
助手 「新しいティアナが出ましたけど、前に期待してるって言ってましたよね。」
所長 「うーん、実際出たのを見てみると、厳しそうな感じがするのぉ。」
助手 「どういう意味ですか。」
所長 「前にシルフィが出たときに言うとったと思うんじゃが、このクルマって北米でアルティマって名前で売っとるクルマ、ほぼそのまんまなんじゃ。」
助手 「ですね。」
所長 「向こうでは一番よぉ売れとるカムリ、アコードのクラスのクルマなんじゃ。」
助手 「ですね。日本ではあんまり馴染みはありませんけど、確か北米のカーオブザイヤーも獲ってましたよね。」
所長 「じゃな。アルティマって言うたら、日本ではレパードの高性能モデルのイメージが強いんじゃないかのぉ。」
助手 「ありましたね。ソアラに対抗したV6、3リッターターボは当時憧れましたねぇ。」
所長 「で、そのアルティマじゃが、元々ブルーバードをベースにしとったスタンザの後継として出たクルマで、初代はあの評判の悪い尻下がりのブルーバードじゃったんじゃ。」
助手 「ああ、ありましたね。」
所長 「で、2代目から北米専用のモデルになって、今の型で5代目じゃな。Zやマキシマなんかと共通のブーメランライトを採用しとってスポーティなキャラクターで売っとるんじゃ。」
助手 「それを小さくしたのがセントラ、日本で言うシルフィってワケですね。」
所長 「そうじゃな。シルフィでは無理やり小さいサイズに落とし込んだ感じじゃったけど、さすが元ネタだけあって伸びやかでいいデザインじゃな。」
助手 「サイドの波打ったライン以外はボクもいいと思いますね。で、何が厳しそうなんですか。」
所長 「向こうのサイトで見たアルティマと日本で売っとるティアナってやっぱり別モンに見えるんじゃ。」
助手 「グリルが少し違ってるのと、例によってウィンカーが向こうではオレンジになってますね。」
所長 「そういう見た目の違いじゃなくって、まったく印象が異なって見えてしまうんじゃ。どう言うたらいいのかのぉ。」
助手 「そう言えば、アメリカでは日差しの強さや景色が違うせいで、見え方が変わるって聞いたコトがありますね。日本やヨーロッパの緻密なデザインのクルマでは埋没してしまうらしいですね。遠くからでも判別できるおおらかなデザインが好まれるとか。」
所長 「うーん、そういうのとまた違うんじゃ。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「なんなんじゃろうな。強いて言うならティアナってクルマのイメージとの相性の悪さかのぉ。」
助手 「相性の悪さですか。」
所長 「ティアナって、これまではインテリアを売りにしとったり、あんまり押し出しの強くない、どっちかって言うと通好みの上質なセダンって感じじゃったと思うんじゃ。」
助手 「まぁ、そんなイメージですね。」
所長 「そのティアナがアメリカで受けがいいスポーティなデザインを纏っても、そこに目が行かないんじゃないかのぉ。」
助手 「うーん、そうですかね。ボクは結構カッコいいと思いますけど。」
所長 「ティアナのイメージじゃったら、スポーティなデザインにして中が狭くなってしまうより、居住性を重視してもっとくつろげる空間にした方が良かったんじゃないかのぉ。」
助手 「でも最近の高級車はどれもスポーティさを前面に出してますけど。」
所長 「そうなんじゃが、ティアナを選ぶモンってブランドとか高級感とは違う価値観を持っとる気がするんじゃ。見てくれの高級感よりも上質で居心地の良さに重きを置くというか。」
助手 「わかるような気がしますね。」
所長 「本来高級車ってそういうモンじゃと思うんじゃが、最近のはどれも押し出しの強いデザインとか、狭くてもスポーティなのが持てはやされとるじゃろ。そういうのとティアナとでは少し性格が異なっとるじゃろ。」
助手 「確かにそういうところはありますね。日産には似たようなサイズでスカイラインやフーガもありますしね。」
所長 「そう考えるとじゃな、今度のアルティマってティアナには不似合いなクルマな気がするんじゃ。」
