宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

十五夜

2010年03月01日 04時18分41秒 | 

南米のチリで大地震が起きた。その津波が、地球を半周して日本を襲う。巨大な波による破壊こそ無かったが、襲来の時刻がちょうど大潮の満潮と重なって、浸水の被害が出た街もあった。
竹取庵は海に近い。海岸には警報が出ていた。まさか標高70メートルを超えるみかんの丘にまで波が来る事は無いだろうが、それでも昼間レンガを積む間も海が気になった。
津波の第一波襲来時刻には海に何の変化も無く、日が暮れて作業を終えた僕は竹取庵の屋根を開けた。今日は十五夜だ。東の山にまあるいお月様が顔を出している。月の表では兎が何事も無いように餅を搗いていた。月に兎が居る訳は、古代インドの神話に由来している。帝釈天にその身を捧げようと自ら火の中に身を置いた兎を哀れみ、帝釈天が黒焦げになった兎を月に揚げたと言う。だから月の兎は黒い。
そんなことを思い出しながらこの写真を撮っていると、ふもとの海岸で突然サイレンが鳴った。その音は東から始まり、海岸を走るように西に移っていった。津波の警戒警報だ。これから潮が差して来る。そのいやな音を聞きながら僕は目を月に戻したが、兎はそ知らぬ顔で杵を握っていた。

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