轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

トヨタ・ヴォクシー

2014-03-28 19:53:55 | TOYOTA
所長 「ノア・ヴォクシーが新しくなったようじゃな。」

助手 「ですね。またカッコ悪くなりましたよね。」

所長 「ま、確かに格好いいとは思えんの。」

助手 「やりたいコトはわかるんですけどね。」

所長 「どういうコトじゃ。」

助手 「先代が出たときに思ったんですよ。トヨタにはアルファード・ヴェルファイアってドル箱のミニバンがあるのに、なんであの世界観をノア・ヴォクシーに使わないんだろうって。あっ、当時はヴェルファイアはまだ出てませんでしたけどね。」

所長 「それで。」

助手 「だってあれだけ高いクルマがバカみたいに売れてるんですから、価格の安いノア・ヴォクシーだったら、大人気間違いなしでしょ。」

所長 「そりゃまぁ、売れるじゃろうな。」

助手 「で、いろいろ考えた結論がですね、ノア・ヴォクシーがアルファード・ヴェルファイアみたいになったら、アルファード・ヴェルファイアからノア・ヴォクシーにユーザーが移ってしまうんじゃないかって思ったんですよ。そりゃそうでしょ。おんなじように見栄を張れるんなら、安いに越したコトはないですしね。」

所長 「ふーん、それで。」

助手 「だからノア・ヴォクシーはアルファード・ヴェルファイアに配慮したデザインにしか出来ないっていうのが、正直なトコじゃないですかね。」

所長 「わからんでもないの。」

助手 「で、新しいノア・ヴォクシーを見たら、ノアのクラウンみたいなグリルはまだいいとして、ヴォクシーはまんまヴェルファイアじゃないですか。そりゃ、セレナに独走されてる現状を考えればテコ入れは必要だと思いますけどね。知ってますか、セレナが新しくなってから、ノア・ヴォクシーの販売台数を足したってセレナに負けてるんですよ。」

所長 「みたいじゃな。」

助手 「ノア・ヴォクシーがモデル末期だっていうのもあるんですけど、それ以上にセレナの勢いが凄いんですよ。」

所長 「先代よりもよぉ売れとるようじゃの。」

助手 「そうなんですよ。だから巻き返そうと思うのもわからなくはないんですけど、それって結局ヴェルファイアの売れゆきを落とすコトになるんじゃないですかね。」

所長 「ふーん、そういうコトか。」

助手 「所長はそうは思いませんか。」

所長 「ワシはそうは思わんの。まずアルファード・ヴェルファイアってトヨタで一番高いミニバンじゃろ。」

助手 「ですね。」

所長 「どのカテゴリーのクルマでも一番安いのと一番高いのにはお客がおるモンじゃ。どれだけ景気が悪くなろうと儲けとるモンは必ずおるし、そういった連中がミニバンを選ぶとすると当然、こういうクルマに行くワケじゃ。」

助手 「でもそれだったらベンツのVクラスとかに行くんじゃないですかね。」

所長 「もちろんそういうモンもおるんじゃが、国産と外車では客筋が違うんじゃ。金を持っとっても信頼性で国産を選ぶモンや、付き合いのあるディーラーから必ず買うモンなんか結構多いと思うぞ。」

助手 「ああ、そうですね。」

所長 「それに今のミニバンは日本で独自に進化を遂げたジャンルじゃし、セダンはベンツに乗っとってもミニバンは国産の方がいいってモンもおるじゃろ。ベンツのVクラスって所詮、豪華な商用車じゃしの。」

助手 「それもそうですね。」

所長 「じゃからヴォクシーがヴェルファイアみたいな外観になっても、ヴェルファイアには一定のお客がおると思うんじゃ。ほれっ、ベンツにしてもデザインはみんな似通っとるのに、やっぱりSクラスってそこそこ売れるじゃろ。あれとおんなじじゃ。」

助手 「言われてみればそうですね。」

所長 「じゃからヴォクシーはヴェルファイアに気を使う必要はないんじゃ。じゃがどうせやるんなら、もう少しなんとかならんかったモンかのぉ。あれじゃ、ヴェルファイアの廉価版というより劣化版みたいじゃろ。」