助手 「でもアルティマって向こうではミドルクラスの大衆車って位置づけですし、高級車とは違うんじゃないですか。」
所長 「そうなんじゃが、あくまでも向こうの需要に合わせたモンじゃし、日本のティアナとは違うじゃろ。」
助手 「やっぱり最近の日産は日本市場を重視してないのが原因なんですよ。」
所長 「ま、日本にそれだけの市場がないんじゃからしょうがないんじゃが、ワシじゃったらもう少し違うやり方を考えるのぉ。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「北米でアルティマが出たのって、2012年じゃからもう2年も経っとるんじゃ。そのタイミングでスポーツセダンとして出しとったら、もっと違って見えたんじゃないかと思うんじゃ。それが後から似せてつくったシルフィに先を越されてしもとる始末じゃ。」
助手 「まぁ、その方がいいのかもしれませんけど、売れそうにないでしょ。USアコードが人気だった90年代だったら持てはやされてたかもしれませんけどね。」
所長 「かもしれんの。じゃがやり方次第で販売につなげるコトも可能なんじゃないかのぉ。ほれっ、アテンザなんかいい例じゃろ。」
助手 「アテンザと比べるのはいくらなんでもダメでしょ。」
所長 「そうかのぉ。ワシはアテンザと比べても引けをとらんと思うんじゃがな。ま、デザインの質が違うから一概に比べられんのじゃが。少なくともこのクラスのカムリやアコード、あと新しいスカイラインと比べても圧勝じゃと思うぞ。」
助手 「アテンザに引けをとらないって言うのは言い過ぎだと思いますけど、カムリ、アコード、スカイラインならボクも新しいティアナの方がカッコいいとは思いますけどね。」
所長 「それがティアナって名前で出た途端、デザインの良さが霞んでしまうんじゃ。誰もこのクルマをアテンザと比べて見たりせんじゃろ。それにティアナの後継として見てもあんまり相応しいとは思えんしの。」
助手 「まぁ、確かにアルティマのカッコ良さも、これまでのティアナのイメージも互いに打ち消しあってしまってる気はしますね。」
所長 「じゃろ。魅力的なセダンが日本で買えるようなったのは有り難いんじゃが、正直、ちょっと違うって感じがするんじゃ。」
参考資料
日産ティアナ(日産自動車株式会社)
日産ティアナ(轟クルマ文化研究所)
日産シルフィ(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「うーん、実際出たのを見てみると、厳しそうな感じがするのぉ。」
助手 「どういう意味ですか。」
所長 「前にシルフィが出たときに言うとったと思うんじゃが、このクルマって北米でアルティマって名前で売っとるクルマ、ほぼそのまんまなんじゃ。」
助手 「ですね。」
所長 「向こうでは一番よぉ売れとるカムリ、アコードのクラスのクルマなんじゃ。」
助手 「ですね。日本ではあんまり馴染みはありませんけど、確か北米のカーオブザイヤーも獲ってましたよね。」
所長 「じゃな。アルティマって言うたら、日本ではレパードの高性能モデルのイメージが強いんじゃないかのぉ。」
助手 「ありましたね。ソアラに対抗したV6、3リッターターボは当時憧れましたねぇ。」
所長 「で、そのアルティマじゃが、元々ブルーバードをベースにしとったスタンザの後継として出たクルマで、初代はあの評判の悪い尻下がりのブルーバードじゃったんじゃ。」
助手 「ああ、ありましたね。」
所長 「で、2代目から北米専用のモデルになって、今の型で5代目じゃな。Zやマキシマなんかと共通のブーメランライトを採用しとってスポーティなキャラクターで売っとるんじゃ。」
助手 「それを小さくしたのがセントラ、日本で言うシルフィってワケですね。」
所長 「そうじゃな。シルフィでは無理やり小さいサイズに落とし込んだ感じじゃったけど、さすが元ネタだけあって伸びやかでいいデザインじゃな。」
助手 「サイドの波打ったライン以外はボクもいいと思いますね。で、何が厳しそうなんですか。」
所長 「向こうのサイトで見たアルティマと日本で売っとるティアナってやっぱり別モンに見えるんじゃ。」
