チリチリリン

風にゆれる風鈴のように
こころ休まる音を届けたい

”Elvis"

2022年07月06日 | 映画の話

プレスリーが好きだった。と言っても、プレスリーがセンセーショナルなデビューを果たした時は小学校入学前、実際に歌うとこなんて見たことなかった。小学校高学年頃、日本の歌手がプレスリーの真似をする、面白おかしくコメディみたいに。中学生になって初めて本物のプレスリーのレコードを聴いた、テレビで主演した映画を見た、それからその声が大好きになった。大人になってからのエルビスオンステージの映画は何度も観た。

私が知ったプレスリーは既に大大スターだったから、彼が彼らしく歌うことがこんなに大変だったなんて全然知らなかった。世界中で一番売れたスターだからアメリカでは誰もが大好きで、英雄のように大切に扱われていると思っていた。

歴史的にまだ黒人差別の時代だったから、R&Bやゴスペルが白人の世界と切り離されていて、黒人のサウンドを歌う白人が公安の監視下にあったり、セクシーな腰の動きを非難されたり、指一本動かしても逮捕すると脅されたり、その中でそれでも自分らしく歌い続けた反骨の歌手だったなんて本当に全然知らなかった。

映画はショーより伝記物で、プレスリーの生い立ちやスターに上り詰めその後死ぬまでを描いている。大スターでお金もたくさんあったろうに、幸せな一生ではなかったようだ。

主演のオースティン・バトラーは絶賛されているが、目ヂカラが素晴らしく、エルビスのカリスマ性を出している。歌はプレスリーそのもので見入ってしまう。エルビス自身よりちょっといい男だ。

 

私は観たいと熱望していたのに、私より先に見た娘は「生まれる前に死んでるし、全然知らん人やった」伝説のエルビスも昔の人なのか!

 


コメントを投稿