シトロエン DS4

助手　「シトロエンのC4に続いてDS4も出ましたけど、なんかよくわからないクルマじゃないですか。どっちも。」

所長　「うーん、DS4はともかくC4は掴みどころのないクルマじゃの。」

助手　「ですよね。C5の縮小ハッチバックって感じですけど、C5自体がドイツ車っぽい感じになりましたしね。」

所長　「ワシが思うにC4やC5は数を売らんといかんクルマじゃし、世界基準で考えるとこんな感じが無難なのかもしれんの。」

助手　「そうですかね。正直魅力を感じませんけどね。やっぱりシトロエン、フランス車ってトコをもっと大事にするべきだと思うんですけどね。」

所長　「ま、日本でシトロエンを買おうと思うモンからすると、モノ足らんじゃろうな。」

助手　「でしょ。これだったらゴルフやパサートを選ぶのが普通じゃないですか。」

所長　「ま、そうじゃろうな。じゃが日本以外の国で考えるとシトロエンらしさって案外必要ないのかもしれんぞ。」

助手　「そんなコトないでしょ。」

所長　「例えばフランスなんかじゃと、ルノーやプジョー、フォルクスワーゲンなんかと性能や使い勝手、あと価格なんかを比較して選ばれると思うんじゃ。そこでは奇抜な格好や独自の機構なんかは入る余地がないのかもしれん。」

助手　「まぁ、フランスでは国産大衆車ですからね。」

所長　「これが高級車やスポーツカーなんかの趣味性の高いモンじゃったら、話は違ってくるじゃろうけどな。」

助手　「わからなくはないですけど、シトロエンの歴史や伝統はどうなるんですか。シトロエンと言えば世界でも孤高の存在として確固たる地位を確立してますし、ブランド力の低下につながると思うんですけどね。」

所長　「じゃからDSシリーズが必要になるんじゃ。」

助手　「DSシリーズがシトロエンの伝統を継承してるとは思えませんけどね。」

所長　「ま、確かにこれまでのシトロエンとはだいぶんと色合いが違うんじゃが、シトロエンのブランド力を最大限に生かそうとしとるのには違いないじゃろ。」

助手　「そうですかぁ。DS3はミニの対抗ですし、今度のDS4はBMWのX6の縮小版って感じにしか見えませんけど。」

所長　「ま、ジャンルとしてはそんな感じじゃけど、なんて言うんかな、C3やC4のプラットフォームを使って、純粋にデザインのみを追求しとるんじゃ。それがコンパクトカーとかクロスオーバーに分類されとるだけで、そこに向けたクルマというよりは、今一番いいと思えるカタチをとっとるって感じかのぉ。」

助手　「まぁ、確かにDS4なんかは結構カッコいいとは思いますけど。でもあれはないでしょ、知ってますか、後部座席のサイドウィンドウってハメ殺しで開けられないんですよ。高級車を謳うクルマなのに。」

所長　「そうらしいの。じゃがそれって使い勝手よりもデザインを優先した結果じゃろ。裏を返せば、通常のクルマでは出来んコトでもDSシリーズなら出来るってコトじゃないかのぉ。」

助手　「いい様に解釈すればそういう見方も出来ますけどね。」

所長　「CシリーズとDSシリーズの両方をやるコトで、今まで出来なんだコトが出来るようになったってコトなんじゃないかのぉ。例えばCシリーズはこれまで足枷になってたシトロエンらしさをかなぐり捨てて、たくさん売るコトに注力出来るし、DSシリーズは他社では到底踏み込めん領域も躊躇なく出来るってワケじゃ。」

助手　「確かに相乗効果はあるかもしれませんね。」

所長　「じゃろ。良くも悪くもシトロエンってイメージが出来上がってしもとるし、販売と個性を両立させようとすると、こうするほかなかったのかもしれん。そう考えると今までのシトロエンのモデルってどっちつかずに見えてこんか。」

助手　「うーん、かもしれませんね。」

所長　「ところで最近DS3をよく見掛けるような気がするんじゃ。」

助手　「確かに目に付きますよね。C3はあんまり見ないような気がしますけど。」

所長　「ヨーロッパなんかではデカいクルマからのサイズダウンを狙っとるそうじゃけど、日本では少しニーズが違うような気がするんじゃ。」

助手　「どういうコトですか。」

所長　「今の日本って安いのと燃費がいいクルマに一極集中しとるじゃろ。と言うかそれしか売れとらん。」

助手　「はい。」

所長　「じゃがそれってあくまでも大多数の話じゃろ。少ない数で見ると相変らず高級車や外車も売れとるワケじゃ。」

助手　「それはそうでしょうね。みんながみんな安いのに走ってるワケでもないですし。不況も関係なく儲けてるヒトもいっぱいいるでしょうしね。」

所長　「じゃろ。そういうヒトって金額はあんまり気にせずクルマを選べるワケじゃ。」

助手　「でしょうね。」

所長　「じゃから相変らずベンツやBMW、最近じゃとアウディなんかが一定数売れるワケじゃ。」

助手　「ですね。」

所長　「で、当然、みんなと違うクルマに乗りたいってニーズもあるワケじゃ。それもクルマで自分の個性を演出できるようなのとか。」

助手　「バブルの頃はそんな感じでしたよね。ボルボやサーブなんかも相当売れましたよね。」

所長　「数は少ないんじゃが、今もそういうヤツがおるワケじゃ。中には古いクルマにいくモンもおるじゃろうけど、そんなにクルマに手間暇を掛けたくないモンもおるじゃろ。」

助手　「まぁ、確かに最新のシトロエンだったら、手も掛からないでしょうし、国産と似たような感覚で維持出来るかもしれませんね。」

所長　「環境が違うから国産並みとはいかんじゃろうけど、今はインターネットで情報が簡単に手に入るし、手に負えんようになるコトもないじゃろ。そこから交流も広がってまた違う楽しみも増えるしの。」

助手　「言えてますね。でも生活に余裕があって、ベンツやアウディじゃなくってシトロエンを選ぶヒトでしょ。それってかなり限定されるんじゃないですか。」

所長　「ま、微々たるモンじゃろうな。じゃがそれでもシトロエンのシェアからすると決して小さい数じゃないんじゃ。なんせ去年、日本でのシトロエン全体の販売台数が2402台じゃそうじゃ。それでも過去10年で最高らしいからの。」

助手　「うーん、十分に商売になると言うコトですか。」


参考資料
シトロエンDS4（プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社）
シトロエンC4（プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社）
シトロエンDS3（轟クルマ文化研究所）
シトロエンC3（轟クルマ文化研究所）
シトロエンC5（轟クルマ文化研究所）

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