轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

レクサス ES

2018-12-21 18:18:48 | LEXUS
助手 「レクサスからESとUXが相次いで登場しましたけど。」

所長 「なんか、そうらしいの。まだどっちも見かけとらんが。」

助手 「ESはともかく、価格の安いUXはこれから見るようにはなると思いますけどね。」

所長 「ESはなんで入れたんじゃろうな、今さら。」

助手 「噂ではGSが生産終了になって、その代わりをESがって話でしたけどね。」

所長 「で、GSはどうなったんじゃ。」

助手 「どうもなってないですね。トヨタの話ではこれからも売るって言ってるみたいですけど。でも現行モデルを継続販売するだけで、次のモデルはないのかもしれませんけどね。」

所長 「それはありそうじゃの。」

助手 「GSってそんなに売れてなかったんですかね。」

所長 「どうじゃろうな。日本ではあんまり売れとらんかったのかもしれんが、それってGSに限った話じゃないしの。」

助手 「言えてますね。」

所長 「それよりもSUVの台頭によって、世界的にセダン自体の需要が減っとるのが問題なんじゃないかのぉ。」

助手 「SUVですか。確かに単なる流行りでは片付けられない規模になってきましたね。海外メーカーもどんどんラインナップを増やしてますしね。」

所長 「で、GSが整理の対象になったってコトかもしれんの。ま、元々LSとISの間に挟まれとるクルマじゃから、違った個性を出すとか、いいトコ取りのバランスの優れたクルマにするとか、なんかないと埋もれてしまう難しいクラスじゃけどな。」

助手 「ですね。スピンドルグリルとかブランドの色が強まって、車種ごとの個性が出しにくいのが現状ですからね。」

所長 「じゃな。」

助手 「そこへいくとESはアメリカである程度の台数が読める車種ですし、GSとESだったらESを残すっていうのもわからなくはないですけど。プレミアムブランドとしては如何なモンでしょうね。」

所長 「まぁ、IS、GS、LSとFRの並びの方が、確かに見映えはするじゃろうな。じゃがGSがなくなるとなるとIS辺りも今後どうなるかわからんぞ。FFになる可能性もあるかもしれん。」

助手 「そうきますか。」

所長 「ま、GSがなくなればの話じゃけどな。」

助手 「で、期待のESですけど、どう思います。」

所長 「ワシは結構好きじゃけどな。別にFFでも全然構わんし、デザインもLSの6ライトよりも好みじゃな。」

助手 「確かに4ライトの方が、見慣れてるって言うか、安心して見れますよね。」

所長 「ちょっと後ろ下がりのどっしりとしたフォルムは、今のレクサスの中では一番綺麗じゃと思うぞ。ま、グリルやキャラクターラインがどうも好きになれんのは一緒じゃけどな。」

助手 「わかります。」

所長 「FFじゃから中は広いじゃろうし、実際に使うとよく出来たセダンなんじゃないかのぉ。」

助手 「売れそうですか。」

所長 「売れんじゃろうな。」

助手 「やっぱり。」

所長 「日本でこのサイズのセダンの需要って、見栄を張れるコトが第一じゃろ。ESがかつてのウィンダムじゃと知っとるモンも多いじゃろうしの。」

助手 「ですよね。高いクルマほど輸入車の比率が上がりますし、このクラスだとやっぱりドイツの御三家が強いですよね。」

所長 「もちろん日本製っていう安心感は武器にはなるじゃろうけど、そういうモンは一番高いLSか、もしくは慣れ親しんだクラウンに行くじゃろうし、新参モンのESはよっぽど強力な武器がないと難しいじゃろうな。」

助手 「強力な武器と言えば、デジタルアウターミラーが世界初採用されたそうですね。」

所長 「らしいの。」

助手 「夜間や悪天候時なんかでも見やすいそうですけど。」

所長 「モニターが不具合を起こしたときにどうするのかが気になるところじゃがな。」

助手 「もちろん、その辺りは問題ないってコトなんでしょうけど。それよりもせっかくカメラにするんだったら、もっとやり様があったんじゃないかって気がしますけどね。」

所長 「どうするんじゃ。」

助手 「例えば、カメラの位置が通常のドアミラーと一緒じゃないですか。あれって鏡面が見やすい位置であって、カメラを付ける位置として考えればフェンダーミラーの位置の方が死角は少なくなるんじゃないですか。」

所長 「そうじゃけど、その分映る対象が小さくなってしまうじゃろ。」

助手 「それはズームでなんとでもなるでしょ、デジタルなんですし。」

所長 「ウィンカーやバックギアと連動して、映り方が変わるそうじゃけど、通常の運転時は普通のミラーと見え方が変わらんようにしとるんじゃろうな。」

助手 「それではデジタル化したメリットがあんまり感じられませんよね。」

所長 「認可の問題が絡んどるんじゃろ。カメラを使うんじゃったら完全に死角を失くすコトも可能じゃと思うんじゃが、現状のサイドミラーの位置、見え方なんかを変えるとなると、お上がなかなか認めてくれんのじゃろ。」