助手 「まぁ、それは価格帯が違いますしね。」

所長 「あとから出すんじゃから、ヴェルファイアからさらに一歩進化させんとイカンのじゃないかのぉ。」

助手 「でもそれじゃあ、ヴェルファイアが見劣りしてしまうんじゃないですか。」

所長 「じゃからヴェルファイアはヴェルファイアで違ったお客がおるんじゃから、気を使う必要はないって言っとるじゃろ。それよりもヴォクシーをもっと売るコトを一番に考えんとイカンのじゃないか。」

助手 「それはそうですね。」

所長 「にしても最近のトヨタのデザインは、どうなっとるんじゃろうな。出るクルマ出るクルマみんな首を傾げたくなるようなのばっかりじゃ。」

助手 「それは言えてますね。キーンルックでしたっけV字型のグリル、あれもちっともいいと思いませんけどね。初代エスティマをデザインしたヒトがデザイン本部長に就任したって聞いたから、期待してたんですけど。」

所長 「うーん、どうじゃろうな。就任してまだ3年ほどじゃろ。効果が出てくるのはもう少し時間が掛かるのかもしれんの。それにしても最近のはどれも個性を出そうとしてトヨタの持ち味が消えてしもとるような気がするのぉ。」

助手 「トヨタの持ち味ですか。」

所長 「そうじゃ。昔のトヨタのデザインってこれと言って個性は強くなかったんじゃが、邪魔にならんデザインじゃったと思うんじゃ。良くも悪くも国内で大きなシェアを占めとるんじゃから、どこへ行ってもトヨタのクルマばっかりなワケじゃ。それが今みたいにクドいデザインばっかりじゃと疲れてしまうんじゃ。」

助手 「確かに疲れてしまいますね。」

所長 「まぁ、世界戦略という視点で見れば、まだまだ地域によってはトヨタの台数もたかがしれとるのかもしれんが、変わった顔つきじゃったらいいって言うモンでもないと思うんじゃがな。」

助手 「言えてますね。マツダのように独自の個性があって、デザイン的な評価もちゃんと受けているクルマもあるワケですし、もう少し欲しいと思えるデザインにしてもらいたいモンですね。」

所長 「ま、ワシらがそう思っとるだけで、このクルマを欲しいというモンは大勢おるんじゃろうけどな。」

助手 「それはそうでしょうね。」

所長 「今度のノア・ヴォクシーはハイブリッドも加えて磐石の構えじゃし、相当売れるじゃろ。」

助手 「ですね。それもセレナみたいにお茶を濁したようなのと違って、プリウス用の本格的なモノを移植してますからね。」

所長 「燃費が23.8キロじゃったかのぉ。これまでのミニバンの常識を覆すモンじゃな。」

助手 「ですよね。セレナのSハイブリッドが16キロですけど、ノア・ヴォクシーなら通常のガソリンでも16キロですし、かなりいいんじゃないですか。」

所長 「23.8キロじゃったら、実用燃費でも15キロは行くんじゃないかの。ワシがクルマを選ぶとき、実用燃費で100キロ、1,000円以下っていうのをひとつの基準にしとるんじゃ。」

助手 「というと。」

所長 「例えば400キロ走って満タンにしたら4,000円で収まるってコトじゃ。大体の金額を把握しやすいし、何より走った分だけガソリン代が掛かるっていうのを実感出来るから、無駄な走行は控えるし、走り方も工夫しようって気になるじゃろ。」

助手 「そういうコトですか。うちのステップワゴンは燃費悪いですよ。この間も残量が半分ぐらいで早めにガソリンを入れたんですけど、それでも4,000円近く掛かりましたしね。」

所長 「よぉそんな燃費の悪いのに乗っとるのぉ。今だいたいレギュラーで150円ぐらいじゃろ。じゃったら15キロ以上走るのでないと怖くて乗れんわ。」

助手 「遠出をしない限り10キロ超えることはないですね。ホント乗り替えたくなりますよ。」

所長 「そう思っとるモンって相当おるじゃろ。今度のノア・ヴォクシーのハイブリッドにとってお前みたいなのは格好の餌食じゃろうな。」

助手 「でも前に言ってたようにハイブリッドとの価格差をガソリン代で賄おうと思うと10年以上乗らないとダメなんじゃないですか。」

所長 「それはノア・ヴォクシーもそうじゃろうな。じゃが購入価格とランニングコストって別モンじゃろ。買ったときの金額なんて買ってしもたらあんまり意識せんじゃろ。それよりも普段払わんといかん、ランニングコストに目が行くんじゃないかのぉ。」