助手 「グリルが少し違ってるのと、例によってウィンカーが向こうではオレンジになってますね。」
所長 「そういう見た目の違いじゃなくって、まったく印象が異なって見えてしまうんじゃ。どう言うたらいいのかのぉ。」
助手 「そう言えば、アメリカでは日差しの強さや景色が違うせいで、見え方が変わるって聞いたコトがありますね。日本やヨーロッパの緻密なデザインのクルマでは埋没してしまうらしいですね。遠くからでも判別できるおおらかなデザインが好まれるとか。」
所長 「うーん、そういうのとまた違うんじゃ。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「なんなんじゃろうな。強いて言うならティアナってクルマのイメージとの相性の悪さかのぉ。」
助手 「相性の悪さですか。」
所長 「ティアナって、これまではインテリアを売りにしとったり、あんまり押し出しの強くない、どっちかって言うと通好みの上質なセダンって感じじゃったと思うんじゃ。」
助手 「まぁ、そんなイメージですね。」
所長 「そのティアナがアメリカで受けがいいスポーティなデザインを纏っても、そこに目が行かないんじゃないかのぉ。」
助手 「うーん、そうですかね。ボクは結構カッコいいと思いますけど。」
所長 「ティアナのイメージじゃったら、スポーティなデザインにして中が狭くなってしまうより、居住性を重視してもっとくつろげる空間にした方が良かったんじゃないかのぉ。」
助手 「でも最近の高級車はどれもスポーティさを前面に出してますけど。」
所長 「そうなんじゃが、ティアナを選ぶモンってブランドとか高級感とは違う価値観を持っとる気がするんじゃ。見てくれの高級感よりも上質で居心地の良さに重きを置くというか。」
助手 「わかるような気がしますね。」
所長 「本来高級車ってそういうモンじゃと思うんじゃが、最近のはどれも押し出しの強いデザインとか、狭くてもスポーティなのが持てはやされとるじゃろ。そういうのとティアナとでは少し性格が異なっとるじゃろ。」
助手 「確かにそういうところはありますね。日産には似たようなサイズでスカイラインやフーガもありますしね。」
所長 「そう考えるとじゃな、今度のアルティマってティアナには不似合いなクルマな気がするんじゃ。」
助手 「でもアルティマって向こうではミドルクラスの大衆車って位置づけですし、高級車とは違うんじゃないですか。」
所長 「そうなんじゃが、あくまでも向こうの需要に合わせたモンじゃし、日本のティアナとは違うじゃろ。」
助手 「やっぱり最近の日産は日本市場を重視してないのが原因なんですよ。」
所長 「ま、日本にそれだけの市場がないんじゃからしょうがないんじゃが、ワシじゃったらもう少し違うやり方を考えるのぉ。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「北米でアルティマが出たのって、2012年じゃからもう2年も経っとるんじゃ。そのタイミングでスポーツセダンとして出しとったら、もっと違って見えたんじゃないかと思うんじゃ。それが後から似せてつくったシルフィに先を越されてしもとる始末じゃ。」
助手 「まぁ、その方がいいのかもしれませんけど、売れそうにないでしょ。USアコードが人気だった90年代だったら持てはやされてたかもしれませんけどね。」
所長 「かもしれんの。じゃがやり方次第で販売につなげるコトも可能なんじゃないかのぉ。ほれっ、アテンザなんかいい例じゃろ。」
助手 「アテンザと比べるのはいくらなんでもダメでしょ。」
所長 「そうかのぉ。ワシはアテンザと比べても引けをとらんと思うんじゃがな。ま、デザインの質が違うから一概に比べられんのじゃが。少なくともこのクラスのカムリやアコード、あと新しいスカイラインと比べても圧勝じゃと思うぞ。」
助手 「アテンザに引けをとらないって言うのは言い過ぎだと思いますけど、カムリ、アコード、スカイラインならボクも新しいティアナの方がカッコいいとは思いますけどね。」