助手 「そういうコトですか。頭が固いというか、なんなんですかね。」

所長 「まぁ、そうは言っても安全に関わるコトじゃし、簡単に認めてあとで何かあったら大問題じゃからな。慎重になるのも無理はないわ。」

助手 「それはわかりますけど。」

所長 「ま、採用されたのには変わりないんじゃから、安全性の向上が認められれば、規制も変わるじゃろうし、機能も進化していくじゃろ。」

助手 「あと外国メーカーの政治的な圧力なんか効きそうですけどね。」

所長 「それもあるじゃろうな。ま、言うとるうちに当たり前になるんじゃないかの。」

助手 「ですね。でも所長こういうのってあんまり好きじゃないでしょ。」

所長 「まぁな。ワシじゃったら、従来のミラーは残しておいて、死角部分をカメラで補う方がいいと思うの。それこそ前後のピラーを透視化させるとかも出来ると思うしの。」

助手 「それはいいかもしれませんね。」

所長 「じゃが見えんからこそ、死角にヒトやクルマがいると想像したりするワケじゃろ。それが必要なくなるとじゃな、そういう感覚まで鈍ってしまうと思うんじゃ。ほれっ、よく事故したときに急にクルマが飛び出してきたとかってよく聞くじゃろ。」

助手 「えっ、あっ、はい。」

所長 「急に車が湧いてくるコトなんてあり得んじゃろ。」

助手 「それはそうですけど。」

所長 「どっかにおったワケじゃ。それを予測出来んかったってコトじゃろ。そういう経験の積み重ねによって運転の技量って上がっていくと思うんじゃ。」

助手 「はい。」

所長 「前にテレビでアナウンサーの古舘伊知郎さんが、F1ドライバーの中嶋悟さんのクルマに同乗したときの話をしてたのを見たんじゃが。」

助手 「へぇ、どんな話だったんですか。」

所長 「何でも中嶋悟は運転席に座ってから、シートの位置やミラーの角度を調整するのに何分も掛けるそうじゃ。」

助手 「何分もですか。」

所長 「それで運転しだすと、前を向いて微動だにせず運転するそうじゃ。バックするときすら後ろを見んとミラーだけでさがるっていうのは驚いたわ。」

助手 「ミラーだけ見てさがるって絶対ダメでしょ。見えないトコにヒトが居たらどうするんですか。」

所長 「ワシもそう思ったんじゃ。で、その放送を見てから考えたんじゃが、中島悟には死角というモンがないんじゃないかのぉ。」

助手 「どういうコトですか。」

所長 「つまり自分のクルマの周りの状況を完全に把握しとるってコトじゃ。例えばバックする前に駐車位置や周りの状況、ヒトの有無、自分が駐車に掛かる時間をわかっていたら、ヒトや自転車がどの位置に居たら危険とか、ある程度予測できるじゃろ。」

助手 「それは可能かもしれませんね。」

所長 「街中を走っとるときじゃったら、自分の前や後ろのクルマだけでなく、斜め後ろなんかの周りのクルマ全ての動きにまで気を配っとるんじゃないかのぉ。」

助手 「前後のクルマはボクも意識してますけど、周り全部までは見れてないですね。気づいたら後ろのクルマが変わってるっていうのもありますし。」

所長 「例えば、前の前のクルマが右折しようとしてて、その後ろのクルマが左側に車線変更しようとしてるとか、斜め後ろのクルマが早く行きたくて右側のレーンに移ろうとしてるとか、そういうのってクルマの挙動で読み取れたりするじゃろ。」

助手 「確かにわかるときがありますね。予想通りウインカーを出したときは、ちょっとエスパーになった気分になりますね。」

所長 「自分の周りのクルマが把握できていれば、さっき言ったように急にクルマが現れたりするコトってないのかもしれん。」

助手 「でも脇道からギリギリのタイミングで出てくるのとかもありますけど。」

所長 「それもそこに脇道があるコトがわかっていたら、クルマが出てくるコトを考えとかんとイカンじゃろ。」

助手 「じゃあ、そこに脇道があるコトを知らなかったらどうするんですか。」

所長 「そこに脇道があるかもしれんと考えとくんじゃな。」

助手 「なんか大変そうですね。」

所長 「さっきの中嶋悟の話じゃけど、よくよく考えたらF1ドライバーって後ろから抜かれるときに誰も振り向いて確認したりせんじゃろ。」

助手 「当り前じゃないですか。200キロとか300キロとかで走ってるんですよ。」

所長 「それでもちゃんと抜かれるときはぶつからんようにしとるワケじゃろ。そういう世界で生きてきたモンじゃからこそ出来る芸当なのかもしれんが、ワシら一般のドライバーでも意識すればある程度身につけるコトができるかもしれんじゃろ。」

助手 「それはそうかもしれませんね。」

所長 「そういう感覚がじゃな、機械に頼りすぎると養われんようになってしまうんじゃないかって気がするんじゃ。」

助手 「言わんとしてるコトはわかりますけど、今のクルマってそういう個人の技量に頼ってる部分を、誰でもがおんなじ安全性を得るって方向に行ってるんじゃないですか。極端に言えば、今日免許を取ったヒトでもベテランドライバーとおんなじレベルの技術や安全性をクルマの方で提供するってコトですかね。」

所長 「理想はそうなのかもしれんが、ワシなんかからしたら少し淋しい気がするの。」

助手 「気持ちはわかりますけど。」


参考資料
レクサスES(トヨタ自動車株式会社)
レクサスUX(トヨタ自動車株式会社)
レクサスGS(トヨタ自動車株式会社)
レクサスGS(轟クルマ文化研究所)

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