助手 「まぁ、それはそうでしょうけど、ボクなんかは総金額で元が取れたとか計算しますけどね。」

所長 「お前はホントにちっちゃいヤツじゃのぉ。そんなチマチマ計算しとるんか。じゃがそれも計算したときにしか実感せんのじゃないか。」

助手 「まぁ、それはそうですね。」

所長 「それよりもガソリンを入れたときに、思ってたよりも高かったとか安かったとかの方が実感しやすいと思うぞ。」

助手 「それはそうですね。」

所長 「そう考えるモンがハイブリッドになびくと思うんじゃ。そういうモンにとって格好の良し悪しは二の次じゃろ。お前にしてもステップワゴンを選んだのは格好が気に入ったからじゃないじゃろ。」

助手 「です。」

所長 「じゃから今度のノア・ヴォクシーはほっといても売れると思うんじゃ。言うとる間に街に増えるじゃろうから、もう少しデザインが良かったら言うコトないんじゃがな。サイドから見たときにクラウンのような伸びやかさを見せたかったんじゃろうけど、そのせいで斜め後ろから見たトコが妙に薄っぺらくなってしもとるんじゃ。あれじゃ日野の観光バスじゃ。」

助手 「ああ、変にスタイリッシュなヤツですよね。わかります。」

所長 「今から思うと初代はシンプルで良かったと思えてくるから不思議なモンじゃ。」


参考資料
トヨタ・ヴォクシー(トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・ノア(トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・ノア(轟クルマ文化研究所)
トヨタ・ヴォクシー(轟クルマ文化研究所)
トヨタ・ヴェルファイア(轟クルマ文化研究所)
日野セレガ(日野自動車株式会社)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スズキ・ハスラー | トップ | 日産 ティアナ »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先代よりは (B.Y)
2014-03-31 08:52:56
良いデザインの様な。
個人的に先代のデコッパチな顔が観て不快に成る程嫌いでしたんで。
ミニバン乗りたくは無いけど家族構成で仕方なく買う父ちゃんには、優しいデザインのミニバンよりは強面なミニバンの方が抵抗感少ないですし。
実際そんな理由で自分はデリカ使ってます。
返信する
Re:先代よりは (宇垂)
2014-03-31 20:09:34
B.Yさん

先代よりお気に入りですか。
正直、先代のデコッパチは抵抗ありますが、新型の方が安モノ臭が増した気がします。

ボクも家族構成的な理由でステップワゴンに乗っております。
返信する
ミニバンのデザインは… (high-rookie)
2014-10-26 11:12:59
自分もステップワゴンスパーダ(3代目)乗ってますが、燃費は悪いのでヴォクシーのハイブリッドの燃費は魅力的です。
多くの人にとってミニバンのデザインの選び方は消去法かもしれませんね。機能と自分の要件を満たすものの中から自分にとって「ましな」デザインを選ぶ、といったような。

たとえば新型ヴォクシーのデザインは自分にとって「許容範囲内」ですが、現行ノアと先代ノア・ヴォクシーのデザインは「許容範囲外」なので、買うなら初代か新型ヴォクシーとなりますが、燃費の要件から新型ヴォクシーのみとなります。

しかしその他のユーティリティ機能は断然セレナなのでセレナの燃費が良くなってデザインがマイチェン前に戻ったら(マイチェン後のデザインは自分にとって許容範囲外)、やはりセレナを選ぶかも。

それではステップワゴンはというと3代目と4代目は目指すところも中身も別物なので(ハンドルの機構とかエンジンとか)、あえて選ばないかもしれません。(むしろ新型オデッセイアブソリュートの方が3代目のユーザーの気持ちを満たすかもしれません)

一番期待はマツダで次のプレマシー、ビアンテに鼓動デザインが採用されたらデザイン的にはかなりイイものができるのでは、と思っています。
(走りも期待できそうですし、デザインと走りと燃費でミニバンの機能や居住性を十分満たしていれば買い替えに十分な理由があります)
返信する
Re:ミニバンのデザインは… (宇垂)
2014-10-28 19:25:32
high-rookieさん

ボクも今、買い替えるなら、ヴォクシーになりそうな気がしますね。(消去法で)

セレナはカタチは許容範囲内なんで燃費さえ良くなればって感じです。

プレマシーが魂動デザインを採用したら、さぞかし魅力的でしょうね。
ビアンテはビミョーな気がしなくもないですが・・・。(そもそも次はあるんでしょうか)
返信する

コメントを投稿

TOYOTA」カテゴリの最新記事