チリチリリン

風にゆれる風鈴のように
こころ休まる音を届けたい

「生きる」

2023年04月01日 | 映画の話

黒澤明監督映画のリメイク、ノーベル賞作家のカズオイシグロが脚本を書いたという映画「生きる」を見てきました。

日本映画が原作で日本人にはしっくり来るストーリーなので、違和感なくしっとりとした感情で観ていましたが、今の人には地味で少し退屈な映画のようでした。

余命宣告を受け、今までの生き方を見直して一つでも生きた証を残そうと残りの命を捧げる、なんて話ははっきり言って若い、これから人生を謳歌しようという人達には遠い物語なのでしょう。

これはやはり、先が見え始めた年齢になってこそ理解できる味なのではと感じました。

彼の生き方に感銘を受け、流されるだけのマンネリ化した生活はやめようと誓った人達が、ズルズルと元の生活に戻っていくところが悲しくも納得の話でした。

 

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土を喰らう十二カ月

2022年11月19日 | 映画の話

沢田研二演じる作家のツトムが長野県の山村の庵に住み、山のものや畑のもので精進料理を作りながら暮らす様が淡々と描かれている。四季の景色や作られる素朴な料理がとても美しく懐かしい。

沢田研二の映画は若い時のも見たことはないが、この老作家の役はとてもいい感じだ。気負いがなく本当に素のままで、それでいて年寄りの嫌味なところがなく気持ちが良い。

村人との関わりも淡白でもしっかりとツボは押さえている感じで好もしい。

土井善晴さんの料理は素材が生きた美味しそうな料理で、作ったことがある料理でも改めて初心に帰って作ってみたいと思わせる。

私自身も畑作業をしているので、見ていて新しい発見がありました。

最後の主題歌は沢田研二が歌っているのですが、年齢を感じさせない艶っぽい声に感動しました。

松たか子はなんかしっくりこない感じでした。沢田研二にのまれたのかな?

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RRR

2022年10月24日 | 映画の話

 

「バーフバリ」後続のインド映画、監督が同じラージャマウリ監督、制作費も一番だというアクション映画だ。毎度のことながら3時間と長い。

前作「バーフバリ」にすっかりハマって、応援上映まで行った私と娘、今回は朝一番の舞台挨拶付きのチケットを買った。

3時間+舞台挨拶30分、休憩なしの3時間半なので朝食のお茶も控えめ、いつも用意するペットボトルも持たないで臨んだ。

 

 

英国植民地時代のインド、英国人にさらわれた村の娘を取り戻しに行くビームとインド独立をうちに秘め、機会を狙いながら英国軍の警官として働くラーマ、二人の友情と闘争のスケールの大きな冒険の話だ。

 

インド人の男性は髭面で濃ゆいね。その二人はスーパーマンのように強く、それでいて純粋で可愛い。ダンスも超ウマ。

お互いを思いやって相手のために尽くす。それでもどうしても自分の信念のためぶつかることが出てきてしまう。

初っ端からハラハラドキドキが続き、体を硬くして観ていた。3時間眠くなることもない。

 

それにしても英国人はめちゃめちゃ悪人に描かれている。この映画は英国では上映できないのではなかろうか。

水分控え目で頑張ったが、3時間経ってタイトルバックが流れると我慢できずトイレに走った。この時を待っていた人が何人も居たよ(笑)

肝心の舞台挨拶だが、監督はともかく、髭面の大男二人、どっちがどっちだか遠目にはわからない。でも司会者の質問に答える姿勢とか内容とか、とても真面目な人達なのだと思われましたよ。

 

 

 

 

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「ブレットトレイン」

2022年09月30日 | 映画の話

コロナ待機期間があけると友人から映画の誘いが来た。ブラッドピッド主演の映画、プロモーションで来日もしてるし、日本人の原作ストーリーだし、日本が舞台だから、どう? 値上げ前に開店寿司で食べて、それから行こう?って。

映画館はコロナ規制が解除されたので結構混んでいた。日本が舞台だし、日本人俳優は日本語話すし、英語とちゃんぽんでも台詞はわかりやすかったけど、話の方は???がいくつも並んだ。

どこの国だかわからない東京駅、フォルムだけ似ているけど全然違う新幹線。日本人には見えない車掌、舞台背景だけでなくストーリーもはちゃめちゃすぎてなんとも感想の述べようが無い。

京都駅のホームにずらっと並ぶヤクザ軍団、新幹線は脱線してビルをなぎ倒して止まったけど、人がいない。日本にはそんなゴーストタウンのような街は無いよ!

結局、この映画は理屈は抜きで、ただはちゃめちゃ具合を楽しむ映画のようで、そう思えば面白く無いこともない。

原作者の伊坂幸太郎は人気作家のようですが、彼は本当にこの話を書いたのだろうか? 

それともハリウッド映画になる段階でこのストーリーに変化したのだろうか? 原作本に興味が沸いた。

 

 

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”Elvis"

2022年07月06日 | 映画の話

プレスリーが好きだった。と言っても、プレスリーがセンセーショナルなデビューを果たした時は小学校入学前、実際に歌うとこなんて見たことなかった。小学校高学年頃、日本の歌手がプレスリーの真似をする、面白おかしくコメディみたいに。中学生になって初めて本物のプレスリーのレコードを聴いた、テレビで主演した映画を見た、それからその声が大好きになった。大人になってからのエルビスオンステージの映画は何度も観た。

私が知ったプレスリーは既に大大スターだったから、彼が彼らしく歌うことがこんなに大変だったなんて全然知らなかった。世界中で一番売れたスターだからアメリカでは誰もが大好きで、英雄のように大切に扱われていると思っていた。

歴史的にまだ黒人差別の時代だったから、R&Bやゴスペルが白人の世界と切り離されていて、黒人のサウンドを歌う白人が公安の監視下にあったり、セクシーな腰の動きを非難されたり、指一本動かしても逮捕すると脅されたり、その中でそれでも自分らしく歌い続けた反骨の歌手だったなんて本当に全然知らなかった。

映画はショーより伝記物で、プレスリーの生い立ちやスターに上り詰めその後死ぬまでを描いている。大スターでお金もたくさんあったろうに、幸せな一生ではなかったようだ。

主演のオースティン・バトラーは絶賛されているが、目ヂカラが素晴らしく、エルビスのカリスマ性を出している。歌はプレスリーそのもので見入ってしまう。エルビス自身よりちょっといい男だ。

 

私は観たいと熱望していたのに、私より先に見た娘は「生まれる前に死んでるし、全然知らん人やった」伝説のエルビスも昔の人なのか!

 

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