなりません。(ToT)/~~~
 
 
 


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2 コメント

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文字も芸術 (8943)
2006-03-28 14:33:50
良書に触れることは新しい世界が広がりますね。算数(数学)が好きになる本があったらもっと早くに読んであげたかったです。

ダヴィンチコートも読んでみてください
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 おすすめです (TOM-P)
2006-03-31 21:21:09
 8943、コメントありがとうございます。

去年から今年にかけて、良書に巡り合う機会が増えたのです。

 「ダヴィンチコート」今度読んでみます。

お勧め本を紹介しあう場になるといいですね~



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