編み物大好きな私だけど苦手なものがある。ケーブル模様、いわゆる縄編みだ。縄編みは前後の目をねじって入れ替えて編む、縄がよじれたような模様だ。
縄編み針という小さな針に手前の目を写して休め後ろの目を先に編む、この縄編み針を使うのが面倒くさい。使った針をいい加減に置くのでいつも探し回る。
ねじって編むのだからいわゆる力任せで、1目2目なら良いが4目5目を捻るとなると結構力がいる。長く編んでると手も痛くなるし肩もこる。
よじった編み地はギュッと縮んでサイズが読めなくなる。亭主のセーターを編むつもりが、私のセーターになってしまったこともある。
だから通常試し編みをして寸法を測る(ゲージを取ると言う)それが面倒臭い。極力ケーブル模様のセーターは避けている。
そんなケーブル模様が多用されているのにどうしても編みたいセーターがあった。
それがこのセーター、写真がボケているけど縄編みが斜めに入っているのがわかる。
このセーターが編みたくて編み物教室を開いている友人に編み図を頼んだことがあった。友人は探して送ってくれたのだが(この友人には授業料を払わなければいけないほど世話になっている)編み図は全然理解できなかった。
縦にしたり横にしたり色々やって眺めたが、どこが作り目でどこから編み始めるのか全く分からず諦めた。それが4年前のこと。
暮れにユニクロに行った時、赤いカシミアのセーターに目が行った。セールで少し安くなっている。鏡の前で顔に合わせてみたが似合わない。
やっぱ若い人と一緒にユニクロの赤いセーターは無理だよな、年相応に味のある赤がいいなと棚に戻した。
その後ネットの毛糸販売コーナーを見るようになってこの糸を見つけた。
”テラコッタ”焼いた土の植木鉢の色、日本で言ったら柿色か、黄味がかったこっくりした赤茶だ。
これだよ、速攻ポチッ。ラムの毛糸と仔山羊の毛のモヘア、モヘアを合わせると下手な編み地もふんわりカモフラージュされて綺麗に見える。
流石に1000円ではなかったがユニクロセーターの半額、主婦はこうでなくっちゃ!
ここで先の斜め編みのセーター登場。推理小説の伏線が繋がるように、パズルの駒が合うように、この糸で編むのはあのセーターだと直感。今なら編める!と決心した。
まず型紙を作り、これに合わせて編んでいけばいいと始めたがやっぱり縄編みは曲者、編み進めるうちにどんどん縮こまっていく。しかも幅が広がって縄の本数が増えるといよいよ縮まって修復不可能に。エイ!と解く。1日編んだ編み地は5分で解けた。やり直しだ。
難しいのは承知の上、焦らずゆっくりやろうと気持ちも新たに頑張っている。
絶対完成させるぞ!