所長 「それがティアナって名前で出た途端、デザインの良さが霞んでしまうんじゃ。誰もこのクルマをアテンザと比べて見たりせんじゃろ。それにティアナの後継として見てもあんまり相応しいとは思えんしの。」
助手 「まぁ、確かにアルティマのカッコ良さも、これまでのティアナのイメージも互いに打ち消しあってしまってる気はしますね。」
所長 「じゃろ。魅力的なセダンが日本で買えるようなったのは有り難いんじゃが、正直、ちょっと違うって感じがするんじゃ。」
参考資料
日産ティアナ(日産自動車株式会社)
日産ティアナ(轟クルマ文化研究所)
日産シルフィ(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
特にモダンリビングの考え方ってのは走る応接室じゃないけど、どことなくオシャレで個性的な感じがしたものです。
今回のはデザインは今までで一番かっこいいと思いますが、そうした「この車でなきゃ」といったような部分は薄れすみわけが微妙になっていると思います。
所長のおっしゃる通りアメリカ市場と日本市場のコンセプトが違い、ボディサイズと名前の関係性が違って立場が微妙になっている一例にもなっていますよね。
カムリも同じく、向こうのミドルサイズはこちらのビッグサイズになってしまうのでクラウンやマークXとのすみわけが微妙ですし。
今度のティアナのデザインは日本ではどちらかというとスカイラインユーザーに受け入れられそうに思えますが、生い立ちや走りはそういった人にアピールするものではないでしょうね。
だからむしろ日本向け出すのであれば、「モダンリビング」仕様にすればよかったと思います。(カムリやアコードがハイブリッドに特化したように)
そうすればただの高級路線の競合とはならず、インテリアを重視=ティアナという育ててきたイメージを前に打ち出すことができたのではないかと思います。
そもそもセダンユーザーの多くは子育てを終えてこれから高級路線に行くか走りやデザインを追求するか小型車に移行するかどちらかだと思います。
高級路線はレクサスや外車勢が強いのでここで一番になるのはよほど個性を出すしかないでしょう。
走りやデザインはアテンザやマークXなどの競合がいますし(アテンザにはスカイアクティブという武器があります)、小型化はCT200hやアクア、プリウスなどの運転しやすくエコノミー的な部分を重視します。
(特に年を取ってくると大きな車はいらなくなりコンパクト化していく傾向にあるでしょうね)
そうするとこれからセダンが生き残っていくにはニッチなところかすべてを満たすもので行くしかないですよね。
ニッチなところはたとえば「モダンリビング」などもそうです。
すべてをある程度満たすもの、それはセダンでありながら
・コンパクト(5ナンバー以下)
・キャビンの居住性はそこそこでフロントノーズとリアトランク、タイヤの位置などがバランスよく配置された、シいわゆるFR的な昔のセダンデザイン(マツダデザインはそのへんよくわかってます)
・燃費が良い
・自動ブレーキなど安全性が良い
・維持費が安い
意外と軽自動車で背高でないコンパクトなセダン型や日産ならシルフィを次回はブルーバードにもどして、昔っぽいプロポーションで(もっとかっこよく)安くハイブリッドで格安に提供したら意外と売れるかもしれません。
(今はシルフィ以外だとカローラアクシオとかプレミオとかアリオンとかぐらいしか選択肢がない)
ティアナ、出て1年足らずですが、まったく話題に上らないですね。
個人的にはいいクルマだと思うんですが・・・。
で、モダンリビングに特化、というのはいいでしょうね。とにかく何か話題性をつくらないと埋没してしまいますしね。
(個人的にはクルマメーカーのリビングっておっさん臭い感じがして、あんまり評価してないんですが。)
>意外と軽自動車で背高でないコンパクトなセダン型や日産ならシルフィを次回はブルーバードにもどして、昔っぽいプロポーションで(もっとかっこよく)安くハイブリッドで格安に提供したら意外と売れるかもしれません。
ボクもそんなクルマがあれば興味津々なんですが、如何せん現在の国内のセダン市場からすると専用でつくるのは厳しいでしょうね。