轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

メスセデスベンツ Bクラス

2006-04-01 10:28:13 | MercedesBenz & smart
助手 「所長、ベンツのBクラスって、何なんですか。」

所長 「何って、ベンツの新型車じゃろ。」

助手 「いや、そうじゃなくって名前ですよ、名前。Bクラスって名前、どうなんでしょうか。」

所長 「確かにBクラスって言うのは、あんまりいいイメージじゃないな。じゃが下のAクラスと上のCクラスの中間じゃからBクラスなんじゃろう。」

助手 「それはわかるんですが、他のアルファベットでも良かったんじゃないですか。別にAから順番に付けてる訳でもないですし。」

所長 「じゃがAとCの間のサイズでBと言うのは、非常にわかり易いじゃろ。Bクラスの悪いイメージとわかり易さを天秤にかけて、わかり易さを取ったんじゃないか。それにBクラスっていう名前のイメージを変えてしまうぐらいの自信のあらわれかもしれんし。」

助手 「そう言われれば、そうなのかもしれませんが、何かすっきりしませんね。僕だったらIクラスとか、Jクラスとかにして、サイズの大小じゃなくって違うコンセプトのクルマっていうのを前面に出して売りますけどね。」

所長 「まあ、それもひとつの手じゃな。じゃがベンツはお前の考えと違った、と言うだけのことじゃ。今更がたがた言ってもしょうがないわ。」

助手 「それもそうですね。ところでクルマ自体はどうですか。少し大きくなったAクラスっていう感じしかしませんけど。」

所長 「うーん、当初聞いとったコンセプトでは、もう少しAクラスとの差別化を図ってくると、思っておったんじゃが、実際に出たクルマはやっぱり少し大きいAクラスとしか言い様がないな。」

助手 「コンセプトって前に出てたビジョンBとか、CSTとか言う奴ですか。」

所長 「そうじゃ、同時に発表されたRクラスとBクラスはスポーツ・ツーリングと言うコンセプトのクルマじゃったじゃろ。」

助手 「具体的には、どういうモノなんですか。」

所長 「何でもSUV、ミニバン、サルーンなんかのクロスオーバーと言う触れ込みじゃった。つまりサルーンの快適性や走行性能、SUVの走破性、ミニバンの居住性なんかを併せ持つ欲張りなクルマじゃ。」

助手 「どっかの日本車みたいですね。」

所長 「ベンツとしては新しい試みじゃし、現在のニーズを考えると開拓せんといかん分野なんじゃろ。まあそれはいいとして、スポーツツアラーを名乗ったBクラスなんじゃが、Aクラスをベースにストレッチしとるだけじゃから差別化を図れとらんのじゃ。そもそもAクラス自体がRクラスやBクラスに近いキャラクターじゃからな。」

助手 「そしたらBクラスって微妙な感じですね。」

所長 「まあ、わからんでもないんじゃ。市場を見ても高級セダンだけでは喰っていくのは辛くなっとるからな。それで新しい市場を開拓するためにAクラスをつくったんじゃろ。じゃがマーケット的に見るとAクラスではライバルのクルマに比べていささか見劣りしたんじゃろうな。ゴルフやアウディA3やBMWの1シリーズの大きさからするとひと回り小さいからな。」

助手 「そうですね。AクラスはBセグメントで他のクルマはCセグメントですしね。」

所長 「多分、ベンツはBセグメントのクルマをつくったつもりは、ないんじゃろ。Cクラスの居住性と安全性を維持して出来るだけ小さいクルマをつくろうとしたんじゃと思う。じゃがマーケット的に見るとBセグメントに分類されてしまったんじゃろうな。居住性に意識が向いとった時代じゃからな。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「で、価格的にもAクラスとCクラスの狭間が出来てしまったから、間を埋めるクルマが必要となったんじゃろ。販売的にライバルと競合するクルマがないのは辛いじゃろうからな。」

助手 「それがBクラスということですね。」

所長 「そうじゃ。それでCSTというコンセプトでAクラスと差別化を図ろうとしたんじゃろうな。」

助手 「何がいけなかったんでしょうか。」

所長 「まず、スポーツツアラーというコンセプトが浸透しとらんことじゃろうな。ワシじゃったら先にRクラスを出して、半年か1年ぐらい様子を見てからBクラスを出すんじゃがな。Rクラスの方がわかりやすいクルマじゃろ。」

助手 「確かにRクラスの方がインパクトはありますね。Sクラス並のサイズで、3列シート、大排気量の高速ツアラーと売りが多いですし、日本でも受け入れられるかもしれませんね。」

所長 「そうじゃろ。それにコンパクトカーのBクラスに似た顔のRクラスよりも、Rクラスに似た顔のBクラスって言う方がイメージもいいじゃろ。」

助手 「それもそうですね。」

所長 「あとは、Aクラスにない大排気量、そうじゃな3Lぐらいのエンジンと四駆の設定じゃな。実用的なミニバンよりも、過剰な性能のSUVの方がプレミアムクラスにはウケがいいじゃろ。」

助手 「そうですね。アウディのA3はA4アバントとの縮小版のような感じですし、BMWの1シリーズはFRレイアウトを生かしたスポーティーなキャラクター、と個性がありますしね。Bクラスもクロスオーバー色を前面に出した方がいいかもしれませんね。」

所長 「まあ、欧州メーカーの常で、発売当初は持ち駒が少ないモンじゃ。これから徐々にラインナップを充実させていくじゃろう。じゃが一度不人気車のレッテルが貼られてしまうと、回復させるのは大変じゃろうから、もう少し時間を掛けてもよかったと思うんじゃがな。」

助手 「そう言えば、最近本国デビューから、あっという間に日本でも発売されますよね。」

所長 「それだけ世界の市場を視野に入れて開発しとるということじゃ。じゃが、早く売ってしまわんと飽きられるのも早い、という見方も出来る。ワシらクルマ好きからすると、もっとじっくりと熟成したモンの方がいいんじゃがな。」

助手 「そうですね。」



参考資料
メルセデスベンツBクラス(『webCG』 日経デジタルコンテンツ)


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