チリチリリン

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「グリーンブック」

2019年03月06日 | 映画の話

 

インテリの黒人ピアニストと彼の運転手として雇われたイタリア系移民のガサツな男が、当時黒人差別が色濃く残っていたアメリカ南部へ演奏旅行をする話。

元々は黒人差別の最たるものだった男が、8週間の旅行の間に心を通わせてお互いを理解する、よくある話なのですが描き方がとても気持ち良い。派手な演出もなく淡々と、でも心にジンとしみる、そんな映画です。

すぐに手が出てしまう運転手、そんな彼を、自分は長年我慢してきたと自制を求めるピアニストは、白人からは差別されセレブになった故に黒人の仲間にも入れない寂しさを漏らします。そして黒人が我慢の限界を超えた酷い扱いを受けた時、その痛みを自分のものとして捉え、彼の手を引いて差別の街から連れ出す運転手が男らしくかっこいいです。アカデミー賞作品賞の価値があります。

しばらく前まで映画館はがら空きで、こんな少人数で上映しても大丈夫なのかと心配するほどだったのに、昨年暮れから、ボヘミアンラプソディ、バーフバリ、パッドマン、バジャランギ叔父さん、翔んで埼玉、そしてこのグリーンブック、映画館は満席です。予約も面倒臭いと思っていましたが、予約しなければならなくなりました。

それでも良い映画、面白い映画が多いのは嬉しいです。


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