上野の森でゴッホ展が開催されている。美術館に行く前に、ちょっと退屈で寝てしまうよと言われたが、この映画を見ようと考えていた。
ゴッホの生涯は残された多くの手紙などで既に知られているのだが、待望の地アルルでそれまでにない明るい色彩の絵を描きながらも、繊細な神経ゆえ病魔に冒されて行く最後の2年の映画だというので、どうしても見たくなった。
私はアルルを訪れている、ゴッホの入院した病院も見ている、ゴッホが療養生活を送った療養所のあるサン=レミにも行っている。映画の中でもう一度、遠い記憶の地を見てみたかった。
ゴッホの絵のような麦畑や糸杉は見なかったけど、実際に歩いた野外劇場の遺跡が出てきて嬉しくなった。町のあちこちにゴッホのプレートがかけてあって(フランス語は読めない)、アルルの人たちにとって、ゴッホは郷土の誇りなのかと思っていたが、精神異常者で危険だからと追放の嘆願書が出されていたなんて事は知らなかった。
なぜ絵を描くのかと問われて、父親が聖職者で自らも聖職者を目指した事があるというゴッホが出した『未来の人々のために、神は私を画家にした』という答えは感慨深い。
次は未来の私たちのために、ゴッホが残した絵を見に行こう。今までと違って見えるかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます